結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年08月31日(月曜日)

ハロウィン射程「早仕掛け」とプラネット30周年記念論文審査会

Everybody! Good Monday!
[2015vol35]

Good MorningやGood Nightがあるのだから、
月曜日にはGood Mondayもいいだろう。

そうやって、挨拶を始めてから、
もう今日で396回目。

昨日の『ジジの気分』は409回で、
もうちょっと長いけれど。

今日は2015年8月最後の日。
明日から9月。

そして2015年第36週。

暑かった夏の疲れが残っているのか、
体はちょっとだるい。
よく寝ているのに、
睡眠不足のような気分。

甲子園夏の大会が終ってから、
見事なくらい、急に涼しくなって、
体調がおかしくなったかもしれない。

昨日より今日の窓辺の秋涼し
〈朝日俳壇より 白山市・辰巳葉流〉

それでも、元気です。

商人舎magazineのweekly商人舎。
日替り連載〈月曜朝一〉
2週間販促企画。
月刊『商人舎』の購読者と、
その友達でIDをもっている人しか、
見ることができない。

申し訳ないけれど。

Weekly商人舎には、
先週末に「特別企画」が掲載された。
「商業動態統計調査」による
7月消費産業販売動向総括

各業態ごとの協会の調査発表の後で、
経済産業省が総括的にまとめる。

百貨店、スーパー、コンビニに、
家電量販店、ドラッグストア、
さらにホームセンターが加わって、充実。

この経産省の「スーパー」には、
総合スーパーと、
食品スーパーの大手どころが、
含まれている。

さて、今週は、
明日から9月。

今月の日経新聞『私の履歴書』は、
脚本家の倉本聰さんだった。
その前の浅丘ルリコさんより、
面白かった。

当然だ。

自分で書いているのだろうから。

北海道の富良野に移住し、
ドラマ「北の国から」をつくり、
「富良野塾」を創設した。
これは若手脚本家・俳優を育てる私塾。

創作活動をする人も、
最後は人を育てる仕事に向かう。

感慨深い事実だ。

言わせてもらえば、
私の〈知識商人〉養成と同じだろう。

兜虫負けて少年強くなり
〈同 堺市・福田弘子〉

今朝の日経MJに、
鈴木國朗さんが登場。

「ハロウィーンに向けた売り場づくり」IMG_6424-5

アメリカでも、いま、
Back to School商戦の最後の段階。

そのあとは、
10月31日のハロウィンが視野に入る。

日経MJと鈴木さんが、
そのHalloweenを射程に入れた販促を提案する。IMG_6423ー5
アメリカではもちろん、
ハロウィンから、
サンクスギビングデー、
そしてクリスマスまでの、
ホリデーシーズンを想定したシナリオが描かれ、
ウォルマートはいち早く、
それに突入した。

「早仕掛け・早仕掛け・早仕掛け……」
そして同時に「際の勝負と早仕舞い」
際の勝負と早仕舞いは、
ダブルプレーのようなタイミングと感覚。

語呂がいいので、
「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」と、
表現している。

さて今日は朝から、
シャングリ・ラ ホテル東京へ。
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27階から東京駅が真下に見える。

㈱プラネット30周年記念論文の、
最終審査会。
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審査委員は、
流通科学大学学長の石井淳蔵先生と、
プラネット会長の玉生弘昌さん、
そして結城義晴。
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秀逸の論文、鋭い提案、
某研究所の研究員の政策提案、
それから流通業・製造業若手の、
熱の入った論文などなど。
もちろん全部読んで賞を決めたが、
私には面白かったし、
勉強にもなった。

その後、横浜商人舎オフィスに戻って、
月刊『商人舎』9月号の最終段階の入稿。

明日の二百十日も朝から、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱の、
取締役会。

水曜日は月刊『商人舎』最終責了日。

そして木曜曜日から、
ハワイ・ホノルルへ。
商人舎研修会ビギナーズ・コース。
ドキドキワクワクの入門編。

楽しみです。

島はまだ夕日離さず鰯雲
〈朝日俳壇 茅ヶ崎市・清水呑舟〉

余談だが、日経俳壇と朝日俳壇、
比べると断然、朝日がいい。
今週も日経には、
見るべきものなし。

一事が万事、
すべてを否定するものではない。

では、今週も、
優しく、強く。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2015年08月30日(日曜日)

