日本の選挙権年齢、
18歳以上に引き下げられる。
公職選挙法の改正案が、
参院本会議で全会一致で、
可決、成立した。
6月中に素早く公布され、
1年後に施行。
来夏の参議院選挙から、
18歳以上が投票できる。
実にいい改正だ。
世界を見渡すと、
選挙権年齢は18歳が普通。
主要国首脳会議参加国G8の中で、
日本だけが20歳以上の選挙権国。
経済協力開発機構(OECD)34カ国では、
日本の20歳と韓国の19歳だけだった。
日本の選挙権年齢は戦後の1945年に、
それまでの25歳以上の男子から、
20歳以上の男女へと変更された。
今月の『商人舎』は、
ダイバーシティの問題を取り上げたが、
選挙権ひとつとっても、
こんな歴史がある。
それ以来70年ぶりの改正。
感慨深い。
今回の改正で選挙権を獲得するのは、
18~19歳で、その人口は約240万人、
有権者の約2%。
現在の20代は、
選挙権が与えられるのは当たり前と捉えている。
そして各種選挙で際立った低投票率を示している。
18歳~19歳の新しい有権者の目覚めで、
20代が刺激されるといい。
日本の将来に期待が持てる。
会社でも店でも、入社1・2年生に、
「選挙に行こう! 投票しよう!!」
大いに奨励して欲しいものだ。
さてDaily商人舎。
ワールドニュースは、
ホールフーズの新フォーマットは
「365by Whole Foods Market™」
実に期待が大きい。
これはトレーダー・ジョー対策だと、
私は考える。
早く見たいものだ。
ジャパン・ニュースは、
セブン-イレブンの6月販促は
nanacoカードとセブンプレミアム
ちょっとした皮肉と問題提起。
この動きには、
注目しておいたほうがいいだろう。
イオンビジネススクールの略称はABS。
そのABSには11コースが設けられている。
その共同開講式。
3階にある多目的ホールに、
イオングループ各社から
選抜された392名の受講者が集まった。
90分の時間の中で、
イオンピープルとして、
何を、どう学び、
何をなすべきかをじっくりと語った。
強調したことのひとつは、
「すぐ役立つものは
すぐ役立たなくなる」(橋本武)
その上で、小売業近代化の歴史と成果、
ポストモダンの知識商人の役割、
イオンが果たす社会的機能など、
一気に語った。
ご清聴を感謝。
最後は全員が立ち上がり、
礼儀正しい礼と、
拍手で送り出してくれた。
その後は16階の会議室に移動。
今度は、アメリカ視察ツアー事前講義。
7月5日に出発する。
全国のカンパニーから、
30名ほどがこのセミナーに派遣される。
私は自分の足で歩き、
自分の目と耳で確かめて、
いま、イオンリテールにとって、
ダラス&ニューヨークが、
一番いいと判断した。
ニューヨークはロンドンと並んで、
世界で最も小売りイノベーションが、
激しく展開されているエリア。
この刺激を自ら体で感じなければ、
アメリカを訪れる意味は薄い。
ダラスには、
トヨタが巨大工場を移転し、
ネブラスカファーニチャーマートが進出。
アメリカ小売業の競争の構図が、
くっきりと描き出されてもいる。
事前講義は90分。
米国チェーンストアの現在を整理し、
イオンリテールとして、
ダラスとニューヨークで何を見て、
何を学ぶべきかをレクチャー。
チェーンストアランキングや商業統計をもとに、
主要企業の動向、業態別の動態を整理、
とくにゼネラルマーチャンダイズストア分類と、
デパートメントストア業態の、
競争プロセスモデルを丁寧に語った。
イオンビジネススクール開講基調講演から、
アメリカ視察研修の事前講義まで、
半日語ると、声も枯れてくる。
それでも充実の半日だった。
最後にイオンタワーをバックに、
細田さんと握手。
細田さんも半日、一緒だった。
お疲れ様。
しかし、つくづく思う。
「すぐ役立つことは
すぐ役立たなくなる」
さらに思う。
「ストラテジー」は、
その道のプロフェッショナルから、
丁寧な解説や説明を受け、
それを目の当たりにしなければ、
理解することはできないし、
そのうえで、自分の頭で考察しなければ、
簡単に構想し、実行することもできない。
〈結城義晴〉