立春にして、満月。
月を愛でつつ。
春を待つ。
横浜駅の横を流れる新田間川。
ここにも、満月。
横浜高島屋の上に。
満月を愛でつつ、
春を待つ。
今日は朝一番で、
人間ドック。
横浜鶴ヶ峰病院。
脳、肺、胃・大腸、
CTスキャン、MRI・MRA、
大腸内視鏡検査。
フルコース。
昨年11月に亡くなった父や、
まだ90歳で生きている叔父も、
同じ病気を患った。
ならば、それは私にとって、
すでに起こった未来。
徹底的に検査する。
Toughであることは、
ビジネスマンにとって必須。
もちろん商人も、
Toughでなければならないし、
経営者は何よりも、
Toughでなければいけない。
農民も軍人も政治家も、
そしてジャーナリストも、
Toughであることが最低条件だ。
そしてそれを、
ひけらかしてはいけない。
当たり前のように、
何でもないかのように、
Toughに生きていきたい。
レイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウのように、
ロバート・P・パーカーのスペンサーのように、
そしてユッシ・A・オールソンのカール・マークのように。
セルゲイ・ブブカや室伏広治のように、
かつての長州力や天龍源一郎のように。
イチローや長友佑都も、
ある意味でToughなアスリートだ。
「タフでなければ生きて行けない。
優しくなれなければ生きる資格がない」
If I wasn’t hard,
I wouldn’t be alive.
If I couldn’t ever be gentle,
I wouldn’t deserve to be alive.
マーロウの決め台詞。
「タフであるというのは、
困難なものを正面から見すえて、
“これは困難だ。
対処法を考えなければならない”と言い、
現実に対処することよ」
スペンサーの恋人スーザンの言葉。
Toughとはとても言えない私だけれど、
それに向かって、自分らしく生きていく。
さて、商人舎magazineのdaily商人舎。
ユニクロ初売り絶好調で1月112.0%
2月は「バレンタイン始めました!」
Toughな商人だなあ。
Toughな会社だなあ。
「冷やし中華はじめました~♪」ではないけれど。
日経電子版にコスモス薬品の記事。
「イオンに勝つ秘訣は『金太郎アメ』型の経営」
企業報道部・鈴木哲也記者。
流通には詳しくはないようだ。
「苦戦するイオンやイトーヨーカ堂は、
地域ごとに売り場や商品を変えるなど、
一斉にチェーンストア運営の修正に動き出した」
しかしコスモス薬品は、
「金太郎アメのように、
ほとんど形を変えない店舗を
西日本の広域で大量出店して躍進する」
福岡空港そばの激戦区。
大型のイオンモール、
買収したマイカルのサティ、
ディスカウント型のザ・ビッグ。
イオンは「多彩な店舗をそろえる」。
コスモスの出店戦略。
「福岡空港東店から半径約2キロ圏内に、
同じような店を3店出している。
この出店戦略が他社との違いだ」
コスモスの出店こそ、
これまでのセオリーで、
ローカルチェーンはみんなやっている。
総店舗数は610を超えた。
年間70店以上の出店ペース。
売場面積は約2000㎡。
60~80台程度の駐車場、
ロードサイドの独立店舗。
売上高は過去5年間で2倍以上に急増。
そして売上高4000億円規模。
M&Aには乗らない。
「業界に多い500㎡規模の店舗は、
強みとする食品を十分に陳列できず、
効率的な運営の支障になるとの判断だ」
「できるだけコストを抑え、
1円でも安く提供する」
これはすべての商売に当てはまる。
トヨタもホンダも、
できるだけコストを抑え、
1円でも安く提供する。
味の素も日本ハムも、
できるだけコストを抑え、
1円でも安く提供する。
ユニクロも無印良品も、
できるだけコストを抑え、
1円でも安く提供する。
それはイオンもイトーヨーカ堂も、
同じ。
できるだけコストを抑えない企業は残らない。
1円でも安く提供する意思を失った店は滅びる。
しかし鈴木記者。
「コスモスの安さは、
多くの『しない』ことで支えられている」
①店の形を変えない
②M&Aをしない
③ポイントカードをしない
④電子マネーやクレジットカードの支払いもない
かつてのパソコンのディスカウンター、
ステップの「5つのノー」を思い出す。
「現金正札販売」を謳い、
「毎日低価格」を貫く。
これはウォルマートの専売特許。
「低コスト経営を土台に、
大半の商品で増税分を吸収し
税込み価格を据え置いた努力が実り、
昨年12月まで8カ月連続で
既存店売上高が前年を上回った」
標準化されたシングル・フォーマットで、
エブリデーロープライスの
コモディティ・ディスカウント。
いわば古典的なチェーンストアの強みに、
鈴木記者はあらためて感心する。
この鈴木記者に、
アルディやリドルを見せたら、
どれほど驚くだろう。
トレーダー・ジョーに連れて行ったら、
どれほど感動するだろう。
昨年3月に、日経新聞は、
大幅な組織変更をした。
産業部と消費産業部を、
「企業報道部」として統合。
第1次・第2次産業と、
第3次産業の垣根を払って、
ひとつにまとめた。
その結果、こんな記事も出てくる。
ただしコスモス薬品もやはり、
Toughな商人の一つの典型。
コンテスト型競争時代とは、
コスモスもあるけれど、
ハローデイもある。
イオンもイズミも、
トライアルもある。
もちろんセブン-イレブンも、
ユニクロもある。
このレベルのポジショニング競争である。
いずれもタフでなければ生きて行けない。
優しくなれなければ生きる資格がない。
〈結城義晴〉