ユニー創業者の西川 俊男さんが、
1月1日に亡くなった。
満89歳で享年91。
イオンの岡田卓也さんが同年、
イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊さんは、
ひとつ上。
ライフコーポレーションの清水信次さん、
故渥美俊一先生はひとつ下だった。
1949年(昭和24年)、㈱西川屋を設立、
1959年には伊勢湾台風来襲。
この時、西川さんは、
商売の尊さに改めて目覚めさせられた。
1963年に、㈱西川屋チエンを設立。
1971年、ほていやとの合併で、
ユニー㈱が設立され、取締役副社長就任。
さらに、1976年、代表取締役社長、
1990年、代表取締役会長。
1993年(平成5年) 5月同社取締役会長。
その後、1997年、名誉会長、
2003年、特別顧問。
ユニーは2012年に、
ユニーグループ・ホールディングスとなって、
小売業第7位。
しかしチェーンストアとしては、
イオン、セブン&アイについで第3位。
その礎を築いたのが、
西川俊男だった。
ダイエーの中内功さん、
イトーヨーカ堂の伊藤さん、
ジャスコの岡田さんに対しては、
一歩引いて控えめのように見えたが、
いい意味での名古屋人らしさを持っていて、
それがユニーを日本で、
三番手のチェーンストアに押し上げた。
1980年5月から1984年5月までの4年間、
日本チェ-ンストア協会会長。
西川さんはこの時期、
「チェーンストアフェア」を主催し、
私は『全記録』の編集に携わった。
お別れの会は、
2月11日〈水〉の建国記念日、
14:00から15:00まで。
ウェスティンナゴヤキャッスルで行われる。
そのユニーグループ・ホールディングス。
会長・社長が退任して、
佐古則男取締役がホールディングス社長に就任する。
事業子会社ユニー社長。
前村哲路会長兼最高経営責任者、
中村元彦社長兼最高執行責任者は、
相談役として、現役を離れる。
そのユニーグループ、
2014年第3四半期までの成績。
売上高は7461億円で、前年同期比マイナス1%。
営業利益はマイナス18%、純利益はマイナス21%。
日経新聞には、
3期連続営業減益の「引責辞任」と、
書かれてしまったが、
前村さんは「結果責任をとった」と発言。
西川さんの逝去、
前村さんの辞任。
ユニーグループも、
大きく変わるに違いない。
さてニューヨーク3日目。
寒風吹き荒ぶ中、
ユニオンスクエアへ。
真ん中にホールフーズ。
コンシャス・カンパニーは、
いつでも、どこの店も、
レベルが高い。
すぐにメイン売り場の地下1階へ。
それはプレゼンテーションに表れる。
前進立体陳列の斜め陳列。
最近のホールフーズの特徴。
しかし一方で、
ウォーターフォール陳列。
〈用語解説は月刊『商人舎』2014年12月号〉
この取り合わせが、
実に、いい。
鮮魚部門は長い長い対面売り場。
そして量り売りのコーヒー売り場。
1階のデリ売り場、
2階のフードコート、
ともにレベルダウンの気配がない。
ユニオンスクエアでも、
ライバルはトレーダー・ジョー。
こちらはリミテッド・アソートメントの、
エブリデーロープライス。
入口花売り場の壁面に、
ユニオンスクエアの風景が、
見事に描かれている。
多段ケースの上にも、
この店らしいプレゼンテーション。
そしてリカーショップ。
州法で別棟。
しかし専門店としてみると、
TJのリカーショップは、
強力な店舗。
このリカーショップだけでも、
チェーン展開できそうだ。
両雄に取り残された店。
フード・エンポリアム。
A&Pのアップスケール・フォーマット。
しかし伝統型の域を出てはいない。
それが客数に表れる。
その一方で、
ガーデン・オブ・エデン。
訳せば「エデンの園」。
単独店のスーパーマーケット。
この美しさ。
入口のセンター売り場。
天井にも趣向が凝らされ、
壁面の隙間がない。
こちらも天井。
グロサリーのゴンドラは、
木製でいい雰囲気。
チーズ売り場も、
この店独特の品揃え。
加工肉売り場は対面方式。
マーケット・ニッチャーだが、
独特のポジショニングを構築している。
このユニオンスクエアの、
スーパーマーケット競争。
マーケット・リーダーと、
マーケット・チャレンジャーの、
ホールフーズとトレーダー・ジョー。
A&Pフード・エンポリアムは、
マーケット・フォロワー。
そしてガーデン・オブ・エデンは、
マーケット・ニッチャー。
コンテスト型競争の構図が、
オーガニック領域の中で、
綺麗に図式化されている。
それ以外に、
ウォルグリーン。
入口にはアップ・マーケット。
日本のコンビニ機能を、
コンバインしたドラッグストア。
2階へのエスカレーターがあって、
そこが調剤薬局とヘルス&ビューティ。
その隣のビル1階に3店。
左からベストバイ、
米国最大の家電チェーン。
ノードストローム・ラック、
百貨店のオフプライスストア。
百貨店のノードストロームの、
売れ残り品を集めたフォーマット。
だから超一流ブランドが、
驚くほど安い。
ただし、探し出さねば、
自分の欲しい商品はない。
デュアン・リード、
マンハッタン第1のドラッグストアで、
ウォルグリーン傘下。
ユニオンスクエアのあたりで、
2時間半各自視察。
しかし耳が痛くなるほどの寒さ。
フード付きコートは、
こういったところで着用すべきだ。
東京・横浜でのコートのフードは、
単なるお洒落の飾りだ。
そんなことを思いつつ。
バスに乗って、
イータリーへ。
それからチェルシー・マーケットへ。
世界最先端の「フードストア&サービス」。
イノベーションは確実に、
このトレンドのベクトルにある。
詳細は明日のこのブログで。
(つづきます)
〈結城義晴〉