つらいこと、
うれしいこと。
よろこばしいこと、
かなしいこと。
交錯しつつ、
同時に起こる。
関東・東北地方の記録的豪雨。
死者4人、家屋浸水約1万4000戸。
茨城県常総市では行方不明15人。
その常総市に、
9日午後4時36分、
最初の大雨・洪水警報が出た。
翌10日午前0時15分、
鬼怒川に氾濫危険情報が出た。
10日午前2時20分、
石下地区などに、
最初に避難指示が出された。
最初の氾濫被害への対処で、
行政が手いっぱいなうちに、
別の場所で堤防が決壊した。
常総市も「対応が後手に回った」と認める。
豪雨の原因は「線状降水帯」。
上陸した台風18号と、
東海上の台風17号が重なった。
だから南風と東風がぶつかって、
上昇気流を生み続け、
関東地方で帯状の範囲に、
積乱雲が次々と発生した。
その結果、線状に降水帯が生まれ、
それが居座った。
だから同じ場所で強い雨が長引いた。
気象庁も「異常事態」と表現する。
異常事態に、
対応が後手に回った。
これが原因。
厳しいようだが、
こういった場合、必ず、
人災の側面もある。
この災害に対して、
チェーンストア各社は、
すぐに救援物資を送った。
Daily商人舎で、
各社の活動をまとめて、
すぐに報道した。
小売業各社の緊急支援状況報告
災害は辛い、悲しい。
人災の側面もないわけではない。
しかしそれに商人たちが、
現場で立ち向かい、
緊急支援をする。
こちらは誇らしいし、
嬉しいニュースだ。
嬉しいニュースといえば、
箱根山が警戒レベル2になった。
こちらも気象庁管轄。
神奈川県箱根町の火山活動は、
火口周辺を越えて噴石が飛ぶような
噴火の恐れはなくなった。
従って、噴火警戒レベルは、
3の「入山規制」から、
2の「火口周辺規制」に、
引き下げられた。
これは嬉しいニュースだ。
秋の紅葉のシーズンに間に合った。
出かけよう、
楽しもう。
箱根の温泉と紅葉。
私にもうれしいこと。
きのうの晩、
立教大学院・結城ゼミOB・OG会で、
贈ってもらった。
夜が明けても、美しい。
アメリカのスーパーマーケット業界。
トップ企業のクローガーは、
今年度第2四半期の既存店売上高が、
ガソリン販売を除いて5.7%増加。
これはなんと47四半期連続。
11年と3四半期。
しかもクローガーは、
55%の店舗がウォルマートと競合している。
第2四半期の売上高は0.9%プラスの255億ドル、
1ドル120円換算で3兆600億円。
純利益が24.8%増の4億3300万ドル、
粗利益率は0.07%減少の21.5%、
営業総経費は0.35%減の18.4%。
相変わらず凄い数値を出している。
異常なことは何もやっていない。
そうしなければ経費率18%なんて、
出すことはできない。
異常な売上高をつくろうとすれば、
かならず経費が上がる。
これは商売の鉄則。
ウォルマートのエブリデーロープライスは、
エブリデーローコストに支えられている。
そしてそれは、
エブリデーロープライスが、
売上げの波動を最小限にすることを、
第一にしているからだ。
クローガーも、
コモディティ商品に関して、
エブリデーローコストを貫く。
クローガーCEOロドニー・マクマレン。
「第2クォーターの業績に満足しています。
コアとなる食品ビジネスが好調で、
ガソリンの利益増加も幸いしました」
「我々の社員は、
カスタマー・ファースト戦略で顧客に奉仕し、
そのカスタマーロイヤルティを得て、
市場シェアを増やしています」
「今日の利益と将来の成長のために
投資を続けています」
これがトップマネジメントの仕事。
「最近2 万人の本採用の新社員を雇い、
デジタルとEコマースを拡大しています」
「現在のクローガーは、
これまで以上に、
強固なビジネスだと信じています」
この確信。
一方、ローカルチェーンのヘイガン。
本部はワシントン州ベリンハム。
投資会社サーベラスから、
南カリフォルニアの146店舗を買収、
それを整理して、86店に縮小し、
1店舗平均50万ドル(6000万円)を投資して、
改装し、展開してきた。
カリフォルニアでは話題になっていたが、
9月8日に、連邦倒産法11章を適用申請した。
クローガーに次ぐ第2位のセーフウェイは、
サーベラスに買収されて、
アルバートソンとの統合を終らせた。
そのセーフウェイ・アルバートソンの、
不採算店舗をヘイガンが買収していたが、
それがまた倒産。
クローガーは47四半期連続既存店増収、
セーフウェイ・アルバートトソンはどん底。
ヘイガンは倒産し従業員は解雇。
つらいこと、
うれしいこと。
よろこばしいこと、
かなしいこと。
交錯しつつ、
同時に起こる。
〈結城義晴〉