帰国後の今日。
午前3時頃、目が覚めて、
そのまま現地時差でブログを書いて、
さらに残った仕事などこなす。
大リーグ・ワールドシリーズ第1戦の録画を、
NHKのBSがやっていて、
ボーッとみていると、
カンザスシティ・ロイヤルズが負けた。
青木宣親も活躍はなし。
日本では我が阪神タイガースが、
ストレートで読売ジャイアンツを破った。
日本シリーズに出るのは、
青木と早稲田大学野球部の同期の鳥谷敬。
アメリカ旅行中、
気休めに携えていたアガサ・クリスティの長編も、
ちょうど読み終わって、安堵。
この、まったりした、
時差ボケのひととき。
嫌いではない。
手提げ鞄から、
19日間滞在したホテルのカード、
頻繁に使ったカードなどが出てきた。
サンフランシスコ郊外のコンコードで2泊、
ラスベガスのモンテカルロで3泊。
サンフランに戻って、
ホリデーインで2泊。
それから、
ミネアポリス、シカゴ、
シャーロット、ヒューストンで、
それぞれ1泊ずつ。
さらに商人舎チームと合流して、
サンアントニオで2泊、
ダラスで2泊、
ニューヨーク・タイムズスクェアで2泊。
都合17泊19日。
11軒のホテルに泊まった。
もう、よく覚えていない。
ラスベガスのモンテカルロも、
シェラトン・ダラスも、
定宿の一つだから馴染んでいる。
良かったのは、
ドゥルーリーイン&スイーツ。
サンアントニオの運河沿いのホテル。
楽しかったなぁ。
もちろんザ・マンハッタンも、
十二分に良かった。
帰国の便で読んだのが、
10月21日のFinancial Times。
一面のダイジェスト欄に、
安倍晋三日本国首相の短信。
そして二面に、その記事。
小渕優子、松島みどり。
写真の印象がひどく悪い。
さてニューヨーク周辺の競争。
スチュー・レオナード、
ウェグマンズ、
フェアウェイ・マーケット。
さらにホールフーズ・マーケット、
トレーダー・ジョー、
イータリー。
その店を評価すると、
好悪の基準が見えてきた。
一番ダメなのが、
スチュー・レオナード。
次に「古い」と感じさせられたのが、
なんとウェグマンズ。
立ち止まっている。
古そうだけれど、
イノベーションが感じられるのが、
フェアウェイマーケット。
ホールフーズとトレーダー・ジョーは、
もちろん文句なく、動いている。
そしてイータリーも。
基準は、新店への挑戦度合いだ。
新店を全くつくらないのが、
スチュー・レオナードだ。
2007年のハートフォード店以来、
新店はなくて、現在4店。
ウェグマンズも、
2013年12月決算段階で、
83店舗。
70億ドル(7000億円)級の企業で、
1年に2店舗ほどでは少ない。
しかもニューヨーク周辺の店は、
黙っていても儲かる。
イノベーションが起こりにくい。
たとえ小さな改善にしても。
フェアウェイマーケットは、
スーパーマーケット15店の企業だが、
近年はマンハッタンを中心に、
2店舗ずつくらい新しい店に取り組む。
ホールフーズは、
2012年度新店26店、
2013年度25店。
全米で競争にさらされつつ、
意欲的な新店舗を開発し続ける。
トレーダー・ジョーも、
一昨年度の新店24店、昨年度16店。
すべてが行列のできる繁盛店。
イータリーはアメリカでは、
2010年にニューヨークに進出すると、
2013年にシカゴに素晴らしい2号店を出して、
この4年間に2倍増の計算。
最大手のクローガーは、
2013年1月決算で総店舗数3538店、
2014年1月決算で3746店。
つまり1年間に208店の増加。
対して二番手のセーフウェイ。
サーベラスに買収された。
2012年12月期決算で総店舗数1641店、
2013年は1335店。
マイナス306店。
店数のピークは、
2003年12月期の1817店だから、
10年間で482店の激減。
つまり、新しい店に挑戦している企業は、
その売上規模や店舗数規模にかかわらず、
店の状態が前向きで、よろしいということ。
新店に挑戦する目的は、
売上げを積み上げて、
会社を大きくするだけではない。
自ら、変わって、
イノベーションを起こし、
顧客と社会に貢献するためなのだ。
あのニュージャージーのウェグマンズが、
ちょっと止まっていると感じさせる理由は、
ここにある。
ホールフーズもトレーダー・ジョーも、
全米から人財を集めて、
全米で競争にまみれながら、
その人財の創意工夫を活かすべく、
新しいジョブにチャレンジしている。
それが組織と店舗に、
イノベーションをもたらす。
小さくてもいい。
中くらいでもいい。
もちろん大きい場合も。
そのスケールに応じていつも、
新しい仕事、新しい店、
新しい事業に挑戦する。
新しい創意を刺激する。
それがチェーンストアの最大のメリットだ。
帰国後の時差ボケのなかで、
ボーッとしながら、
こんなことを考えた。
だから私は、
この時差ボケのひととき、
嫌いではない。
〈結城義晴〉