東西にも南北にも長い日本列島。
2015年最後の開花は、
5月6日、北海道釧路だった。
1972年の統計開始以降、
最も早い開花。
釧路の人たちはこれから、
花見を楽しむのだろうが、
これで2015年の桜も終焉。
また来年よろしく。
この桜も観光資源の一つとなるだろうが、
世界経済フォーラムが、
2015年旅行・観光競争力ランキングを発表。
日本は第9位に上がった。
世界経済フォーラムは、
1971年に設立された非営利団体。
本部はスイス・ジュネーブにあって、
会長はスイスの経済学者クラウス・シュワブ。
政治的利益や国益とは無縁の組織として、
国際連合の経済社会理事会のオブザーバー。
毎年1月に開催されるダボス会議は、
このフォーラムの年次総会で、
会員企業1000社のCEOが参集し、
選出された政治家、学者、
そしてジャーナリストなどが招待される。
フォーラムのミッションは、
「世界の現状の改善に向けて取り組む」。
特に一昨年の2013年6月には、
ジャパン・ミーティングが開催され、
「新しい日本の形成」が論議された。
その世界経済フォーラムは、
様々な指標を客観的に分析し、
ランキングを発表する。
最も有名なのが国際競争力ランキング。
そのトップ10は、
1位 スイス
2位 シンガポール
3位 アメリカ
4位 フィンランド
5位 ドイツ
6位 日本
イノベーション・トップ10は、
1位 フィンランド
2位 スイス
3位 イスラエル
4位 日本
5位 アメリカ
6位 ドイツ
国土が小さくても、
ランキング上位の国がある。
日本も大変よく評価されている。
今回発表されたのは、
旅行・観光競争力ランキング。
調査対象は141カ国・地域。
1位 スペイン(4)
2位 フランス(7)
3位 ドイツ(2)
4位 アメリカ(6)
5位 イギリス(5)
6位 スイス(1)
7位 オーストラリア(11)
8位 イタリア(26)
9位 日本(14)
10位 カナダ(8)
以下、アジアでは、
11位にシンガポール、13位に香港、
14位に中国、、25位にマレーシア、
そして29位に韓国、32位に台湾、
そして35位にタイ。
日本は2007年の調査開始以来、
初めてトップ10に入った。
昨年はカッコ内の14位だった。
これは実に嬉しいこと。
「客の待遇」の項目でトップ、
「テロ発生率の低さ」でも1位、
「殺人事件の発生率の低さ」で2位。
「鉄道網の整備や衛生状態」、
「飲用水へのアクセス」
「従業員トレーニング」
「無形文化財の数」などで、
上位にランクされた。
「ホテル料金」は71位から36位に上昇したが、
これは円安の恩恵。
それでも価格競争力では、評価が低い。
さらに「観光ビザの自由化」は111位。
アベノミクスの成長の矢は、
規制緩和や自由化。
まだまだ、考察・思案する点はあるだろうが、
2003年の小泉純一郎首相「観光立国宣言」以来、
それは日本の未来にとって、
大いに重要なことだ。
その後、2008年には「観光庁」が設置され、
その後も、中国個人観光ビザの発行、
免税対象の拡大などが実施された。
世界の観光需要を取り込み、
外国人観光客を誘致する。
そして日本流の「おもてなし」に磨きをかける。
それは日本の商業の将来にとっても、
必須のイノベーション項目になる。
ちなみに旅行・観光競争力ランキング、
第1位は今回、スペインとなった。
前回は4位で、トップは初めてのこと。
失業率は依然、高く、経済もどん底だが、
文化面の観光資源は豊富で、
インターネットでの旅行情報対応が評価された。
第2位はフランス、第3位ドイツ。
第4位アメリカ、第5位イギリス。
欧米の先進国がずらりと並ぶ。
もちろんこれらの国の流通サービス業も、
高いレベルにある。
商人舎の欧米視察研修会は、
アメリカを中心に、イギリス、フランス、
最近はスペインを加えた。
観光資源を体験することも、
これからの知識商人のあり方だろう。
それでも世界経済フォーラムの、
旅行・観光競争力ランキング。
ゴールデンウィーク明けに、
いい気分にさせてくれた。
私も来週からアメリカへ2週間。
頑張ります。
〈結城義晴〉