ジジと夏の終わり[日曜版2015vol35]

ジジです。
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8月がおわります。
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あついあつい夏でした。
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それでも、さみしい。
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夏がいってしまう。
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季節がかわる。
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ほらね。
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白いものが、みえる。
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これです。
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網みたい。
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まんなかに、いるもの。
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クモです。
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クモの巣を、
はっています。

そこに露がたまっている。

それから、
これは、かわいい。
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ちいさなキノコ。
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そんなふうにして、
季節がかわっていく。

そして、すぐに、
夜がくる。
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夏には、あんなに、
日が、ながかったのに。
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お日さまも、
すぐにしずんでしまう。
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こうして、秋がやってくる。
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時のながれに身をまかせ♪

しずかに生きていきましょう。

〈『ジジの気分』(未完)より〉

2015年08月29日(土曜日)

8月末の倉本長治「商人の魂」とドン・ガバチョ「明日を信ずる歌」

2015年の8月が終わろうとしている。

8年前の今頃、
つまり2007年8月末、
私は㈱商業界代表取締役社長を辞して、
「無印」となった。
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あのころの名刺が、
机のすみに一枚だけ残っていた。
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この時も、実は、
倉本長治の言葉が、
私を元気づけてくれた。

「商人の魂を持ったジャーナリスト」
当時の私の肩書のない名刺の裏に、
「商人の魂」という言葉が書かれている。
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故倉本長治商業界主幹は書いている。
『あきないの心』より「商魂に徹する」

たくましき商魂とは、
他を圧倒するほどの勢力の旺盛さで、
私利追求をする精神のことではない。
真の商魂とは、
人間の永遠の姿に徹する
魂のあり方である。

人間としての商人が、
世の人びとの幸せに合致する営みに徹し、
その幸せが今日のみでなく、
明日の幸せにも通じるような
精神努力に命をかけるのを商魂という。

商いは経済行為であり、
金銭打算なくしては成立しない。
商人はその目的にかなうために必要な儲けを、
自分の報酬と資本の利益のほかに、
かならず確保しなければならぬ。

この儲けは正当なものであり、
積極的な奉仕の精神に合致するのであるから、
これは私利私欲ではなく、
世の人びとのために願う
商人の命をかけての悲願でなければならない。

飽くなき商魂のたくましさは、
かかる性質の利潤を追って、
私なき精神に見るべきなのである。
真の商魂は、
己を正しく評価する勇者にのみ
許される貴重なる精神である。

私は社長4年目の商業界の経営責任を、
予算を上回る決算によって果たして、
任期満了で退任した。

倉本長治は、
同じく『あきないの心』の中で、
「高志低身」として語り掛ける。

諸君はウンと胸を張れ。
深々と思い切り大気を吸え。
外見は腰の低い、
いつも笑顔を忘れない
世のつねの商人であっても、
俺たちはこれまでの商人とは
違うのだという自覚を持て。
どこまでも商人らしく、
おとなしく振舞い、
言葉はなごやかであっても、
心の中では、
烈々の理想を燃やせ。
高い誇りを持て。
いつ、どこへ行っても、
誰の前に出ても
コソコソするなかれ。
諸君は何ごとも
恐れるところはないのである。

恥多き商売の中にあって、
われらは高い誇りを抱いて、
人間として生きる最高の理想を、
自らの商売の中に求め、
商人としての使命が、
他のいかなる仕事、どんな職業、
あるいは宗教、学問、政治などの
あらゆる働きに比べても
寸分も劣らないものであることを
主張し、行動し、実現してもみせよう。

8年前の私は、
商業界から去りつつも、
この気概をこそ、
よりどころにしようとしていた。

それから・・・・・・。

きょうがダメならあしたにしましょ♪
あしたがダメならあさってにしましょ。
あさってがダメならしあさってにしましょ。
どこまでいってもあすがある♪
〈井上ひさし作詞『ドン・ガバチョの明日を信ずる歌』〉

