今日は、東京都心で、
今年初の真夏日。
最高気温が30度を超えて、
30.1度を観測。
私は先週・先々週、
ネバダ州ラスベガスと、
テキサス州ダラスに滞在していたが、
どちらも真夏には40度を超す。
しかし帰って来てみると、
東京や横浜のほうが暑い。
5月に入って、
25度以上の夏日は18日目。
これは観測開始以来、最多タイ。
1年で一番いい季節が、
だんだん暑くなってくる。
地球温暖化なのか。
地震も起こったり、
天変地異を感じさせられる。
それでも梅雨の蒸し暑さ、
真夏の茹だるような暑さと比べると、
過ごしやすい。
さて今日は、
午前中に来客。
日本放送協会制作局のディレクター。
経済・社会情報番組部で、
「プロフェッショナル」を担当している。
色々と流通小売業の情報を伝授。
頭の回転が早くて、
自分の経験と私の話を、
上手に照らし合わせて、
常に構成を組み立てようとする。
私にとってこういった時間は、
楽しいひと時。
いい番組を作ってください。
期待しています。
昨夜の「プロフェッショナル」は、
俳優の渡辺謙で、
実にいい内容だったらしい。
さてさて帰国してから、
アメリカの小売業現場で、
印象に残った出来事を再現する。
その2。
よく見ると、片手にワイングラス。
赤ワインを飲みながら、
カート・ショッピングを楽しむ。
あまりに自然なので、
了解を取って、写真。
このダラスのホールフーズは、
この地区の旗艦店で約1800坪の店。
カットフルーツ売り場には、
単なるテクニックを超えた、
極めて高い論理性がある。
そのワインを飲ませてくれるコーナーがある。
試飲程度ではない。
カウンターにはチームメンバーがいて、
注文に応じて、ワインを提供してくれる。
さらに店舗右サイドには、
バーが併設されていて、
こちらではバーテンダーが、
酒を供する。
そんな買い物環境が整っているから、
ワイングラスを片手に、
カート・ショッピングと相成る。
もちろん車を運転する顧客には、
絶対にオススメできないことだが、
こんな自由な買い物ができたら、
楽しいだろうなぁ。
買上げ点数も、
上がるだろうなぁ。
率直に、そんな感慨を抱いた。
ホールフーズの洗練された店内。
そこでワイングラス片手に、
買い物するカスタマー。
絵になる。
これが汚い店の、
泥酔したヨッパライでは、
お話にならない。
ほかの顧客にも、
大いに迷惑がかかる。
しかし、この笑顔は、実にいい。
バーンド・H・シュミットは、
「戦略的経験価値モジュール」を、
5つに分類して提案している。
感覚的経験価値、
情緒的経験価値、
知的経験価値、
関係的経験価値、
そして行動的経験価値。
この女性のワイン・ショッピングは、
まさにActなExperiental Marketingだ。
ダラスの暑い夏も、
こんな経験価値を、
存分に提供してくれる店舗があれば、
存分にライフスタイルを満喫できる。
しかし、そのためには、まず、
店舗環境というハードウェアが必須。
マーチャンダイジング、プロモーション、
つまりソフトウェアも必要。
そして顧客との関係性をつくる、
ヒューマンウェアが何よりも大切だ。
自由自在。
カンパニーもカスタマーも。
ホールフーズにはいま、
そんな形容が当てはまる。
〈結城義晴〉