結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年03月12日(木曜日)

東日本大震災の「鎮魂歌」と静鉄ストアむつみ会講演

東日本大震災から4年と1日。
昨年の月刊『商人舎』3月号は、
特集 
3・11――三年目の正直。
社会的使命を果たし続けた
誇り高き商業者たちの1000日記録。

その序章を再掲しよう。

鎮魂歌

2011年3月11日。金曜日。午後2時46分。
太平洋三陸沖を震源として
マグニチュード9.0
の巨大地震が発生。

当初は「東北地方太平洋沖地震」と
名づけられた。

岩手県沖から茨城県沖までの
南北約500 ㎞、
東西約200㎞。

10万平方㎞の広範囲のすべてが
震源域だった。

この海から津波がやってきた。
仙台ゆりあげの浜。

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東北地方と関東地方の太平洋沿岸部では
波高
10m以上。

最大遡上高は40.1mにも上った。

すべてが浚われていって、瓦礫が残った。

そのゆりあげ浜に残るメルクマール「鈴木邸」。
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3年後のいま、
ながい長い防潮堤が建設されている。

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この海からも津波が押し寄せた。
宮城県石巻港。
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震災直後、石巻市街中心部の交差点には、
打ち上げられた漁船が
横倒しのまま放置されていた。
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海に面する石巻港湾事務所。
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玄関の上に
東日本大震災の津波の高さが示されている。
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漁港の街のシンボル「巨大クジラ缶タンク」も
倒壊して道路を閉鎖していた。
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日本製紙石巻工場は壊滅的打撃を受け、
1300人を解雇。機能不全状態。
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その製紙工場は1年後の2012年3月9日、
モクモクと煙を上げ、市民を元気づけた。
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しかし津波に全壊させられた店は復活できない。
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ヨークベニマル湊鹿妻店は津波の海に孤立した。
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この屋上で500人の市民が
4日間生活して、命を取り留めた。
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店内には天井まで泥水が押し寄せ、
瓦礫だけ残して、すべてを持ち去った。
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その湊鹿妻店は2012年7月20 日に、
リニューアルオープンして、
見事なスーパーマーケットが
再開された。
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イオン石巻SCは現場の判断で
地域住民を受け入れた。
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16日間、地域避難民2300人が救助され、
モール内で生活した。
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移動販売車は現在も、地域を回る。
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一方、福島県いわき市豊間地区は、
いまだに復旧すら目途が立たない。
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そして何より福島原子力発電所。
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いわき市民、福島県民を苦しめ続けている。

しかしこの地区で㈱マルトは店を開け続け、
市民生活を守る砦となった。
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宮城県気仙沼市街を、安波山頂から臨む。
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津波にすべてさらわれた会社と自宅の前で、
熊谷光良さんは語る。

「商売は人と技術と信用でやるもんでねぇか。
何か失くしたか?! 

だったら、商売やっぺ!
明日の気仙沼を皆でつくろうぜ」
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背中で「負げねえぞ 気仙沼」の言葉が、
熊谷さんを元気づけていた。
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そして岩手県陸前高田。
奇跡の一本松。
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海べりの気仙中学校校舎はガランドウで残った。
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陸前高田で8割、大船渡で45%の
マーケットシェアを持っていた㈱マイヤは、
津波に8 店
舗をさらわれた。
しかし1年半で6店舗を再建。
企業規模は震災前を超え、
経営基盤も確固た
るものをつくり上げ、
「奇跡の再創業」と「第二の誕生」を成し遂げた。
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陸前高田の「未来商店街」。
仮設店舗だが、この軽くて、柔らかくて、
小さな「仮設の仮説」こそが、
日本商業の未来を物語っている

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亡くなられた人々の魂に、
こころより哀悼の意を表したい。
合掌。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1年前の特集の鎮魂歌。