1964年4月6日。
東京オリンピックの年。
NHK人形劇第1回が放映された。
『ひょっこりひょうたん島』

作者は井上ひさしと山元護久。
井上は言わずと知れた劇作家・文学者。
山元は早稲田大学少年文学会に属した、
私たちの先輩。

人形劇の主人公の一人がドン・ガバチョ。
声は故藤村有弘。

目立ちたがりでおしゃべりでうるさい。
権力欲、名誉欲、そして演説好き。
それがガバチョ。

対照的な人物は海賊トラヒゲ。
声は熊倉一雄だった。
ドン・ガバチョには物欲はない。
その分をトラヒゲが受け持って、
トラヒゲ・デパートというスーパーを経営。

いわゆる商魂たくましい商人だが、
なぜか憎めない。

藤村が歌うオペラ風の『明日を信ずる歌』
これは真の商魂を持った、
商人の歌でもあると思う。

最後にはガバチョとトラヒゲが合唱する。

青島幸男作詞・中村八大作曲、
『明日があるさ』は1963年に、
こちらは「若い僕」の、
切ない片思いの歌。

明日があるさ明日がある
若い僕には夢がある
いつかきっといつかきっと
わかってくれるだろ

似ていなくもないが、
ドン・ガバチョはおおらかで、
ほんとうに明日を信じさせてくれる。

これも8年前の私を励ましてくれた。
ほんとうに明日を信じなければ、
生きてはいけない。

そして、商人舎の名刺。
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振り返ると、そんな思いが強くなる。

急に涼しくなって、
2015年の夏が終わろうとしている。

〈結城義晴〉

2015年08月28日(金曜日)

「女性活躍推進法」可決とファミマ・ユニーの統合前の「えいっ」

8月も残り4日。
暑い暑い夏だったが、
急に涼しくなってくると、
ひどく名残惜しい。

今週はずっと、
横浜商人舎オフィス。

月刊『商人舎』9月号の
「ヤオコー特集」に全力投球。

その間に、商人舎スタッフは、
7月中旬に開催されたMMSの、
成績発送業務に忙しい。
第7回商人舎ミドルマネジメント研修会。

二度の理解度テストを実施し、
その後、課題レポート提出を求めている。
そのレポートの締め切りは8月7日。
全員この時点で揃うわけではないが、
その膨大なレポートを読み込んで、
SABCDの成績を付ける。

もちろん私も、
スタッフがチェックしたレポートを最後に、
全部読んで採点していく。

それが終了してから発送。
来週初めに本人と会社に届けられる。

9月1日に、その最優秀のS級獲得者を、
華々しく、このブログで発表する。

今回は伏兵企業が現れた。
すごい。

ご期待いただきたい。

さて、今朝、AJSネットワーク到着。
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私の連載は、第93回目。
『スーパーマーケット応援団長の
辛口時評』
年間に12回だから、
8年目の後半に入った。

連載が続いているのも、
読者がいるからだ。

ご愛読に、心から感謝したい。

さて、今日の午前中、
参議院本会議で、
「女性活躍推進法」が可決された。
来年2016年4月から制度開始。

ただし2025年度までの
10年間の時限立法。
つまりこれからの10年で、
集中的に女性に活躍の場を提供し、
日本の産業界の在り方を
がらりと変えようという意図を持つ。

この推進法は、
従業員301人以上の企業に、
以下の3点を義務付ける。
第1は、女性活躍に関する状況把握と分析
第2は、数値目標や取り組みを記した
行動計画の策定
第3は、ホームページなどでの情報公開

この中で、二番目の「行動計画」の策定と、
三番目の情報公開は、
企業ごとに、できれば、
数値目標を具体的に提示したい。
その水準は各企業に委ねられる。

「行動計画」には、
以下の4項目の現状把握と分析が必須である。
①採用者に占める女性の割合
②勤続年数の男女差
③労働時間の男女差
④管理職に占める女性の割合
それが一番目の状況把握である。

