結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年09月30日(水曜日)

明日から中国「国慶節」と世界競争力報告の「日本6位」

9月最終日の30日。
秋の空。DSCN9662-5

さて今日、『AJSネットワーク』到着。DSCN9669-5『スーパーマーケット応援団長の辛口時評』は、
連載第94回目。

まだまだ、続きます。

ご愛読をお願いします。

そして明日から10月。
その10月1日から7日は、
中国の建国記念日「国慶節」の大型連休。

インバウンド消費は、
今や日本の百貨店や免税品を扱う店舗にとって、
最大の伸びしろを持っている。

中国人観光客の「爆買い」への対策は、
怠りないはず。

都市型百貨店は万全の態勢だろうが、
セブン-イレブンとローソンは、
中国で普及している「銀聯(ぎんれん)カード」で、
全店がクレジット決済できるように準備した。

J・フロントリテイリングの大丸、松坂屋8店舗は、
通信アプリ「8ウェイシン」の決済サービス対応を、
なんとギリギリの今日から開始。
8ウェイシンは中国最大の通信アプリ。

スマホに表示されたバーコードを、
店舗のタブレット端末にかざすと、
それだけで決済ができる。

総合スーパーはもちろん、
スーパーマーケットもドラッグストアも、
商売繁盛に関しては、
中国人以上に貪欲でいい。
商売への真摯さは、
日本の商業界精神でお願いしたい。

中国の外国為替管理局は今日、
銀聯カードによる年間現金引き出し限度額を、
新たに設けると発表したが、
それも爆買いに水を差すことにはなるまい。

昨日、このブログで、
上場小売業5社の上半期決算を整理した。

そうしたら今日、
平和堂とスギ・ホールディングスの決算記事が、
日経新聞本誌に載った。

私が書いていなかったのは、
平和堂の中国事業。

売上高は7月以降、
「前年を2~3%下回っている」。

夏原平和社長は、コメントする。
「株価下落で酒など、
高級品の売上げが落ちている」

中国国内の消費はやや沈静化しても、
日本での爆買いは静まらない。
それだけ中国の人びとの、
日本へのあこがれが強い。

政治的には対立しても、
消費と購買は衰えない。

これが両国の最大の民間交流である。

さて、世界経済フォーラム(WEF)。
2015年版「世界競争力報告」を発表。
前にもこのブログで取り上げたが、
各国のリーダーが参集する「ダボス会議」の主催団体。

この報告は1979年から発表されているが、
今年版ではうれしいことに、
日本の総合順位は、
140の国と地域の中で第6位。

1位がスイス、
2位・シンガポール、
3位・アメリカ。

これは昨年と変わらず。

4位・ドイツ、
5位・オランダ、
そして日本が6位。

以下、7位・香港、
8位・フィンランド、
9位・スウェーデン、
10位・イギリス。

15位が台湾、
26位・韓国、
明日から国慶節の中国は28位。

ちょっと気分はいい。

項目別にみると、
「インフレ率」の評価は、
前年の62位から一気に1位へ。
「効率化の推進」は1つ下がっても8位。
インフラなど基礎的基盤が24位へ1ランクアップ、

