台風11号が四国に上陸し、
瀬戸内海を抜けて北上、
岡山に入った。
軽井沢も1日中、雨。
しかし午後2時過ぎには、
雨も上がって、
かすかに晴れ間が見えた。
アウトレットモールは、
それでも顧客を集めている。
涼しい一日だった。
アメリカから帰国したのが1週間前。
それから立教・結城ゼミOB会合宿、
商人舎ミドルマネジメント研修会。
ぶっ続けで動き回った。
一日、リラックスしてゴルフ。
ありがたい。
さて、安全保障関連法案。
衆議院本会議で可決された。
一方、新国立競技場問題。
2020年オリンピックのメイン会場。
安倍晋三首相がまさかの発言。
「現在の計画を白紙に戻し、
ゼロベースで計画を見直す、
そう決断いたしました」
私は別に自民党支持ではないけれど、
安倍首相には是非とも、
長期政権を堅持して、
日本国の改革に、
腰を据えて取り組んでほしいと思っていた。
そこにほころびが出始めた観がある。
祖父・岸信介に倣って、
「安保問題をさらに進めた首相」。
自分をそう位置づけて、満足する。
そんな現首相の気分が見え隠れする。
それは本格的長期政権とは、
異なるものだし、
国民にとって望ましいことではない。
安全保障関連法案に対しては、
「残念ながら国民の理解が
進んでいる状況ではない」
自身でそう、述懐した。
今回の法案の是非は別として、
この発言をしたからには、
首相としてはこれから、
国民の理解を得る義務がある。
清水信次さんの言葉。
「岸先生はずっと、
あの時は急ぎ過ぎた、
と反省していた」
60年安保の後の岸信介の発言。
安倍晋三の急ぎ過ぎ――
歴史は繰り返すのか。
会社の経営を見れば、
一目瞭然。
トップマネジメントは、
長期政権を築かねばならない。
そうしなければ、
根本的な改革は何一つできない。
さて、第153回芥川賞。
又吉直樹が「火花」で受賞。
又吉は吉本興業所属の芸人で、
お笑いコンビ「ピース」のボケ役。
今年3月31日から、
『ほぼ日刊イトイ新聞』に、
10回の連載が掲載された。
又吉直樹+糸井重里。
「好きやから」で、やってます。
『文學界』の小説を読んだ糸井が、
又吉と話したくなって実現。
聞き手の糸井が、
語り手以上に語っているのが、
実に不思議な感じがする。
糸井は妙に緊張している。
吉本隆明や谷川俊太郎との
対談のときよりも。
糸井は又吉の小説を評価する。
「又吉さんの小説は、
下手に使うと嫌な言葉なんだけど、
『品がよかった』んです。
つまり『俺ってすごいやろ』というのを言わないで、
ちゃんと静かにしていられるんですね」
「品のよい小説」
お笑い芸人だけれど、
「品のよい小説家」
何でも店や商品に引っ張ってくるのが、
私の欠点だが、
「品のよい店」
「品のよい商品」
これがだいすきだ。
そして「品のよい商人」も。
対談は面白い。
読んでみてください。
もちろん小説も。
芸人の小説家・又吉直樹。
35歳。
安倍晋三よりも、
大人かもしれない。
〈結城義晴〉