その上で、改善点や取り組み期間、
数値目標などを盛り込む。

月刊『商人舎』6月号は、
【特集】女性が働きたい店・会社・産業

この特集の巻頭論文で、私は書いた。
「ダイバーシティにおける
女性マジョリティという優位性を有する産業」
それが小売サービス業である。

「先進企業にはさらに
一段の飛躍を求めたいし、
それ以外の大半の企業にも
いち早い取り組みへの
警鐘を鳴らしておきたい」

今回の推進法では、
300人以下の中小企業には、
「努力義務」としているが、
中小企業こそ女性活躍の実態があるはず。

義務化されなくとも、
積極的に遵守したいものだ。

さて、ファミマ・ユニー、
統合合意は先送り。

まあ、予想通り。

コンビニ第3位のファミリーマートと、
チェーンストア3位のユニーグループ。
8月に予定していた経営統合基本合意を、
延期すると正式発表した。

日経新聞の記事は、
ユニーの大型スーパー再建が、
ネックとなっていると分析。

私もそう思う。

しかしコンビニ業態の統合も、
厄介な問題ではある。

日経『経済教室』では、
編集委員の田中陽さんが、
今週、連載を書いた。
「時事解析・コンビニ10兆円時代」

昨日の4回目の連載は、
「寡占と再編進む」だった。

田中陽さんは日経きっての、
敏腕流通記者。
この経済教室の記事は、
スペースも小さく、専門性が薄くて、
ストレスがたまっただろうが、
わかりやすい。

コンビニ業界初の本格的M&Aは、
「80年のローソンとサンチェーン」
ダイエーの中内功さんが主導して、
両社は合併に進む。

ローソンには都築冨士男さん、
サンチェーンには鈴木貞夫さんが、
いたなぁ。

懐かしいなぁ。

「だがシステム統合や、
対等が原則の本部と加盟店の
関係の契約調整に時間がかかり、
合併にこぎ着けたのは89年」

9年かかった。

「98年に資本・業務提携に踏み切った、
サークルKとサンクスが、
合併したのは04年。
ただ、今も屋号は統一していない」

そのサークルKサンクスと、
ファミリーマート。

難しい。

しかしそれ以上に厄介なのが、
総合スーパー業態。

ユニーグループの8割近くの売上げ。
統合後の新会社にとって、
1兆円に近い売上高の収益率が、
現状のままでは合併は難しい。

ファミリーマートは、
総合スーパーを展開していない。

だから「マイナス×ゼロ」。
「≒ゼロ」となって、
計算ではゼロだから、
マイナスよりはいいか。

これは私のブラック・ジョーク。

現場で働く人々も、
会社や店がどうなるか、
気が気ではないだろう。

そんな現場や取引先、
そして顧客の心配を払しょくするには、
何よりスピードが必須だと思う。

基本合意の締結時期について、
ファミリーマート側は、
「1~2カ月後をめどに結論を出したい」

4月に統合に向けた合意の発表をして、
それから5カ月。

統合検討委員会共同委員長は、
ファミリーマート中山勇社長と、
ユニーGHD佐古則男社長。

最後はファミマが存続会社となって、
ユニーGHDが吸収合併される。

「統合が破談になるということではない」
ファミマ側は強調するが、
いざ具体的なプランや数字を描こうとすると、
前に進まないのだろう。

ここまで来たら、
「えぃっ」とやってみて、
あとは本気のプロデューサーに、
任せるしかない。

私はそう思う。

これはジョークではない。

問題は誰が、
本気のプロデューサーなのかだ。

〈結城義晴〉

2015年08月27日(木曜日)

維新の党など組織の「分裂」とモノより経験価値の「分裂爆発」

今年の夏が、
終わろうとしている。
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その2015年の夏の終わりにきて、
「維新の党」がもめている。
橋下徹大阪市長は今、最高顧問。
盟友の松井一郎大阪府知事は顧問。