一方で、「財政赤字と公的債務の大きさ」が、
最下位かそれに近い順位。

とくに「政府債務」は、最下位。

ここでも民間の努力は国際的に評価され、
国家や政府の評価は低い。

そのことは自覚しつつ、
私たちは10月も仕事にまい進したい。

さて最後に、
日経新聞『私の履歴書』の今月は、
キリンビール元社長の荒蒔康一郎さんだった。

1カ月連載の中で最も印象的だったのは、
28日の「新キリン宣言」の稿。

社長に就任した後、
キリンはアサヒビールに
抜かれるかもしれないという危機に直面する。

そこで荒蒔さんが発したのが「新キリン宣言」
宣言を発表したのは62歳の誕生日だった。

主旨は「お客様本位」「品質本位」の観点から、
組織を総点検し、キリンを再生すること。

当時は、日産自動車も再建中。
カルロス・ゴーン社長が社員に問う。
「なぜこうしているのか」
すると社員は答えた。
「トヨタもやっているから」

キリンも病巣は深かった。

私もかつて㈱商業界社長のころ、
再建の基本プランの考え方を、
実はカルロス・ゴーンに求めた。

荒蒔さんと同じだった。

そしてそれは間違っていなかったと思う。

荒蒔さんは書く。
「鈴木敏文会長の言葉も貴重だった」
ご存知、セブン&アイ・ホールディングス会長。

荒蒔さんが挨拶に伺うと、
「お客様が何を求めているのかを
真剣に考えてください」

素晴らしい。

「お客様本位」と「品質本位」によって、
キリンは再生していった。

いつの時代も、
顧客本位と品質本位。
これは変わらない。

9月も商人舎magazineともどものご愛読を、
こころから感謝して、
10月に臨みたい。

〈結城義晴〉

2015年09月29日(火曜日)

上半期決算「5社三様」平和堂・スギ、しまむら・ニトリ、DCM

46歳のおじさん福山雅治の入籍が、
こんなにも女性陣に衝撃を与えるか。

ちょっと驚かされた。

同じ九州男児だし、
ギターを抱えて歌うこともあるし、
その歌も互いにあんまり上手くはないし、
「桜坂」などはカラオケで挑戦もするし、
日曜夕方にはTOKYO FMでDJを聞くこともあるし、
NHK『竜馬伝』はほぼ完璧に観たし、
決して、断じて、私は、
彼のファンではないのだけれど・・・・・。

こんなに、女性たちががっかりするか?

まあ、いっか。

お相手の女優さんも、
あんまりよく知らないし。

昨夜は、十六夜の月。DSCN9658-5

私は三井三池炭鉱創始者の、
像の前に立っていた。DSCN9538-5

月が出た出た~
月が出た~♪

あ、ヨイヨイ
三池炭坑の上に出た
あまり煙突が高いので
さぞやお月さん 
けむたかろ
サノ、ヨイヨイ

「炭坑節」。

昨日の状況は、
それを暗示していたのだった。

疲れていたし、急いでいたので、
気がつかなかった。

先週の土曜日の座談会も、
みなさんの顔が写った写真を載せていなかった。
鈴木國朗さんなど、
後頭部しか出ていなかった。
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恐縮至極。

そこで座談会後の正面写真。
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右から、
ブルーチップ㈱の中野茂さん、
鍋島丈夫さん。
アイダスグループの鈴木國朗さん。
㈱バウコミュニケーションズの野藤邦彦さん、
古川学さん。

ありがとう。よろしく。

さて昨日、福岡から帰って、
今日は東京・御成門。DSCN9660-5
東京タワーが秋空に映える。

そのわきのお地蔵さん。
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カスタマー・コミュニケーションズ㈱。
今日は恒例の取締役会。

昨日、サービスサイト「ウレコン」を、
バージョンアップさせた。

ID-POSデータを活用して、
商品の店頭市場シェア、価格情報を提供する。
いまは無料お試し期間。

試してみてください。
1カ月ごとに、情報はアップデートされる。

その後、横浜商人舎オフィス。
考えてみると、
先週の土曜日以来。
そしてその前の出社は、
先々週の木曜日。

やっと事務所に帰ってきた感じ。
今週は3日間、
月刊『商人舎』の最終締め切りです。

近所の銀杏も、
かすかに色づいてきた。
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さて、上半期決算結果が発表されている。
セブン&アイ・ホールディングス。
本来は明日、発表されるが、
今朝の日経新聞でいつものように、
概略が先行発表。

