シルバーウィークが明けた。
街も、電車の中も、道路も、
なんとなく混んでいて、
活気が戻った。
しかし今年は9月20日が彼岸入り、
9月23日が彼岸の中日で秋分の日、
そして9月26日が彼岸明け。
つまり土曜日まで、彼岸が続く。
この時期に訃報が相次ぐ。
中村勝広氏が逝った。
阪神タイガースゼネラルマネジャー。
66歳。
私が早稲田大学に入った年に、
その早稲田の主将から、
阪神にドラフト2位で指名されて、
その後、堅実な二塁手として活躍。
関西の阪神やオリックスで、
監督、ゼネラルマネジャーを務めた。
それから女優の川島なお美さん、逝去。
胆管ガンで入院していた。
ガンとの闘いは壮絶だった。
54歳。
若い。惜しい。
謹んで哀悼の意を表したい。
さて、omni7が派手に宣伝された。
「オムニセブン」と呼ぶ。
セブン&アイ・ホールディングスの通販サイト。
小売流通業として、イオンに次ぐ第2位。
セブン-イレブンの加盟店売上高を加算すると、
10兆円を超える日本最大のグループ。
11月1日にそのグループ横断サイトをスタートさせる。
そごう西武の百貨店、
イトーヨーカ堂の総合スーパー、
ヨークベニマル、ヨークマートの食品スーパー、
そしてセブン-イレブンのコンビニ。
さらにロフトや赤ちゃん本舗、
バーニーズ・ジャパンから、
ニッセンまで。
これらが扱う180万品目を、
このサイトから購入することができる。
特にセブン-イレブンの店頭に、
専用注文端末が置かれ、
受け取りや支払い、返品・返金に対応する。
コンビニで受け取る場合、送料は無料。
強みは何と言っても、
全国1万8000店のセブン-イレブンの、
店舗ネットワーク。
だからネーミングもomni7。
Eコマースとリアル店舗を効果的に連動させる、
「オムニチャネル戦略」は、
「あらゆるチャネル」を意味するが、
セブン&アイはコンビニ店頭が圧倒的に強いから、
「コンビニ&ネット主力型オムニチャネル」
ということになる。
かつて月刊『コンビニ』を創刊した身としては、
すぐに、思ってしまう。
セブン-イレブンの店頭がまた、
忙しくなるなぁ。
ずいぶんとオーナーや店長に、
話を聞いたものだ。
関東地区の7000店では、
サイトスタートとほぼ同時に、
即日配送サービスも始まる。
顧客は朝7時までに注文する。
当日の午後7時以降に商品が手に入る。
送料は300円。
もちろん順次、全国展開される。
現在、セブン&アイは複数のサイトを展開している。
中枢は通販サイト「セブンネットショッピング」、
そこにイトーヨーカ堂のネットスーパー、
セブンミール、そごう・西武の「e.デパート」、
さらにニッセン・オンライン。
チケットぴあも傘下にある。
omni7はこれらのサイトから、
商品を横断的に集めて展開する。
それぞれのサイトは存続させる。
しかし顧客のIDは、当然ながら、
切り替えつつ、順次統合。
2014年度のネット売上高は約1600億円。
2018年度には扱い品目を600万に増やし、
年商1兆円を目指す。
さらに提携交渉が続けられているユニクロも、
やがてセブン-イレブンの店頭で、
商品の受け取りや交換、
返品、返金ができるようになるはず。
今日の日経新聞『ニュース一言』に、
インテル日本法人社長の江田麻季子さん。
こちらは「IoT」を強調する。
Internet of Things。
あらゆるモノがネットにつながるのがIoT。
今年のハーバード・ビジネス・レビュー 4月号が、
「IoTの衝撃」というタイトルで特集した。
「例えば小売店で商品棚のセンサーが、
客の目の動きから売れ筋を予測するような技術」
「インターネットに接続する機器が、
今後5年で現在の3倍強の500億円台に増える」
江田さんはコメントする。
「多種多様なセンサーが集める膨大なデータは、
革新的なビジネスを次々と生むだろう」
omni7は、やがて、
IoTともつながっていく。
間違いない。
さて、今日は夕方から、
滋賀県彦根へ。
彦根といえば、平和堂。
右から平松正嗣さん、
田淵寿さん、福嶋繁さん。
平松さんが専務取締役営業統括本部長、
田淵さんは取締役商品本部長兼衣住統括、
福嶋さんは取締役食品統括兼一般食品事業部長。
みんな私と一緒にアメリカで勉強した同志。
心から打ち解けて、
チェーンストア論を語り合った。
このチェーンストアの世界にも、
オムニチャネルやIotが凄い勢いで、
入りこんでくる。
しかしそれでも、
大切なのはまず人であり、
それから情報であり、
金融であり、物流である。
〈結城義晴〉