この二人がそろって、離党。

二人は大阪の地方政治に専念する。
結果として維新の党は分裂。

では、そもそも国政に乗り出し、
公党をつくったのはなぜか。

それぞれに言い分はあるのだろう。

しかし、政治は、対立する政党であっても、
話し合いや多数決で問題を解決する。

分裂はそれを否定する行為だ。
政治や政党は、断じて、
私物化されてはいけない。

分裂といえば、
指定暴力団の二次団体などが脱退し、
新しい組織が結成されるという。

指定暴力団といえども、
分裂は新しい諍いを生み出し、
そこで摩擦が生じる。

さて、九州電力の川内原発。
原発のエネルギーのもとは、
これも核の分裂。
それを平和利用しようというアイデア。

8月11日に1号機原子炉を起動し、
新基準のもとで初の再稼働。

14日に発電と送電を始めて、
段階的に出力を上昇させていた。

しかし復水器に海水が混じり込むトラブル。

そこで原因を調査しつつ、
通常の75%の出力で運転。

21日に95%まで出力上昇する予定だったが、
それを延期。

しかし今日、95%に上昇させた。
フル出力は9月にずれ込むし、
9月上旬の営業運転も遅れる見込み。

分裂エネルギーを活用する試み、
維新の党でも暴力団でも、
それは高度で困難な課題であるし、
危険ですらある。

一方、防衛省の2016年度予算概算要求。
過去最大の5兆911億円を計上する。

2015年度を366億円上回って、
3年連続の増加。

日本の防衛費予算が増強されれば、
周辺国では緊張感が増してくる。

ニューズウィーク日本版のブログ。
「パックンのちょっとマジメな話」
お笑い芸人でもあるパトリック・ハーランが書く。
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〈日本タレント名鑑より〉
ちょっと古いけれど、
ストックしておいた7月31日版。

「僕らアメリカ人が
日本の安全保障問題について、
しつこく意見を述べたりすると、
日本の皆さんはむかつくかもしれない」

断ったうえで、語る。

「敵国の少ない日本が
集団的自衛権を実行し、
敵国の多いアメリカとつながれば、
日本がより危険な状態になると思う」

「武装して勢力の均衡を保とうとする場合、
相手が核保有国だったら、
こちらも核保有国になる必要さえあるのでは?」

ハーバード大学出身のインテリ米国人の発言。
耳を傾けておきたい。

さて、日経新聞経済欄。
新連載『持たざる経済』
第1回は「モノより『ナマ』でしょ」

「モノやサービスを
貸し借りする生活スタイルが
急速に広がりつつある」

消費者がモノを買わない。
できるだけシェアする。
そのかわり、生(ナマ)の体験や、
人とのふれあいに金を使う。

「持たざる時代」の到来。

本当だとすると、
小売業にとっても、
製造業・卸売業にとっても、
えらい迷惑な話。

事例はまずBABYMETAL。
女子三人組ユニット。
「ヘビーメタルとアイドルの融合」がテーマ。
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国内外で人気。

デビューしてから2年。
大ヒットはない。
テレビの音楽番組にも出ない。

しかしライブは超満員――。

火が付いたのはYou Tube。
動画の再生回数は3000万回超。

「ネット⇒ライブ」の流れで人気が出た。

毎日更新宣言ブログ⇒ライブ講演。
結城義晴と同じか。

2014年の音楽ソフト生産額は2541億円。
10年前の6割弱。

一方、ライブの年間売上額は2749億円。
10年で約1800億円増。

音楽ソフトをライブが抜いた。

第二は、スマホやネットで人気の「脱出ゲーム」。
球場やビルで実体験するリアル版は、
2014年に動員数約57万人。

これもネットとの融合が、
新たなファン発掘のカギ。

第三の事例は、プロ野球観客動員。
2013年から球場への動員数が反転。
今年も2014年を上回るペースで増加中。
「カープ女子」「オリ姫」などなど、
女性ファンのネーミングも定着して、人気。