売上高は前年同期比でほぼ横ばいの3兆円程度、
連結営業利益は1750億円程度、
前年同期比5%程度増。

上半期として3年連続過去最高。
セブン-イレブンは好調を維持、
しかしイトーヨーカ堂は赤字。

この記事を読んでいると面白い。
ほんとうは資料をもっているのに、
「~したようだ」「~とみられる」の表現が、
連発される。

セブン&アイの上期決算。
コンビニ事業、銀行事業は好調で、
総合スーパー事業は赤字。

ファミリーマート上期決算も同じ。
面倒くさいので、ここでは、
「ようだ」や「みられる」は省くが、
営業総収入は2100億円程度と1割強の増。
連結営業利益は270億円強、
前年同期に比べ約3割増。

セブン-イレブンもファミマも、
コンビニは好調。

15年8月末の国内店舗数は1万1450店、
前年同月末に比べ約450店増。

この2社に対して、既に上期決算を発表した企業。

まず平和堂。
売上高2151億3500万円で、
前年同期比5.5%増。
営業利益は72億5000万円で5.5%増。
経常利益76億9800万円で8.0%増。

依然として好調を堅持して、
増収増益。

通期見通し。
売上高4410億円、
営業利益154億円、経常利益159億円。

DCMホールディングス。
ホームセンタートップチェーン。
売上高2216億5700万円で、
こちらは前年同期比2.4%マイナス。
営業利益118億1400万円で0.4%増だが、
経常利益は114億7800万円で0.7%減。

経常利益で見れば減収減益。

期末店舗数はDCMカーマ152店、
DCMダイキ160店、
DCMホーマック254店、
DCMサンワ34店で、
合計600店規模。

通期見通しは、
売上高4462億円、
営業利益180億円、経常利益177億円。

減収減益だが、
その額は平和堂を上回っている。

そして話題のニトリホールディングス。
売上高2221億8500万円で、
前年同期比プラス5.4%。
営業利益367億600万円で、マイナス2.1%、
経常利益377億7100万円で、マイナス1.1%。

増収減益でも、
営業利益率16.5%、
経常利益率17.0%。

プライベートブランドの威力は絶大。

新ブランド「NITORI QUALITY LINE」にも挑戦。

店舗数は国内364店、海外30店で、
合計394店。

通期見通しは、売上高4450億円、
営業利益710億円、経常利益720億円。

一方、しまむら。
カジュアルファッションチェーン第2位。
売上高2656億9700万円で、
前年同期比4.8%プラス。
営業利益179億円のマイナス6.6%、
経常利益186億5100万円のマイナス7.9%。

増収減益。

ファーストリテイリングに、
ずいぶんと引き離された。

最近は、「しまむら」のフォーマットでは、
プライベートブランド「CLOSSHI」を強化。
ユニクロを追う。

マネジメント単位も、
月次から週次に変えて、
販促企画と在庫管理を連動させた。

しまむらバナーは1328店舗。

通期見通しは、
売上高5440億円で、昨年度に大台突破し、
営業利益460億円、経常利益474億円。
下半期の利益躍進が必須。

ドラッグストアのスギホールディングス。
売上高2081億5600万円で、
前年同期比プラス7.5%。
営業利益129億8500万円、11.7%増、
経常利益134億600万円、5.5%増。
絶好調の増収増益。

期末店舗数は22店増えて、
1000店目前の969店。

通期見通しは、売上高4050億円、
営業利益220億円、経常利益230億円。

年商4000億から5000億円チェーン5社。
その上半期決算。

増収増益の平和堂、スギ、
増収減益のしまむら、ニトリ。
減収減益のDCM。

5社三様。

食品を持つ業態の企業が、
今、堅調とみていいのか。
世界的トレンド。

続々発表される上半期決算。
「ようだ」「みられる」ではなく、
「だ」「である」で、きちんと、
整理していくことができる。

〈結城義晴〉

2015年09月28日(月曜日)

第50回商業界九州沖縄ゼミナールと「何のために生きるのか」

Everybody! Good Monday!
[2015vol39]

