建国記念の日。
日本の建国は、
神話の世界の話。
『日本書紀』に記されているが、
初代・神武天皇が即位した日が、
2月11日だった。
それを明治6年に、
「紀元節」として祝日にした。
戦後、一時、占領軍によって、
祝日から削除されたが、
1966年に国民の祝日とされた。
「建国をしのび、国を愛する心を養う」
これが趣旨。
といっても建国は神話の世界。
ひどくロマンティックな、
建国の偲び方ということになる。
ローマ帝国の建国は、
狼に育てられたロムルスとレムスの双子。
これも神話の世界。
しかし現代のイタリアは、
1946年、共和制政体が決定された6月2日。
韓国には建国記念日が二つある。
ひとつは紀元前2333年の日本と同じ神話の世界。
檀君が古朝鮮王国を建国した「開天節」。
もうひとつが 1945年のポツダム宣言で、
旧日本帝国から解放された「光復節」。
日本の建国を偲ぶことは、
ひとり一人の日本人にとって、
自分を確認する行為である。
その日本の国歌。
「君が代」。
出典は『古今和歌集』の短歌。
巻七賀歌巻頭歌、題しらず、読人しらず。
我が君は
千代にやちよに
さざれ石
巌となりて
苔のむすまで
「我が君」が「君が代」と変更され、
明治13年に曲がつけられた。
レドレミソミレ
ミソラソラレシラソ
ミソラレドレ
ミソラソミソレ
ラドレドレラソラソミレ
私には思い出がある。
小学校の6年の音楽の時間だったか、
教科書の、どの曲でもいいから、
縦笛で演奏するというテストがあった。
リコーダーという楽器。
私は一番最後のページに載っていた
「君が代」を吹いた。
静かな教室。
級友たちと先生が聴いていた。
私のリコーダーの音色が、
レドレミソミレと流れた。
日教組の組合員だった担任の先生は、
不思議な顔をしていた。
その学期の成績は、
音楽だけ4だった。
しかし私はレから始まる曲想、
レ・ミ・ソ・ラ・シという5音音階の旋律が、
他の楽曲にたいして異彩を放っていて、
興味を惹かれた。
ただそれだけだったし、
何のイデオロギーもなく、
ほんとうに私自身で決めた選曲だった。
今日は、東海道新幹線で名古屋へ。
富士が最後に見えるスポット。
富士川に架かる橋と富士。
建国の日の富士は、
特に美しかった。
あっという間に名古屋駅に到着。
昨年の大晦日の12月31日に、
奥様の手料理のお雑煮とお節のフルコースを食し、
除夜の鐘を聞き、
帰依しているお寺の総本山で、
元旦の勤行を済ませた後のご逝去。
享年91。
会場では偶然、
清野眞孝さんにお会いした。
ヨークベニマル取締役副社長。
業界の行く末をしみじみと語り合った。
清野さんはこの5月に、
退任される。
そして故人を偲ぶ写真展示。
日本チェーンストア協会会長就任の時。
そして盟友のお二人。
伊藤雅俊さんと岡田卓也さん。
奥様に遺影を掲げられて、三人が並ぶ。
伊藤さんはイトーヨーカ堂創業者にして、
セブン&アイ・ホールディングス名誉会長。
岡田さんはイオン名誉会長相談役。
伊藤さんは数え92、
岡田さんは西川さんと同年の91。
「化物級」
私は崇拝の念をもって、
そう呼ばせていただいている。
もしかしたら、
創業者の生命力が、
企業の寿命に、
深く関係しているのかもしれない。
西川さんのご冥福、
心から祈りたい。
そして創業者を失ったユニーグループ。
西川俊男の遺志を継いで、
存続し、発展させねばならない。
建国記念の日に、
そのことを思った。
この後、とんぼ返りで、
東京ビッグサイトに戻った。
それは明日のブログで報告。
最後に、日経新聞に、
一の湯社長の小川晴也さん、登場。
まさにイノベーターの面目躍如。
日本文化を外国人に低価格で提供する。
これも日本建国の趣旨を、
広める行為のひとつである。
〈結城義晴〉