ジジです。
おとうさんは、
ニューヨーク。
タイムズスクエア。
ひとつオシゴトがおわって、
ちょっとだけ、ゆっくり。
ディナーはOTOMIROM。
いえいえ、料理の鉄人MORIMOTO。
キッチン。
フロア。
シェフのおまかせ。
マグロのタルタル。
まんなかにウニ。
ヒラメのカルパッチョ。
すごいですね。
バーニャカウダ・サラダ。
またウニ、そしてカキ。
ホタテ。
金箔があしらわれた冷スープ。
まだ、でたけど、
よっぱらって、わすれた。
ワインはメルローとカベルネ。
それを4本。
でも、これがいちばん。
ナパバレーのレッドワイン。
アミューズ・ブーシュ
Amuse Bouche。
色もいいし、
味もいい。
すばらしい。
ロピアのなかま。
アサノ・センセー、
じゃまです。
たのしかった。
ぐっすり、ねた。
ボクもねた。
目がさめて、
自由な日。
おさんぽ、さんぽ。
タイムズスクエア。
自由の女神。
コロンバスサークル。
それから、
セントラルパークへ。
入口の門。
きのう、雪がふった。
しろい大地。
そこに、いました。
リス。
こっちも。
かわいい。
ボクもうごきたくなる。
でもボクは、
せまいハコのなか。
ちょっと、うらやましい。
でも、さむそう。
おとうさんは、
おさんぽ、さんぽ。
むこうに、たかいビル。
木々も、さむそう。
木のブリッジをわたる。
レンガのブリッジをくぐる。
日がさしている。
そして、みえました。
アイススケートリンク。
リンクをみおろす岩の丘。
のぼる。
いいながめ。
マンハッタンだなあ。
フォト。
おとうさんは、
かんがえました。
そうだ、
足ながおじさんに、
なろう。
そうして、
足ながおじさんに、
なりました。
おしまい。
〈『ジジの気分』(未刊)より〉