ジジです。
きのうから、
ボク、ひとりです。
まどべに、
日がさしこむ。
おうちにも、
ソファにも。
ヨシハルおとうさんは、
いません。
フクオカ・エアーターミナル。
ナノ・ナノ・ナノハナ、
ナニヌネノ。
おとうさんの、
うまれたところ。
そのお寺さん。
お庭がいい。
おとうさんのおとうさん、
きょねん、なくなりました。
その納骨の法要。
おじいさんのお骨を、
お墓におさめた。
親せきのひとたちが、
あつまった。
結城一族。
みなさん、
ありがとうございました。
それから一晩。
朝食はあさがゆ。
そしておとうさんは、
うまれ故郷で、
すこし、のんびり、ゆっくり。
スペシャル・エクスプレス。
柳川へ。
川下り。
オンナ船頭さん。
アカネちゃん、20歳。
歌う船頭さん、りねちゃん。
きもち、いい。
納骨の法要がおわって、
おとうさんも、ほっとした。
柳と川。
だから柳川。
北原白秋の歌碑。
川にうつった木や花が、
うつくしい。
ゆるやかに、
風がぬける。
橋をくぐる。
そしてお城のお堀へ。
まちぼうけ♬
まちぼうけ♪
川下り、60分。
柳川は北原白秋の街。
白秋生家。
白秋の第一詩集。
白秋の原稿。
白秋のラッカン。
おとうさんは、
ワセダで白秋の研究をしていた。
だから大満足。
そのあと、おとうさんは、
柳川なべ。
柳川名物うなぎのせいろむし。
ここでも、サティスファクション。
お店は六騎。
ボクもいただきます。
おとうさんがたべたら、
ボクもたべる。
でも、おとうさん、
よかったですね。
いちおう、ぜんぶ、
おわって、ゆっくりして。
あしたから、また、
いそがしいですからね。
〈『ジジの気分』(未刊でも今年こそカレンダー?)より〉