最後は、新日本プロレスリング。
あのアントニオ猪木が社長を務めて一世を風靡。
しかし2000年代半ばから低迷。

潮目が変わったのは2012年。
カードゲーム会社のブシロードが企業買収。
有料配信やSNSへと発信の場を広げた。

今月16日、両国国技館は満員札止め。
ツイッターや有料配信で見ていたファンが、
生のプロレスに押し寄せる。

売上高は買収前の2倍の約22億円。
観客動員数は前年比5万人増。

事例に上がったのはみな、
サービス業やエンターテインメント業。

クラシックでもジャズでも、
相撲でもサッカーでも、プロレスでも、
生が一番、エキサイティングだし、
面白い。

それをテレビやCDが、
マス化させて、大普及させた。

そのマスメディアが飽きられた。
本物性を喪失した。

しかし一度、インターネットが、
タダ、あるいは低価で提供し、
その代り、ライブで本物を楽しませる。

バーンド・H・シュミットの、
戦略的経験価値マーケティングは、
いまこそ、ジャストミートの観あり。

ただし一般消費財のコモディティは、
できるだけ買わない。
あるいはシェアする。

つまり最小購買。

経験価値のあるノンコモディティには、
場合によっては散財する。

これらのニーズは、
分裂爆発の様相を呈する。

〈結城義晴〉

2015年08月26日(水曜日)

「それらしくて無責任なもの」とコンサドーレ札幌の「雰囲気づくり」

「それらしいものほど、
無責任なものはない」
今日の朝日新聞『折々のことば』。
4月1日から哲学者の鷲田清一が一面に書く。
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松浦弥太郎「暮しの手帖日記」から引用。

松浦は『暮しの手帖』前編集長。
このメディアは花森安治が1948年に創刊。
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〈暮しの手帖社会社案内より〉

一貫して生活者の側に立って、
中立性を守りつつ、
提案し、ライフテストを行う。

「それらしく作られたものが
それらしく流通し、
それをみなが『良い』と思う。
そこでは視線がモノから逸(そ)れ、
世間の空気へと向かう」

鷲田は言う。
「批評とは見分けること」

見分ける眼力がなければ、
経営者も店長もバイヤーも務まらない。
コンサルタントもジャーナリストも、
批評力は必須だ。

実務の世界では、
「評論家的だ!」と批判されることが多い。
しかし、本物の評論家は、
見分ける力を持つ。

それらしい発言ほど、
無責任なものはない。

断言の過ぎる発言ほど、
危険なものはない。

以って自戒とすべし。

日経新聞スポーツ欄『フットボールの熱源』
サッカー担当記者の吉田誠一が書く。
「クラブを育てる楽しみ」
スポーツネタだが、
いつも経済視点が入っていて面白い。

コンサドーレ札幌が、
「考える会」を開いた。
約600人のサポーターが参集。
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〈コンサドーレ札幌オフィシャルサイトより〉

野々村芳和社長が経営内容を開示。
昨季の営業収益13億円、
チーム強化費4億3000万円。

ちょっと驚く。

J2のクラブチームとはいえ、
あの有名なコンサドーレ札幌の売上げが、
年間13億円。

標準的なスーパーマーケットより低い。

チーム強化費とは、
選手の人件費のことで、
その比率約33%。

この金額はJ2クラブの平均値。

野々村の目標。
5年をめどに営業収益を20億円、
強化費を9億円。

人件費比率は45%に引き上げられる。

商売でいえば、仕入れ金額にもあたる。

「そのきっかけとして、来季、
プロモーションに1億円を投じる」

野々村は語る。
「観戦初心者に
『また見に来たい』と思わせるのは、
試合の内容より会場の雰囲気」

商品よりも店舗のにぎわい?