2015年第40週、
9月最終週にして、
今週木曜日から10月。

9月をきっぱりと締めくくって、
10月に臨みたい。

Weekly商人舎の日替り連載。
月曜朝一・2週間販促企画に、
詳細は書かれているけれど、
今の、日本の場合、
一番最後のハロウィンが大事だ。

全国の店長と呼ばれる人々。
どれだけ恥ずかしがらずに、
ハロウィンを展開し、
自ら演じられるか。

その競争だ。

さて、今夜は満月。
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十六夜。
「いざよい」と読みまする。
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月光が坐る木椅子を一つ置く
〈朝日俳壇より 東京都・長谷川瞳〉

萩の花風を力に起き上がる
〈同 熊本県菊陽町・井芹眞一郎〉

今日はこの俳人の地元・熊本へ。

朝一番で羽田空港。

カラリと晴れ上がった秋空に飛び上がって、
東京湾。
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そして南アルプス。
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あっという間に、
西日本を飛び越して福岡空港。
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全日空の利用が多い私だが、
今回は日航。
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空港名は「福岡」だが、
そこから地下鉄に乗って、
JRの「博多」へ。
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そして九州新幹線つばめ号。
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この列車名が、今、
プロ野球セリーグで優勝争いを演じている、
スワローズの名前の由来だとは、
若い人は知らないだろうな。

グリーン車内もすっきり。
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45分で新大牟田駅。

駅前に団琢磨像。
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三井三池炭鉱の創始者で、
旧三井財閥の総帥。

1932年の血盟団事件で暗殺される。

私はこの駅に迎えに来てもらって、
熊本県玉名郡のホテル・セキヤへ。

第50回商業界九州沖縄ゼミナール福岡。DSCN9615-5
商業界福岡県連合同友会が主管して、
地方ゼミが行われるが、
その場所は福岡と隣接する熊本県。

会場を確認してから、
講師控室へ。

そこで米澤房朝さんと加治敬通さん。DSCN9540-5

カメラマンのリクエストに応えて、
もっと近づいてワンショット。
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加治さんは、ご存じ、
㈱ハローデイ代表取締役社長。

米澤さんは㈱ヨネザワ代表取締役社長で、
メガネ業界に、この人ありといわれる。
九州と山口に167店を展開し、
今や、様々な学校経営などにも参画する。

商業界の本ゼミナールの運営委員長を経験して、
全国商業界同友会のリーダーでもある。

素晴らしい。

さて、開講式の後、
基調講演が結城義晴。
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テーマは「元気を売ろう!」
~ポストモダンの商業界精神を説く

400人を超える参加者。
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久しぶりに商業界らしい講演。
「元気を出そう」
「元気を売ろう」
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真っ先に出迎えてくださった原田政照さんが、
一番前の一番右の席で、
熱心にメモを取りながら聴講してくれた。
原田さんは㈱むすんでひらいて代表取締役社長。
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今回の私の講演の主旨は、
商業界精神をポストモダンの視点から、
とらえ直し、考え直すこと。
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それができないと、
商業界運動は静かに冷めていく。
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商業界精神は商業の近代化に、
大いに貢献した。

そして私は現代化にも、
商業界精神が必須であると考える。
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もちろんその内容には、
イノベーションが求められる。

難しいことを易しく、
易しいことを面白く。
面白いことをより深く。

これが今回の基調講演だった。

ご清聴を感謝したい。

私の次は、加治敬通さん。
テーマは「感謝・感動・感涙経営」
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加治さんでなければ語れない講演。
そしてそれはすべて加治敬通自身が、
考え抜き、耐え抜き、実践してきたこと。
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「あなたは何のために生きるのか?!」
加治さんは聴講者たちに問いかける。
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そして、述懐する。
「周りの人と一緒に、
感動するために生きよう。
私はそう決めました」

