おめでたい話。
ノーベル物理学賞を
日本の学者が受賞。
赤崎勇・名城大学終身教授、
天野浩・名古屋大学教授、
中村修二・カリフォルニア大学教授。
赤崎・天野両教授は、
窒化ガリウムを使った半導体結晶の加工技術を確立。
小売サービス業もお世話になっている
青色発光ダイオード(LED)、
さらに青色半導体レーザーなどの開発に成功。
中村教授はそれらの量産技術を開発、
世界で初めて製品化。
授賞理由は、
「明るく省エネルギーの白色光源を可能にした
効率的な青色LEDの発明」。
赤崎教授は松下電器産業出身。
中村教授は日亜化学工業の技術者だった。
青色LED製法特許の譲渡に対する対価を、
日亜化学工業に求める裁判を起こした。
これは「技術者の反乱」と呼ばれた。
研究には三つのジャンルがある。
第1が基礎研究、
第2が応用研究、
そして第3が実用化研究。
赤崎・天野教授は応用研究、
中村教授は実用化研究。
どちらも実務者が成し遂げて、
ノーベル物理学賞。
すばらしい。
私がアメリカ視察などで教授することは、
実用化研究のジャンルだと
思われているかもしれない。
しかし小売サービス業に関して、
基礎研究の分野にも言及し、
応用研究と実用化研究の最先端を解説する。
さて、サンフランシスコの3日目。
朝からセミナー。
今回はいわき市のマルトの社員研修。
若い人も多い。
だからわかりやすく、
丁寧に経営思想から入る。
そして鳥の目、魚の目で、
全体像を描き出す。
このあと、基礎研究から、
最新実用化研究分野まで、
ラスベガスで展開することになる。
講義が終わると、
バスに乗って、
バークレーボウルへ。
2店舗、年商120億円、
インディペンデントスーパーマーケット。
この激しい競争が展開されるアメリカで、
マーケット・ニッチャーの代表選手。
野菜・果物は、
アメリカ第一、
いや世界一。
三つの卸売市場から商品を仕入れているが、
それ以外からも珍しい商品が次々に、
開発されてこの店に入る。
精肉・鮮魚、乳製品、リカー、
そしてグロサリー、惣菜デリ。
フルラインのスーパーマーケットだが、
青果部門がダントツに強くて、
全体の3割の売上高。
加工食品のエンドの一つは、
伊藤園の商品だけで構成されていた。
バックヤードも視察させてくれた。
2階には惣菜のキッチンがある。
伸び率ナンバー1の部門だ。
視察が終わると、
向かいの棟の2階の会議室で、
おもてなしを受けた。
この会社のオーナーは、
グレン・ヤスダさんとダイアン・ヤスダさんの御夫妻。
そのダイアンさんがレクチャーしてくれた。
カスタマーを第一に考え、
青果部門を最大の武器にする。
マーケット・ニッチャーのポリシーが、
よく表れたスピーチだった。
ニッチャーは隙間狙いの姑息な企業ではない。
その分野の第一人者。
しかし企業規模は大きくはない。
そんな存在だ。
そのあと、全員で写真。
すぐさま、バスに乗り込んで、
空港へ。
途中で、サンフランシスコ港に、
空母ミッドウェイが停泊していた。
サンフランシスコ国際空港から、
ラスベガスに向けて飛び立つ。
旋回するとサンフランシスコ空港が見える。
そしてベイエリアに別れを告げる。
シェラネバダ山脈。
1時間ちょっとで、
ラスベガス渓谷。
中心街ストリップが近づく。
ああ、またやってきた。
ラスベガスを未だに、
いかがわしい街だと
勘違いしている日本人は多い。
しかしいま、世界のコンベンションの街、
エンターテインメントの街、
そしてゲーミングとギャンブリングの街。
2000年から2010年の10年間で、
人口は35%も増えて、
郊外には高級住宅地が立ち並ぶ。
その街が渓谷の山側に、
どんどん広がっている。
だから流通の勉強に最適。
そうは言っても、
降り立つとスロットマシーン。
ホテルに収まり、
すぐに集合して、
今日はコリアン・バーベキュー。
二日間、ホテルのキッチンで、
アメリカの家庭食を楽しんだ。
だからラスベガスでも人気の韓国焼肉へ。
みんな楽しんだ。
私はその後、一人で、
散策。
まず、ウォルグリーン。
アメリカ最大のドラッグストア。
メインストリートを隔てた反対側に
CVSファーマシー。
ウォルグリーンの永遠のライバル。
最近、CVSヘルスと社名を変えた。
それからロス。
オフ・プライスストアの二番手。
この店は、
「ロス・ベガス」と洒落てみせた。
さらにハワイのコンビニABCストア。
ラスベガスでこそ、
お土産屋とコンビニのコンバインは、
有効なフォーマット戦略となる。
最後にモンテ・カルロホテル。
今回の宿泊地。
おつかれさま。
ちょっと風邪気味だったが、
旅をしながら、治す。
それに成功。
頑張ります。
(つづきます)
〈結城義晴〉