「選手とサポーターがつくり出す雰囲気が
リピーターを生むための商品なのだ」

面白い。

ニューカスタマーを、
リピートカスタマーにするには、
ロイヤルカスタマーと
アソシエーツがつくり出す
店の雰囲気が必要だ。

野々村はそう訴える。

「地域のスポーツ文化を
みんなでつくっていく楽しみを味わう。
それもスポーツの楽しみの一つ。
そういう楽しみ方を根付かせたい」

これは、地域の消費文化、商品文化を、
顧客と共につくっていく楽しみを意味する。

私はかつて1998年、
ヤオコー狭山店リニューアルオープンの際、
「この店のある喜び」を指摘した。

その時、顧客たちは、
店で消費文化をつくっていく楽しみを味わった。

野々村。
「クラブの営業収益を地域の人々の力で
20億円、25億円と膨らませていき、
『ついに30億円を超えちゃったね』
という喜びを味わう」

まことに虫のいい話だが、
13億円が20億円、25億円、
そしてついに30億円を超える。
まるでスーパーマーケットやドラッグストアの、
予算目標のようだ。

Jリーグを見ていても、
プロ野球を見ていても、
いつも思う。

店にもサポーターが必須だ。

マーケティングでは、
「オピニオンリーダー」と呼ぶが、
野々村はそんなコアな顧客たちに、
店員とともに雰囲気をつくってくれと訴える。

ちなみにサッポロドラッグストアーは、
コンサドーレ札幌を支援している。
社長の富山浩樹さんが、
リージョナルマーケティング社長を兼ねていて、
コンサドーレEZOCA名のポイントカードを発行。
サツドラで買い物したポイントが、
サッカーチームの強化費となる。

このサツドラとコンサドーレ札幌の事例は、
地域振興とJリーグ支援、そして商売とが、
三方良しで整った好例だ。

吉田記者は最後にまとめる。
売上げが上がっていくことに伴って、
「チームの戦力も地域の活力も増していく。
地域振興、町づくりにも
こういう感覚が必要なのかもしれない」

小売業やサービス業の店舗は、
地域振興や町づくりの一環である。

野々村のように、
サポーターに向けて、
胸を張って協力を要請できるような、
そんな店になりたいものだ。

「それらしいもの」や、
「無責任なもの」を、
他人任せで並べていては、
サポーターに胸を張ることはできない。

〈結城義晴〉

2015年08月25日(火曜日)

中学生死体遺棄事件の大人のまなざしと西友ネットスーパー新型店

猛暑から一転、
大型台風連続来襲。

台風15号。
九州を直撃。
DSCN2945ー5

一番の豪雨は、
福岡県福岡市早良区。
DSCN2944ー5
私の生まれ故郷。
早良区小笠木。

1時間に120ミリの雨が降った。

今日は結城輝夫さんの告別式が、
小笠木で行われた。
父の従弟で、私は小さいころから、
ずいぶんと世話になった。

告別式には参列できなかったが、
この台風の大量の降雨は、
故人への哀悼の涙雨だと思う。

ご冥福を祈りたい。

さて寝屋川中学生死体遺棄事件。
痛ましいかぎりだ。

しかし様々な防犯カメラが機能している。
そしてスマホやラインが、
必須の生活ツールとなっている。

それらがこの事件の、
陰の主役だった。

日経新聞巻頭コラム『春秋』
「捜査に役立つカメラも、
名前に付けられたほど
『防犯』には期待できない」

だから「大人の優しく厳しいまなざし」がいる。

そうコラムは訴える。

「行く当てもなく街をさまよう子どもを
見つめているのが、
カメラだけというのでは悲しすぎる」

深夜の商店街とコンビニ。
これは小売流通業の現場。

それをカメラがとらえ、
子供たちがさまよう。

朝日新聞の『天声人語』
「今の時代、見て見ぬふりをする人は多い」

しかし哲学者の鷲田清一さん。
「見ないふりをしてちゃんと
見ている大人のまなざし」

コラムニスト。
「防犯カメラは有用だが
心配する心までは持ち合わせない」

「ここは人の出番なのだと
心の隅に留めたいと思う」

毎日新聞『余禄』は、
23日の日曜日に書いた。

「防犯カメラの映像解析により
警察は平田さんの遺体を遺棄した疑いで
45歳の男を逮捕」

「『彼は誰』も防犯カメラで暴かれる今日だが、
命が失われてからではむなしい。
少年少女らを優しく包む地域のまなざしで
なくしたい『逢魔が時』である」
(★「逢魔(おうま)が時(とき)」とは、
「昼と夜の境目であるかわたれ時やたそがれ時」で、
「この世とあの世がつながるといわれた」)

