結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年07月17日(金曜日)

安倍晋三の「首相の義務」と芥川賞・又吉直樹の「品のよい小説」

目が覚めたら、霧雨。
軽井沢プリンスホテルのコテージ。
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目の前に池がある。
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朝食は明るいビュッフェ。
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台風11号が四国に上陸し、
瀬戸内海を抜けて北上、
岡山に入った。

軽井沢も1日中、雨。

しかし午後2時過ぎには、
雨も上がって、
かすかに晴れ間が見えた。
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アウトレットモールは、
それでも顧客を集めている。DSCN6560-5
涼しい一日だった。

アメリカから帰国したのが1週間前。
それから立教・結城ゼミOB会合宿、
商人舎ミドルマネジメント研修会。

ぶっ続けで動き回った。

一日、リラックスしてゴルフ。
ありがたい。

さて、安全保障関連法案。
衆議院本会議で可決された。

一方、新国立競技場問題。
2020年オリンピックのメイン会場。

安倍晋三首相がまさかの発言。
「現在の計画を白紙に戻し、
ゼロベースで計画を見直す、
そう決断いたしました」

私は別に自民党支持ではないけれど、
安倍首相には是非とも、
長期政権を堅持して、
日本国の改革に、
腰を据えて取り組んでほしいと思っていた。

そこにほころびが出始めた観がある。

祖父・岸信介に倣って、
「安保問題をさらに進めた首相」。
自分をそう位置づけて、満足する。

そんな現首相の気分が見え隠れする。

それは本格的長期政権とは、
異なるものだし、
国民にとって望ましいことではない。

安全保障関連法案に対しては、
「残念ながら国民の理解が
進んでいる状況ではない」
自身でそう、述懐した。

今回の法案の是非は別として、
この発言をしたからには、
首相としてはこれから、
国民の理解を得る義務がある。

清水信次さんの言葉。
「岸先生はずっと、
あの時は急ぎ過ぎた、
と反省していた」
60年安保の後の岸信介の発言。

安倍晋三の急ぎ過ぎ――
歴史は繰り返すのか。

会社の経営を見れば、
一目瞭然。
トップマネジメントは、
長期政権を築かねばならない。

そうしなければ、
根本的な改革は何一つできない。

さて、第153回芥川賞。
又吉直樹が「火花」で受賞。
又吉は吉本興業所属の芸人で、
お笑いコンビ「ピース」のボケ役。

今年3月31日から、
『ほぼ日刊イトイ新聞』に、
10回の連載が掲載された。
又吉直樹+糸井重里。
「好きやから」で、やってます。

『文學界』の小説を読んだ糸井が、
又吉と話したくなって実現。

聞き手の糸井が、
語り手以上に語っているのが、
実に不思議な感じがする。

糸井は妙に緊張している。
吉本隆明や谷川俊太郎との
対談のときよりも。

糸井は又吉の小説を評価する。
「又吉さんの小説は、
下手に使うと嫌な言葉なんだけど、
『品がよかった』んです。
つまり『俺ってすごいやろ』というのを言わないで、
ちゃんと静かにしていられるんですね」

「品のよい小説」

お笑い芸人だけれど、
「品のよい小説家」

何でも店や商品に引っ張ってくるのが、
私の欠点だが、
「品のよい店」
「品のよい商品」
これがだいすきだ。

そして「品のよい商人」も。

対談は面白い。
読んでみてください。
もちろん小説も。

芸人の小説家・又吉直樹。
35歳。

安倍晋三よりも、
大人かもしれない。

〈結城義晴〉

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