4月25日に起きたネパールの大地震。
心より、お見舞いしたい。
被害者数は27日時点で、
隣接国を合わせ4000人を超えた。
25日にマグニチュード7.8の地震、
その後も余震は続き、
マグニチュードは依然4~5。
ネパールの主要都市が直撃された。
人口最大の首都カトマンズ、
2位のポカラ、3位のパタン。
日本で言えば東京・大阪・名古屋か。
結果として、経済損失は、
「GDPの20%を超える」との見方も出ている。
そのネパールのGDPは約190億ドル、
120円換算で2兆2800億円。
経済も含めて、
できる限りの支援をしたい。
毎日新聞の巻頭コラム『余録』
「ネパールでは
月の光は『タハタハ』と照り、
星は『チャムチャム』とまたたく」
これは「ネパールを知るための60章」からの引用。
明石書店発行。
翻訳家の三枝礼子さんのコラムでは、
「ネパール語は擬音語や擬態語が
実に豊かな言葉」
「うまそうな匂いは『マグマグ』と漂うし、
風は『サラサラ』とそよぐ」
日本語にも似ているし、
日本にも馴染みが深い。
恐ろしくて震えるさまは「ダグダグ」。
コラムは訴える。
「震災の恐怖を
身をもって知る者同士でなければ
できないきめ細かな手助け」を。
同感だ。
群馬県大間々町の松﨑靖さん。
㈱足利屋洋品店社長。
商業界時代からの親しい友人で、
まさに知識商人。
その松﨑さんは、昨年3月に、
12日から21日まで、
ネパールを訪れた。
その詳細は、
「やっちゃん日記・ネパール編」に。
20年前からネパールの寒村で、単身、
支援活動を続けている垣見一雅さん。
通称「OKバジ」。
タンセンという町にいて、
今回は無事だという知らせ。
「OKバジを支援する会」(桐生・山岸正雄会長)は、
すぐに義援金を募集し、送ることに決定。
こういった民間の活動も貴重だ。
上場小売業では、
ファーストリテイリングが早かった。
27日の朝の段階で、被災した現地の子どもたちに、
10万ドル(1200万円)の緊急支援実施を決定。
イオンも27日に発表して、
公益財団法人イオンワンパーセントクラブが、
緊急復興支援金1000万円を、
在日ネパール連邦民主共和国大使館に寄付。
同時に、今日の4月28日から5月10日まで、
全国のイオングループの店舗・事業所7000カ所で、
緊急復興支援募金を実施する。
セブン&アイ・ホールディングスは今日、
グループ全1万8683店舗での、
店頭募金活動実施を発表。
実施期間4月28日~5月11日。
ユニー・グループ・ホールディングスも、
今日、店頭募金活動の発表。
こういった素早い意思決定をし、
多くの店で顧客とともに募金活動ができるのは、
チェーンストア・システムのおかげだ。
今からでも、遅くはない。
ネパール支援の輪を広げたい。
こんなこと、公言する内容ではないが、
私もすぐにWFPを通じて寄付した。
さて、今日は、
ゴールデンウィーク突入前日。
横浜商人舎オフィスでは、
月刊『商人舎』5月号の入稿に忙しい。
その商人舎オフィスに、
連載を書き続けている機関誌が届いた。
AJS Network。
タイトルは、
スーパーマーケット応援団長の辛口時評。
私は毎回、かなり力を入れて、
時事問題を取り上げ、主張する。
今回はその第89回。
「丸久・マルミヤストア経営統合と
ベルク原島功の訃報」
オール日本スーパーマーケット協会の皆さん、
会員企業も賛助会員企業も、
ご愛読、お願いします。
協会もネパール支援のような活動、
協力し合って展開したらいい。
検討しているのでしょうが、
私、お節介。
さてさて、日経新聞の巻頭コラムは『春秋』
ルネ・デカルトの言葉を取り上げた。
「近代哲学の父」、
「我思う、ゆえに我あり」で有名。
フランスの哲学者・数学者。
一方、ブレーズ・パスカルも、
フランスの哲学者・数学者で、
「人間は考える葦である」が有名。
デカルトは1596年生まれの近代合理主義者、
パスカルは1923年生まれのキリスト教神学者。
だからパスカルはデカルトを、
激しく批判した。
「わたしはデカルトを許すことはできない。
彼はそのすべての哲学の中で、
できるものならば神なしで済ませたいと思っている。
彼は世界を動かすために神に爪を弾かせたが、
それは仕方なしにやったのであり、
そのあとは、神はもう用なしなのだ」
〈断章七七〉
日経新聞のコラムは、
デカルトの著『方法序説』から引用する。
岩波文庫版。
難問に際しては、
「よりよく解くために必要なだけの
小部分に分割すること」
この考え方は、
仕事の役に立つ。
「もっとも単純で
もっとも認識しやすいものから始めて、
少しずつ、階段を昇るように」
実に、いい。
『春秋』のコラムは、
現与党のめざす安全保障法制に、
デカルトの思考法から迫る。
しかし私たちの仕事に関してこそ、
「よりよく解くために必要なだけの
小部分に分割すること」は、
極めて有効だし、
「もっとも単純で、
もっとも認識しやすいものから始める」のは、
妥当である。
倉本長治は諭している。
「やさしいことから手をつけよ」
なぜか。
そのほうがやさしいから、
実現させやすいから。
「仕事の段取りとして
困難なことから手をつけるのは、
うまいとはいえない」
一方、ピーター・ドラッカーは、
倉本長治と共通することが非常に多いけれど、
「成果をあげるエグゼクティブは、
最も重要なことから始め、
しかも、一時に一つのことだけを行う」
「成果をあげるための秘訣を
ひとつだけ挙げるならば、
それは集中である」
ウォルマートの創業者サム・ウォルトンは、
「Think small!(小さく考えよ!)」が口癖。
そのために、
「Think one store at a time!」
つまり「1度に1店ごとに考えよ!」
1件ずつ検討せよ。
そしてこういった人たちと並べると、
まことに恐縮だが結城義晴は、
「ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ」
そのうえで、
「小さく、狭く、濃く、深く」
しかしこうして見ると、
長治先生もドラッカー先生も、
そしてウォルトンさんも、
デカルト的ですねぇ。
つまり近代合理主義的ですねぇ。
パスカルには批判されたけれど。
ネパール支援の復興事業には、
近代合理主義的に、
集中して取り組みたい。
〈結城義晴〉