日米野球が日本で行われている。
MLBオールスター対侍ジャパン。
第1戦、第2戦を連勝し、
第3戦は、なんと、
ノーヒットノーランで快勝。
先発投手は、楽天・則本昂大。
最速153キロのストレートで、
5回をパーフェクト。
2番手オリックス・西勇輝が6・7回、
3番手は西武・牧田和久で8回、
そして9回はロッテ・西野勇士で、
4人でヒットも打たせず、ホームも踏ませず。
メジャーリーグでは、
「No Hitter」という。
全員パ・リーグのピッチャー。
俄然、アメリカでも注目されてくるだろう。
いかにシーズンオフの、
余興のようなゲームとはいえ、
これは快挙だ。
日本の商業やチェーンストアも、
アメリカに凌ぐものが出てきて欲しい。
もちろんセブン-イレブンは、
日本のそれが世界を制している。
ユニクロもDAISOもアキホームも、
注目される存在だ。
アンダー1000㎡の小型店は、
万代や阪急オアシスが、
アメリカを超えつつある。
いいことです。
元気が出ます。
だからといって、
アメリカに学ぶものはない、
というわけでは全くない。
さて、久しぶりに『ほぼ日』から。
巻頭の「今日のダーリン」。
糸井重里さんが毎日更新している。
「無事これ名馬なり」というけれど、
ただ無事であることが、
どうして名馬なんだ、
と、思う人はきっと多いと思う。
しかし糸井さん気がついた。
無事である馬は、
「出場回数」が
多いのである。
運があるのか体力があるのか、
いつも何事もなく
「出場」している馬は、
一等賞でなくても、
二等賞でなくても、
五等賞やら六等賞ですらなくても、
その都度「ごくろうさん」
と言われるような貢献を
してくれるのだと思う。
そして、やがては
その経験を活かしてなのか、
一等賞をとるようなことも
あるかもしれない。
名馬かどうかのことは
ともかくとして、
「無事」というのは、
ひとつの憧れになりうる。
ここで矢野顕子の話。
「世界中でコンサートをしたり、
セッションに参加しているようなミュージシャンは、
根本的に体力がある」。
「世界各地からの要請に応えて
ツアーに出かける音楽家は、
腕前の差があるというより、
丈夫さがちがうのだ」。
サッカー選手は過密な日程。
野球選手もトップレベルは、
日米野球までやらされる。
「丈夫」であること、
「無事」であることは、
やっぱりすごいことなのだと、
あらためて感じる。
そのうえで、糸井さんの結論。
「丈夫」とも言えないけれど、
なんとか「無事」でいることは、
やってみたいなと思う。
その通りだ。
無事でいることは、
やりきれると、私も思う。
永らく無事でいれば、
それは丈夫でもある。
さてサンフランシスコで、
120名を送って、一人。
店巡り。
その中で、都心の2店。
ホールフーズとトレーダー・ジョー。
そのサンフランの最新店が素晴らしい。
ホールフーズは変形の建物。
台形のような形で、
通りに面して入口を設けた。
入口には直営のコーヒーショップ。
そして赤一色の椅子席が洒落ている。
縦長の店をうまく活かす。
そして圧巻のチーズ売り場。
青果部門は奥に設置されたが、
これが素晴らしい。
通常、ホールフーズは、
入口にプロデュースを持ってくる。
しかしこの店は、奥。
この発想の転換。
自由さ、伸びやかさ。
デリ売り場は店舗右サイドに、
ずっと一直線に続くが、
魅力的なコーナーが連続して、
どんどん顧客を引きつけていく。
そして入口横の銀行方式レジ。
この店は素晴らしい。
なんとか、明日からのツアーで、
見せたいものだ。
一方のトレーダー・ジョー。
入口にはケーブルカーと、
welcomeの言葉。
ホールフーズ以上のイノベーション。
青果部門を拡充した。
この店も縦長で、
約1万5000平方フィート。
420坪の縦長。
しかしサービスコーナーは、
必ずある。
天井は珍しく、吹き抜け。
窓から外光を取り入れる。
レジの上も開放感があって、
全く新しいトレーダー・ジョーだ。
この店も、次の平和堂部隊に、
見てもらおう。
「無事これ名馬」。
然り。
しかし名馬の条件はやはり、
イノベーションし続けて、
無事であることだ。
(つづきます)
〈結城義晴〉