結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年08月27日(木曜日)

維新の党など組織の「分裂」とモノより経験価値の「分裂爆発」

今年の夏が、
終わろうとしている。
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その2015年の夏の終わりにきて、
「維新の党」がもめている。
橋下徹大阪市長は今、最高顧問。
盟友の松井一郎大阪府知事は顧問。

この二人がそろって、離党。

二人は大阪の地方政治に専念する。
結果として維新の党は分裂。

では、そもそも国政に乗り出し、
公党をつくったのはなぜか。

それぞれに言い分はあるのだろう。

しかし、政治は、対立する政党であっても、
話し合いや多数決で問題を解決する。

分裂はそれを否定する行為だ。
政治や政党は、断じて、
私物化されてはいけない。

分裂といえば、
指定暴力団の二次団体などが脱退し、
新しい組織が結成されるという。

指定暴力団といえども、
分裂は新しい諍いを生み出し、
そこで摩擦が生じる。

さて、九州電力の川内原発。
原発のエネルギーのもとは、
これも核の分裂。
それを平和利用しようというアイデア。

8月11日に1号機原子炉を起動し、
新基準のもとで初の再稼働。

14日に発電と送電を始めて、
段階的に出力を上昇させていた。

しかし復水器に海水が混じり込むトラブル。

そこで原因を調査しつつ、
通常の75%の出力で運転。

21日に95%まで出力上昇する予定だったが、
それを延期。

しかし今日、95%に上昇させた。
フル出力は9月にずれ込むし、
9月上旬の営業運転も遅れる見込み。

分裂エネルギーを活用する試み、
維新の党でも暴力団でも、
それは高度で困難な課題であるし、
危険ですらある。

一方、防衛省の2016年度予算概算要求。
過去最大の5兆911億円を計上する。

2015年度を366億円上回って、
3年連続の増加。

日本の防衛費予算が増強されれば、
周辺国では緊張感が増してくる。

ニューズウィーク日本版のブログ。
「パックンのちょっとマジメな話」
お笑い芸人でもあるパトリック・ハーランが書く。
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〈日本タレント名鑑より〉
ちょっと古いけれど、
ストックしておいた7月31日版。

「僕らアメリカ人が
日本の安全保障問題について、
しつこく意見を述べたりすると、
日本の皆さんはむかつくかもしれない」

断ったうえで、語る。

「敵国の少ない日本が
集団的自衛権を実行し、
敵国の多いアメリカとつながれば、
日本がより危険な状態になると思う」

「武装して勢力の均衡を保とうとする場合、
相手が核保有国だったら、
こちらも核保有国になる必要さえあるのでは?」

ハーバード大学出身のインテリ米国人の発言。
耳を傾けておきたい。

さて、日経新聞経済欄。
新連載『持たざる経済』
第1回は「モノより『ナマ』でしょ」

「モノやサービスを
貸し借りする生活スタイルが
急速に広がりつつある」

消費者がモノを買わない。
できるだけシェアする。
そのかわり、生(ナマ)の体験や、
人とのふれあいに金を使う。

「持たざる時代」の到来。

本当だとすると、
小売業にとっても、
製造業・卸売業にとっても、
えらい迷惑な話。

事例はまずBABYMETAL。
女子三人組ユニット。
「ヘビーメタルとアイドルの融合」がテーマ。
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国内外で人気。

デビューしてから2年。
大ヒットはない。
テレビの音楽番組にも出ない。

しかしライブは超満員――。

火が付いたのはYou Tube。
動画の再生回数は3000万回超。

「ネット⇒ライブ」の流れで人気が出た。

毎日更新宣言ブログ⇒ライブ講演。
結城義晴と同じか。

2014年の音楽ソフト生産額は2541億円。
10年前の6割弱。

一方、ライブの年間売上額は2749億円。
10年で約1800億円増。

音楽ソフトをライブが抜いた。

第二は、スマホやネットで人気の「脱出ゲーム」。
球場やビルで実体験するリアル版は、
2014年に動員数約57万人。

これもネットとの融合が、
新たなファン発掘のカギ。

第三の事例は、プロ野球観客動員。
2013年から球場への動員数が反転。
今年も2014年を上回るペースで増加中。
「カープ女子」「オリ姫」などなど、
女性ファンのネーミングも定着して、人気。

最後は、新日本プロレスリング。
あのアントニオ猪木が社長を務めて一世を風靡。
しかし2000年代半ばから低迷。

潮目が変わったのは2012年。
カードゲーム会社のブシロードが企業買収。
有料配信やSNSへと発信の場を広げた。

今月16日、両国国技館は満員札止め。
ツイッターや有料配信で見ていたファンが、
生のプロレスに押し寄せる。

売上高は買収前の2倍の約22億円。
観客動員数は前年比5万人増。

事例に上がったのはみな、
サービス業やエンターテインメント業。

クラシックでもジャズでも、
相撲でもサッカーでも、プロレスでも、
生が一番、エキサイティングだし、
面白い。

それをテレビやCDが、
マス化させて、大普及させた。

そのマスメディアが飽きられた。
本物性を喪失した。

しかし一度、インターネットが、
タダ、あるいは低価で提供し、
その代り、ライブで本物を楽しませる。

バーンド・H・シュミットの、
戦略的経験価値マーケティングは、
いまこそ、ジャストミートの観あり。

ただし一般消費財のコモディティは、
できるだけ買わない。
あるいはシェアする。

つまり最小購買。

経験価値のあるノンコモディティには、
場合によっては散財する。

これらのニーズは、
分裂爆発の様相を呈する。

〈結城義晴〉

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