結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年08月28日(金曜日)

「女性活躍推進法」可決とファミマ・ユニーの統合前の「えいっ」

8月も残り4日。
暑い暑い夏だったが、
急に涼しくなってくると、
ひどく名残惜しい。

今週はずっと、
横浜商人舎オフィス。

月刊『商人舎』9月号の
「ヤオコー特集」に全力投球。

その間に、商人舎スタッフは、
7月中旬に開催されたMMSの、
成績発送業務に忙しい。
第7回商人舎ミドルマネジメント研修会。

二度の理解度テストを実施し、
その後、課題レポート提出を求めている。
そのレポートの締め切りは8月7日。
全員この時点で揃うわけではないが、
その膨大なレポートを読み込んで、
SABCDの成績を付ける。

もちろん私も、
スタッフがチェックしたレポートを最後に、
全部読んで採点していく。

それが終了してから発送。
来週初めに本人と会社に届けられる。

9月1日に、その最優秀のS級獲得者を、
華々しく、このブログで発表する。

今回は伏兵企業が現れた。
すごい。

ご期待いただきたい。

さて、今朝、AJSネットワーク到着。
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私の連載は、第93回目。
『スーパーマーケット応援団長の
辛口時評』
年間に12回だから、
8年目の後半に入った。

連載が続いているのも、
読者がいるからだ。

ご愛読に、心から感謝したい。

さて、今日の午前中、
参議院本会議で、
「女性活躍推進法」が可決された。
来年2016年4月から制度開始。

ただし2025年度までの
10年間の時限立法。
つまりこれからの10年で、
集中的に女性に活躍の場を提供し、
日本の産業界の在り方を
がらりと変えようという意図を持つ。

この推進法は、
従業員301人以上の企業に、
以下の3点を義務付ける。
第1は、女性活躍に関する状況把握と分析
第2は、数値目標や取り組みを記した
行動計画の策定
第3は、ホームページなどでの情報公開

この中で、二番目の「行動計画」の策定と、
三番目の情報公開は、
企業ごとに、できれば、
数値目標を具体的に提示したい。
その水準は各企業に委ねられる。

「行動計画」には、
以下の4項目の現状把握と分析が必須である。
①採用者に占める女性の割合
②勤続年数の男女差
③労働時間の男女差
④管理職に占める女性の割合
それが一番目の状況把握である。

その上で、改善点や取り組み期間、
数値目標などを盛り込む。

月刊『商人舎』6月号は、
【特集】女性が働きたい店・会社・産業

この特集の巻頭論文で、私は書いた。
「ダイバーシティにおける
女性マジョリティという優位性を有する産業」
それが小売サービス業である。

「先進企業にはさらに
一段の飛躍を求めたいし、
それ以外の大半の企業にも
いち早い取り組みへの
警鐘を鳴らしておきたい」

今回の推進法では、
300人以下の中小企業には、
「努力義務」としているが、
中小企業こそ女性活躍の実態があるはず。

義務化されなくとも、
積極的に遵守したいものだ。

さて、ファミマ・ユニー、
統合合意は先送り。

まあ、予想通り。

コンビニ第3位のファミリーマートと、
チェーンストア3位のユニーグループ。
8月に予定していた経営統合基本合意を、
延期すると正式発表した。

日経新聞の記事は、
ユニーの大型スーパー再建が、
ネックとなっていると分析。

私もそう思う。

しかしコンビニ業態の統合も、
厄介な問題ではある。

日経『経済教室』では、
編集委員の田中陽さんが、
今週、連載を書いた。
「時事解析・コンビニ10兆円時代」

昨日の4回目の連載は、
「寡占と再編進む」だった。

田中陽さんは日経きっての、
敏腕流通記者。
この経済教室の記事は、
スペースも小さく、専門性が薄くて、
ストレスがたまっただろうが、
わかりやすい。

コンビニ業界初の本格的M&Aは、
「80年のローソンとサンチェーン」
ダイエーの中内功さんが主導して、
両社は合併に進む。

ローソンには都築冨士男さん、
サンチェーンには鈴木貞夫さんが、
いたなぁ。

懐かしいなぁ。

「だがシステム統合や、
対等が原則の本部と加盟店の
関係の契約調整に時間がかかり、
合併にこぎ着けたのは89年」

9年かかった。

「98年に資本・業務提携に踏み切った、
サークルKとサンクスが、
合併したのは04年。
ただ、今も屋号は統一していない」

そのサークルKサンクスと、
ファミリーマート。

難しい。

しかしそれ以上に厄介なのが、
総合スーパー業態。

ユニーグループの8割近くの売上げ。
統合後の新会社にとって、
1兆円に近い売上高の収益率が、
現状のままでは合併は難しい。

ファミリーマートは、
総合スーパーを展開していない。

だから「マイナス×ゼロ」。
「≒ゼロ」となって、
計算ではゼロだから、
マイナスよりはいいか。

これは私のブラック・ジョーク。

現場で働く人々も、
会社や店がどうなるか、
気が気ではないだろう。

そんな現場や取引先、
そして顧客の心配を払しょくするには、
何よりスピードが必須だと思う。

基本合意の締結時期について、
ファミリーマート側は、
「1~2カ月後をめどに結論を出したい」

4月に統合に向けた合意の発表をして、
それから5カ月。

統合検討委員会共同委員長は、
ファミリーマート中山勇社長と、
ユニーGHD佐古則男社長。

最後はファミマが存続会社となって、
ユニーGHDが吸収合併される。

「統合が破談になるということではない」
ファミマ側は強調するが、
いざ具体的なプランや数字を描こうとすると、
前に進まないのだろう。

ここまで来たら、
「えぃっ」とやってみて、
あとは本気のプロデューサーに、
任せるしかない。

私はそう思う。

これはジョークではない。

問題は誰が、
本気のプロデューサーなのかだ。

〈結城義晴〉

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