これが加治敬通の感謝・感動・感涙経営だ。

もうこの境地に勝てる者は、
そうそう登場しない。

実にいい講演だった。

加治さんの講演を聞いてから、
私は会場を辞した。

この後、第3、第4講座があり、
夕食懇親会。

明日の朝、
米澤房朝さんの第5講座がある。
「夢は必ず実現する」

そして、第6、第7、第8講座。
最後の第8講座は特別講演で、
前武雄市長の樋渡啓佑さんが登壇。
テーマは「地方創生の光と影」

いいゼミナールです。
その基調講演をさせてもらって、
心から感謝するとともに、
誇らしい気持ちでいっぱいとなった。

再び九州新幹線に乗る。
私の故郷の空。
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そして再びJALに乗り込んで75分。
東京湾とディズニーランド。DSCN9651-5

そしてレインボーブリッジとメトロポリス。DSCN9652-5

ヨコハマに帰ると、
十六夜の月が迎えてくれた。 DSCN9659-5

いい一日だった。
講演で声を張り上げ続けたので、
喉が嗄れて、痛くなっていた。

しかし、あなたは、
何のために生きるのか?!

いかが?

では、みなさん、
今週も、Good Monday!

〈結城義晴〉

2015年09月27日(日曜日)

ジジとお父さんの休養[日曜版2015vol39]

ジジです。
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ヨシハルおとうさん、
ねてます。

一日中。
ベッドで。

だから、ボクも、
ひとりで、ねてます。
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きょうは、ここが、
ボクのベッド。
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せまいところ、
すきなんです。
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おとうさんは、ちょっと、つかれた。
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ノドがいたい。
セキがでる。
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だからうちのなかでも、
マスクしてます。
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あしたはフクオカ。
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だいじな基調講演。
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原稿もかかなければいけない。
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マガジンもつくらなければいけない。
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そして、講演。
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だから、きょうは、
おうちをいっぽもでずに、
やすんでいます。
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だから、ボクも、
いっしょに、やすんでいます。

〈『ジジの気分』(未完)より〉

2015年09月26日(土曜日)

牛丼3社[300円絶対価格]一斉値引きのLike or Dislike

昨夜、滋賀県の彦根から帰って、
喉が痛いし、咳も出る。
夏の疲れが出たか。

ほんとうに久しぶりのこと。

季節の変わり目。
みなさんも、気をつけて。

それでも今日は、
朝から横浜商人舎オフィス。

月刊『商人舎』10月号の座談会。
このところ、座談会に凝っている。

一人で考えて、論文など書くのもいい。
取材して記事を書くのもいい。
しかし数人の専門家が集まって議論し、
それぞれの知見をもとに、
協力して結論を導き出すのもいい。
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私の隣から反時計回りで、
アイダスグループ代表の鈴木國朗さん。
ブルーチップ㈱取締役の中野茂さん、
第一営業統括部長兼第一開発本部部長、
兼とくし丸事業部長。
同営業企画本部本部長の鍋島丈夫さん。

むこう側の私の隣が、
㈱バウコミュニケーションズの野藤邦彦さん、
東京支社戦略企画部部長兼マーケティング室室長。
同・古川学さん、第2事業部第2営業企画。

3時間も議論して、
実に面白い内容になった。

良いこと、悪いこと、
ああでもない、こうでもない。
語り合うのはいい。

そういえば、
facebookのCEOマーク・ザッカーバーグ。
「いいね」ボタンは気軽に参加できる、
実にいいアイデアだが、
さらに「よくないね」ボタンも導入する方針を出した。

