Everybody! Good Monday!
[2014vol37]
2014年第38週です。
9月第4週。
いい季節です。
ほんとうにいい季節。
こころざし高きに置けば秋晴るる
〈『春節』1995年3月より 山田弘子〉
このまま、この季節のなかに、
たたずんでいたい。
そんな気持ちになってくる。
さて月刊『商人舎』2014年9月号。
ご好評いただいております。
絶賛発売中!
価格:1冊1500円(税別)。
鳥の目・魚の目で、
アメリカ小売業をとらえ、
業態別に複占化現象を明らかにし、
日本小売業に対しては、
その閉塞状況脱出の手掛かりとする。
先週土曜日のこのブログで、
イトーヨーカ堂の業態論を語った。
業態の衰退期を迎えたか、
そんな見方さえあるだろう総合スーパー。
日本ではずっと「GMS」といわれたりしてきた。
ペガサスクラブの故渥美俊一先生は、
「日本型スーパーストア」と呼んだ。
しかし衣食住フルラインの総合ストアは、
欧米ではハイパーマーケットと称される。
食品主体のセルフサービス店を、
「スーパー」なマーケットと称すが、
それに対して「ハイパー」なマーケット。
イトーヨーカ堂は、
衣食住フルラインの店であるから、
ではハイパーマーケット業態として、
問題を解決すればいいのか。
この業態をどんな方向に引っ張っていくか。
業態が分化したものを、
フォーマットと概念づける。
神戸大学名誉教授の田村正紀先生。
私も田村先生の定義に準じて、
フォーマットが重要な考え方だと主張する。
だから日本の総合スーパーの業態の中で、
イトーヨーカ堂は、
どんなフォーマットになったらいいか。
それは企業の戦略行動であって、
だから私は大衆百貨店になるのがいい、と考える。
つまり百貨店の商品ラインを揃えて、
それをギリギリの低価格で販売する。
百貨店にいやがられる店になる。
それがイトーヨーカ堂のフォーマットとなる。
イオンの総合スーパーは、
イオンリテールだが、
こちらは大衆百貨店ではないだろう。
そんなことが、
月刊『商人舎』を読み続けると、
分かってくる。
9月号のUS Retail Industry特集は、
特にそれが見えてくる。
しかし月刊『商人舎』は残念ながら、
書店でもアマゾンでも手に入らない。
だから㈱商人舎に直接、申込みをお願いしたい。
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さて、今週のスケジュールの目玉は、
明日の火曜日の秋分の日。
商人舎Magazineの日替り連載、
「今週の販促企画」に、
考え方を掲載。
もうひとつ先週の話題。
金曜日の19日に、
関西スーパーマーケットの人事発表。
福谷耕治さんが10月1日から、
代表取締役社長に就任。
井上保さんは取締役会長になる。
井上さん、ご苦労様でした。
福谷さん、名門・関西スーパーの、
第三代目社長就任。
おめでとう。
そして頑張れ。
福谷さんは、
コーネル大学ジャパン伝説の第一期生。
そして今年4月の商人舎視察研修会、
ロンドン・バルセロナに参加して、
テスコとメルカドーナを、
熱心に学んでいた。
関西スーパー社長就任というだけで、
また伝説をつくった。
関西スーパーこそ、
新しいポジショニングをつくって、
独自のフォーマット戦略を、
推進しなければいけない。
その役目が福谷さんに課される。
大いに期待したい。
そして井上さん。
たいへんな時期の二代目社長。
それこそ伝説の北野祐次名誉会長が、
心血を注いでつくり上げた会社を、
受け継ぎ、引き継ぎ、
ここまで持ってきた。
私は井上さんだからこそ、
それができたと思う。
これからは福谷さんを背後から支えて、
会長として会社に貢献し、
同時に業界や協会の仕事もやってほしい。
これまでは井上さんは、
ひとりで全部、やっていた。
ほんとうにご苦労様でした。
最後に日経BizGate9月17日のコラム。
東京理科大学大学院教授の伊丹敬之さんが、
『孫子』に学ぶ経営を書いている。
「勝ちを知るに五あり」
その一、戦うべきと戦うべからざるとを知る者は勝つ。
その二、衆寡の用を識(し)る者は勝つ。
その三、上下の欲を同じうする者は勝つ。
その四、虞(く)を以て不虞を待つ者は勝つ。
その五、将の能にして君の御せざる者は勝つ。
この後に、最も有名な句。
「彼れを知りて己(おの)れを知れば、
百戦して殆(あや)うからず」
この名言よりも、伊丹さんは、
「勝ちを知るに五あり」を強調する。
伊丹さんによると、
これは5つ勝者のタイプを表している。
第一は、
「戦うべき状況かどうか、
判断できる者」。
第二のタイプは、
「現場の作戦行動を
兵力の大小に応じて
適切に工夫できる者」
第三は、
「組織の上下で
同じ思いと欲を共有している者」
第四は、
「自ら深く考えて準備をし、
相手が準備のないまま行動するのを
待ちかまえている者」
最後に第五のタイプは、
「現場の指揮官たる将の能力が高く、
最高責任者である君(経営者)は
将のたづなをとって
いちいちコントロールはしない者」
伊丹さんは言葉を変える。
「現場への権限委譲が大切」。
さらに、読み替える。
「本社が現場の事業を
コントロールしたがる企業に発展はない」。
伊丹さんは、
五つの「勝ちを知る」者のエッセンスを、
箇条書きで経営用語にする。
①環境の中の自分の立ち位置の判断
②現場での人や資源の運用
③人心の統一
④自分の側の準備や蓄積
⑤現場への権限委譲
①がまさに、
私の主張するポジショニング戦略。
そしてこの5つの概念は、
経営者だけに求められるものではない。
志高き知識商人にはすべて、
必要なことだ。
こころざし高きに置けば秋晴るる
では、みなさん、今週も、
Good Monday!
〈結城義晴〉