もう、ニューヨークの寒さには慣れた。
零下10度は当たり前。
この地に2000万人の人々が住んで、
毎日、マイナス10度の中で暮らしている。
もちろん真冬のことだけれど。
その人たちと、
同じ体験ができる。
喜ばしいことだ。
さて㈱ロピアの米国研修、
第4班がジョンFケネディ空港に到着。
みんな元気で、
第3班までのブログを見ているので、
期待十分でニューヨークに降り立った。
お店で仕事をしていると、
ロピアを視察に訪れたブログ読者の同業者から、
声をかけられることも多いとか。
「あなたはいつ、
ニューヨークに行くんですか?」
到着したらすぐにリムジンバスで動き出す。
今回はルートがちょっと異なる。
まず、トレーダー・ジョーだが、
ブルックリンではなくニュージャージーへ。
店舗入口のバナナ売り場は、
やはりシンプルでいい。
キャプテンのトッド・クラターバックさんに、
零下10℃の店外でインタビュー。
今回は女性陣が多いが、
一番前で真剣に聞いてくれた。
トレーダー・ジョーの良さ、強さ、
自慢げに答えてくれたトッドさん。
全く嫌味には聞こえない。
事実だから。
ありがとう。
プレゼントを渡して、
ハグ。
ロピアに入社したばかりのアーティスト。
トレーダー・ジョーのアーティストと意気投合。
店内サインやPOPはスペシャリストが制作する。
それがプロの仕事。
トレーダー・ジョーをあとにして、
マンハッタンに。
そしてハドソンリバー。
流氷のように川面を氷の塊が、
流れていく。
「Like No Other Market」
Fairway。
ほかにないスーパーマーケット。
これこそアウトスタンディングなポジショニング。
自慢の青果部門。
そしてコールド・ルームの精肉部門。
ドライ・エージのビーフ。
レストランのクォリティを持つ。
そして他の店にないオリーブオイルと、
ビネガー売り場。
もちろんオリーブも、
群を抜いている。
この面ではトレーダー・ジョーも、
ホールフーズもかなわない。
試食も積極展開。
今日はここでランチ。
まず、サラダ。
ここからチョイス。
それを丁寧に刻んで、
お好みのドレッシングと和えてくれる。
いま、アメリカのスーパーマーケットで流行中。
それからローストビーフ・サンドイッチ。
これも目の前で作ってくれる。
最後にストアマネジャーへのインタビュー。
世界中から美味しい商品を集めて、
他の店にない売り場を用意する。
これまた自信満々で答えてくれた。
そしてプレゼント。
この時だけ笑顔が漏れた。
寒い寒い視察と質疑応答。
それでも白い息を吐きながら、
バスに戻る。
それからヨンカーズへ。
スチュー・レオナード。
入口の脇に、ライブ映像。
スチュー・レオナードの牧場の牧舎内。
エリントン・ファーム。
牛たちがのそのそ動く。
そのライブ映像。
何の意味があるのか。
バナナガールの上には、
熟度の6段階が示されている。
しかしこの6段階の商品は売られていない。
そしてコカコーラ。
2リットル99セント。
エブリデーロープライス。
もう一つは、12缶入りケース。
ダイエットコークとゼロ。
スチュー・レオナードの基本は、
リミテッド・アソートメントの、
ディスカウンターである。
それが、よくわかる。
しかし一方、クラフト・ビールは、
品揃え豊富。
これは現代の必須トレンド。
ただしセルフセレクション・デリは、
ガラガラ。
小洒落たイートインスペースが、
伴っていなければ、
これは売れない。
それがどうも理解されていないようだ。
カスタマー・サービス・コーナーの上部に、
このサインが掲げられている。
100%の満足がなければ、
どんどん申し出てください。
返金か商品交換します。
しかしこの言葉も虚しく感じられる。
最後にワインのマグナムボトルを購入。
ポリシー・ロックの前でスマイル。
スチュー・レオナードを辞して、
ホールフーズ環境対策店舗へ。
ますます磨きがかかる青果部門。
シーフード部門も全米第一。
右翼のサービスデリ部門。
もちろん「ザ・ルーフ」の2階には、
パーティを開けるほどのイートイン空間がある。
バルク売り場も顧客が入り込んでいる。
今日はレジ前に、
ずらりとメーカーのマネキンが並んで、
デモンストレーション。
これだけそろうと市場のようで、
圧巻。
ホールフーズには、
アイデアが満ち溢れている。
自在の変化がある。
フェアウェイマーケットにも、
ほかにない模倣困難性と稀少性がある。
そしてトレーダー・ジョーには、
独自のプライベートブランドとホスピタリティがある。
残念ながらスチュー・レオナードには、
いまや全く、模倣しかない。
とんがり★こだわり。
アウトスタンディングなポジショニング。
ディズニーランドのような店にも、
イノベーションがなければ、
100%の満足を提供することはできない。
それでもまだ、
訪れる価値はある。
ホテルに戻り、タイムズスクエアに。
零下15度になろうとするのに、
みんな元気。
これから恒例のウルフギャングへ。
(つづきます)
〈結城義晴〉