『商人舎magazine』2014年3月号。
目を通していただきたい。

1年後の3月号特集は、
52週MD(マーチャンダイジング)の錯誤
[Cover Message]
1年52週。これが一般の生活者の生活の基本。
つまり現代人のライフスタイル。
だからそれは生活産業の商売の基本となった。
マーチャンダイジングの原則となった。
ここから鈴木哲男さんの提唱する
「52週マーチャンダイジング(MD)」は
小売業界に大流行した。
しかし、この「52週MD」に
錯覚と誤解が生じている。
その原因は、
原則やセオリーを実務に落とし込む時に、
しばしば起こってくる錯誤(さくご)にある。
理論と実践との間に横たわる、
よくある誤謬(ごびゅう)にある。
さらにチェーンストアで言えば、
本部・商品部の「作」と店舗の「演」との
間の軋轢(あつれき)にある。
本家・鈴木哲男さんにまず、
その錯誤を正してもらおう。
さらにマネジメント、マーケティング、
プロモーションのサイドから、
その誤謬を見極めて正し、
試行錯誤のケーススタディによって、
リアリティある52週MDのあり方を示そう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて今日は、
東海道新幹線ひかりで静岡へ。

45分ほどの旅。
快晴の中、富士が見えてきた。
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壮大な姿。
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田圃と富士。
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雲がかかっているが、
逆にその雄大さが浮き立つ。
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日本人に生まれてよかった。
そんな気分にさせてくれる。
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そして富士川を渡ると、
車窓から見える最後の姿。
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㈱静鉄ストアの取引先が集まる
「しずてつストアむつみ会」年度末定例会。
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200社400名を超えるメーカー・卸の参集。

はじめにむつみ会会長挨拶。
三菱食品㈱の篠崎伸一さん、
中部支社エリアマネージャー。
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第1部はしずてつMD研究会報告。
静鉄ストア営業推進部長の大塚靖彦さん。
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多くのスライドを使って、
新MDの取り組みの成功事例を報告。

そして竹田昭男社長の
2015年度基本方針の発表。
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静鉄ストアでは2014年度、
過去最高収益を達成。

2015年度は今期を引き継ぐ、
中期3カ年計画の最終年度に当たる。

その方針を竹田さんは丁寧に、
分かりやすく説明。
取引先の方たちも熱心に聞き入る。
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第2部は私が担当するむつみ会講演。
テーマは「クオリティ&サービスのポジショニング戦略」DSCN3945-1 - コピー

静鉄ストアがめざすフォーマットは何かを
私なりに解説・整理する講演内容だ。
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竹田社長がめざす「圧倒的な違い」とは、
まさに「アウトスタンディング」な
「ポジショニング戦略」。
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とんがり★こだわり。
商人舎標語そのものだ。DSCN3947-1
90分、大いに語った。
ご清聴を感謝。

その後場所を移しての懇親会。
開会の挨拶は、
むつみ会副会長の戸塚敦雄さん。
㈱平喜社長。
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懇親会場では多くの人たちと、
名刺交換した。

そのなかでひときわ驚いたのが、
早稲田の後輩・吉野 俊郎さん。
サントリー酒類㈱静岡支店長。
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私はすぐに分かった。
ラグビーの名選手。

早稲田現役時代には、
あの本城和彦、津布久誠と並んで、
『三羽烏』と謳われた。

その後、サントリーに進んで、
1995年、日本選手権で日本一。
その吉野さんはいま、
サントリー酒類の静岡支社長。

仕事でも頑張って欲しい。

中締めは興津明さん。
㈱日本アクセス支店長。
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3本締めが決まった。
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二次会は、むつみ会会長・副会長、
静鉄ストア幹部の皆さんと。DSCN3980-1

静岡の美味しい魚をいただきながら
楽しい会話。
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講演の充実感から、
大いに語り、大いに食べ、
大いに飲んだ。
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全員で記念写真。
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最後は竹田昭男さんとツーショット。
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東日本大震災の鎮魂歌から、
しずてつストアむつみ会講演と懇親まで、
「商売は人と技術と信用でやるもんだ」

〈結城義晴〉

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