昨日、ここネバダ州ラスベガスで、
B.B.キングが亡くなった。
私の父と同じ89歳。
「キング・オブ・ブルース」。
ブルースの王様、巨匠。
どんな世界の人でも、
巨匠と呼ばれると、
人種を超えて尊敬され、
大きな影響を与え、
時には崇拝される。
ミシシッピ州生まれの黒人。
1949年、デビュー。
51年、「スリー・オクロック・ブルース」が、
大ヒット。
「ロック・ミー・ベイビー」
「スリル・イズ・ゴーン」、
数々の名曲。
ローリングストーンズ、
エリック・クラプトンなどと共演。
多くの崇拝者が、
追悼のメッセージを贈っている。
ご冥福を祈りたい。
さて、アメリカ小売業の4月の業績。
あまり良くはなかった。
イースターはイエス・キリストの復活祭だが、
春分の日の後の最初の満月の次の日曜日で、
今年は4月5日、昨年は4月20日だった。
アメリカ小売業の今年の4月営業は、
イースターが3月の週に組み込まれたために、
昨年比が全体に悪かった。
ウォルマートは、
月別の数値を発表しなくなったから、
わからない。
伸びているのは、コストコで、
前年同月比、総売上高2.0%。
ただし既存店は7.0%の伸びで、好調。
カジュアル衣料のギャップは、
4月の売上高がマイナス9.0%、
既存店もマイナス12%。
第1四半期も売上高マイナス3%、
既存店売上高マイナス4%。
百貨店のメイシーズは、
4月に終わった第1四半期も、
売上高マイナス0.7%、
既存店はマイナス0.1%、
営業利益はマイナス7.7%。
一方、日本の4月実績も、
続々と発表されている。
日本の昨年4月は、
消費増税の反動で落ち込んだ。
今年4月はその分の盛り返しもあって、
各社とも好調。
セブン&アイホールディングスの主要事業会社。
セブン-イレブンは109.4%、既存店は105.7%。
イトーヨーカ堂の全店売上高は105.5%、
既存店も106.2%。
ヨークベニマルは108.1%、既存店105.0%。
そごう・西武は全店、既存店ともに112.2%増。
百貨店もいいし、いつも同グループでは、
一番悪い総合スーパーも5%を超える成績。
ただし通販企業は悪い。
ニッセンの4月売上高は、85.2%、
シャディはかろうじて100.3%。
他の業態は揃って好業績。
ヤマダ電機の4月売上高は110.5%。
三越伊勢丹HDは116.6%、
J.フロントリテイリングは116.6%、
高島屋は117.6%。
ドラッグストアでも、
ウエルシアホールディングスが、
137.3%、既存店は117.3%。
3月の既存店がマイナス10.6%だったから、
「地獄から天国へ」という感じ。
しかし浮かれてばかりもいられない。
さてラスベガス3日め。
充実の1日。
午前8時半から11時半まで3時間、
結城義晴の第2回セミナー。
寡占から三占、複占が進むアメリカ小売市場、
背景にあるコモディティ化とノンコモディティ、
業態からフォーマットへの転換の意味、
これからの流通業に必須の課題、
アウトスタンディングなポジショニング戦略。
この店は青果・デリの天井を、
スケルトンにした新しいスタイル。
レジも3人以上待たせない。
素晴らしいオペレーション。
次に向かったのは郊外にできた、
サマリンショッピングセンター。
事務局から視察の説明。
サマリンショッピングセンターは
最新のライフスタイルセンター。
噴水や公園を設けて、
小売・外食産業、
そしてアメニティの融合した街づくりを志向している。
案内板は最新式。
ディスプレイはタッチパネル式。
指でタッチし、スクロールして、
目的の店の位置を調べる。
好調な専門店も並ぶ。
フォーエバー21。
ファストファッションの雄。
オールドネイビー。
ギャップのディスカウント・フォーマット。
サマリンの次はトータルワイン。
酒のスーパーストア、
100店チェーン。
ワインの品揃えは秀逸で、
ど真ん中にテースティング・コーナー。
カウンセリングスタッフのアドバイスを受け、
上司へのお土産を購入したメンバー。
今日の視察店では、
夕方からの「大試食会」のために、
商品購入をする。
それも目的の一つ。
ホールフーズのミート売場は大人気。
ほぼ全チームが、
ここでとびきりの肉を購入。
ただ視察するだけでは足りない。
購買の意思を持って売場や商品を見る。
写真を撮って、持って帰るだけでは、
十分ではない。
だから買って、食べる。
私は鮮魚コーナーで、
ホワイトフィッシュ1匹分の燻製と、
サーモンの燻製を購入。
最後の視察店は、
スプラウツ・ファーマーズマーケット。
昨年株式上場して絶好調の、
スペシャルティ・スーパーマーケット。
そしてこの日のメインイベント。
「大試食会」
レストランを借り切り、
購入した食材を調理・試食する。
協力してくれたのは「MR.MAMAS」
早速、厨房に入る。
レストランのスタッフが、
器具の使い方を教えてくれる。
衛生上の理由から厨房に入るのは6名まで。
次々に入れ替わって調理する。
レストランオーナーのニック・パリスさんから
各テーブルにオムレツのサービス。
2時間半、大いに語らい、大いに食べた。
パリスさんにもレストランのスタッフにも
そして企画を実現してくれたJTB現地スタッフの皆さんにも、
心から感謝。
パリスさんと大試食会の成功を祝って、
グー。
来年もよろしく。
この新企画、大成功。
店を見ることは必須だ。
話を聞くことも重要。
写真を撮ることも、
補完機能として必要だろう。
しかし買物して、
調理して、食べる。
この経験価値を共有する。
それが何よりも勉強になる。
食品を扱うビジネスは、
それ抜きには研修とは言えない。
やっと私が念願していた形が出来つつある。
まだまだ進化させたい。
それが実践躬行というものだ。
すべての人々に感謝。
B.B.キングに哀悼の意を表しつつ、
研修の成功に感謝したい。
(つづきます)
〈結城義晴〉