日経「大人の優しく厳しいまなざし」
朝日「大人のまなざし」
毎日「優しく包む地域のまなざし」

それも確かに大事だ。

どうもコラムニストの世代は、
スマホやLineには無感覚なようだが、
プライバシー保護の問題は別にして、
犯罪捜査にはさらに活用されねばならない。

しかし、子供の世界に起こることは、
大人の世界に先行して起こっている。

大人の世界が色濃く反映されるのが、
子供の世界だ。

子供の世界にいじめが起こるとき、
かならず大人の世界にいじめが頻発している。

大人と子供の狭間の中学一年生。
その親、親類、近所の人たち、教師たち。

大人たちに疎外感が横たわるから、
子供たちも疎外感にさいなまれる。

容疑者が犯人だとすると、
それは断じて許されるものではないが、
原発除染作業員の容疑者も、
疎外の崖っぷちに立ちつくしていた。

だからこそ、やりきれない事件だ。

冷徹な防犯カメラや道具としてのスマホが、
ノンフィクションで世相を映している。

大人のまなざしは当然ながら、
子供にも向けられるべきだろうが、
そのまなざしは同じように、
大人たち自身に、そして自分自身に、
向けられねばならない。

もちろん小売りサービス業の店舗そのもの、
そしてその店頭や商店街、
ショッピングセンターの防犯カメラ。
店長、従業員、スーパーバイザーの眼。

かならず犯罪抑止力となるし、
大いに社会貢献している。
それはこの場で、強調しておきたい。

ただしそれでも、
人の心の疎外感は、
人間が自分たちで解決するしかない。

さて話はがらりと変わって、
「西友、ネット軸の新型店」
日経新聞の先週土曜日版。

「通常の食品スーパーに
ネット販売用の在庫を持つ倉庫を併設」

月刊『商人舎』4月号で総括した。
特集「ネットスーパー! 移動スーパー!!」

「ネットスーパー」には、
大きく二つのパターンがある。
第1は、店頭の商品を集配する「店舗型」
第2は、専用物流センターから宅配する「倉庫型」

倉庫型は運営コストを抑えて広域に届けやすい。
しかし生鮮食品などが扱いにくい。

英国テスコは「店舗型」を基本に、
「ダークストア」という最新モデルを開発した。
これは月刊『商人舎』8月号特別寄稿。
英国オンライン食品市場と
テスコ・ダークストアの秘密
イギリスIGDのニック・マイルズの寄稿。
素晴らしい。
是非、読んでもらいたい。

西友の従来のネットスーパーは、
店舗型を中心にネット宅配サービスを広げた。
その後、2013年に千葉県柏市に、
ネット通販専用物流センターを開設。

しかし倉庫併設新型店は、
英国アズダのノウハウ活用で、
店舗型とセンター型の折衷方式を採用する。

もちろんアズダはウォルマート傘下企業で、
西友とは兄弟会社。

とはいってもアズダの方式は、
ほとんどテスコ方式を踏襲しているが。

西友の新型ネットスーパーは、
1階を通常の食品スーパー、
2階をネット専用の倉庫。
1階の店舗売場面積は500㎡前後。
売場は標準店舗の約半分。
2階のネット宅配用の在庫置き場と、
その作業場も合計約500㎡。

約1万品目の品揃え。

1日の配送可能件数300~500件程度で、
現在の西友ネットスーパーの3~4倍。

2016年5月、東京都練馬区に1号店新設予定。

西友は、店舗近隣の顧客から、
サイト経由でネット宅配の注文を受ける。
常温の加工食品、日用雑貨は、
2階倉庫で専門従業員がピッキング。
生鮮食品や日配、惣菜は、
売場から店舗従業員がピッキング。
そして一括配送。

店舗売上高に占めるネット販売の割合。
従来型は数%、
新型店では25%ほど。

既存店の改装を含め、
年間5店ペースで展開する。

今後は店舗型、センター活用に、
倉庫併設新型店を合わせ、
ネット販売額を3年で2倍に伸ばす。

ネットスーパー市場は、
年間1000億円規模、
年率2~3割の成長率。

ただし、市場はあるが、利益は出にくい。

西友の新しい試みに注目が集まるが、
セブン&アイのダークストア実験もあって、
様々なイノベーションへの挑戦が続く。

ここには「大人の優しいまなざし」は必要ない。
有無を言わせぬイノベーションが求められる。

人の心の疎外感を乗り越えて、
社会全体の防犯能力を高めるためには、
店舗設置カメラやIT機器にも、
そんなイノベーションを求めたいと、
私は思う。

人の命、子供の命ほど、
大切なものはないのだから。

〈結城義晴〉

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