英語で「いいね」は「Like」、
「よくないね」は「Dislike」。

近く、試験運用が始められる。

ザッカーバーグの説明。
「Dislike」ボタンは、
「悲しみなどを共有するためのもの」。
投稿内容をおとしめたり、
否定したりするものではない。

座談会でも、
LikeとDislikeをどんどん連発して、
議論を行ったり来たりさせてよい。

さて、ファストフード業界が慌ただしい。

特に三占の牛丼業界の値引き。

東洋経済onlineに、
「牛丼3社が一斉値引き、
安値競争に逆戻り?」

きっかけは、今や、
マーケットチャレンジャーの吉野家。
「今だけ牛丼並盛300円セール」を、
10月1日から1週間展開する。

吉野家の牛丼並盛は380円だが、
それをきっちり300円にする。

この吉野家のキャンペーンは、
期間限定だけではなく、
地域限定でもある。

西日本地区の235店。
全体約1200店の2割程度。

この期間・地域限定値引きの要因の一つは、
地域会社からの声。

吉野家ホールディングスは現在、
地域ごとの事業運営を推進している。
イオンリテールが、
カンパニー制を敷き始めたのと似ている。

今年6 月には関西吉野家が発足したが、
その中で、西日本地区の各地域会社から、
割引販促の要望が寄せられた。

それに応えたもの。

しかし、吉野家は、
その声を実験に活かそうと考えた。

実験の意図は、
「牛丼300円」の絶対価格は、
存在するのか。

吉野家は昨年12月、
並盛300円を380円に値上げした。

大義名分は牛肉価格の高騰。

しかし客数は、
値上げ後8カ月経過した今年7月まで、
10%以上のマイナス。

河村泰貴社長の7月のコメント。
「“絶対価格”を求める層、
すなわち『牛丼並盛は300円以下』を望む方が
一定数いることがわかった」

今回の値下げは、この「絶対価格300円」の、
テストマーケティングの意味がある。

そこで、吉野家は、
地域限定・期間限定の値引きを、
プレスリリースした。

この吉野家に反応したのが、
マーケットリーダーのすき家。
ゼンショーホールディングスの事業会社。

こちらは興津龍太郎社長が、
9月25日に緊急記者会見。

9月29日~10月8日までの期間限定、
牛丼並盛を税込み350円から290円へ。
60円引きで、300円切り。

全国1960店全店展開。

すき家は吉野家から遅れて、
今年4月に並盛を、
291円から350円に値上げしている。

結果、4月~8月までの既存店客数は10.8%減。
もちろん客単価は11.1%増。

つまり、行って来いで、
既存店売上高は前年同期比0.9%減。

そこに、吉野家のプレスリリース。

すき家はそれに反応して、
翌日、社長の記者会見。

すると、マーケットフォロワーの松屋。
すき家の発表から3時間後、
「プレミアム牛めし」380円を、
10月15日~22日の期間限定で、
50円引きすると発表。

これはいかにも、
フォロワーらしい対応。

しかしそこで、
「3社一斉値引き」の構図ができあがった。

もちろん、背景にあるのは、
米国産ショートプレート部位の値下がり。
昨年秋に1キロ1000円を突破したが、
今年の8月後半から9月上旬は、
500円台後半から600円台前半。

問題は今後の展開にある。

第1に、果たして「牛丼絶対価格」は、
存在するのか。

そして第2に、それが、
300円という価格ポイントなのか。

そして第3に、各社の牛丼は、
コモディティアイテムなのか。
それともノンコモディティとなるのか。

それはテストマーケティングを意図した吉野家が、
結論を出すのだろう。

そしてもし、絶対価格があるとして、
それが300円だとしたら、
吉野家は企業生命をかけて、
ここに挑戦すべきだろう。

その覚悟があるかどうか。

そしてもし、絶対価格を堅持しても崩れない品質と、
その利益構造が出来上がったら、
マーケットリーダーの地位に
戻れるかもしれない。

一方、吉野家に反応したすき家は、
マーケットリーダーらしく、
全方位戦略を採った。

フォロワーの松屋が続いた。

吉野家・河村社長のコメント。
「輸入牛肉は現地相場や為替動向など、
さまざまな要因で決まる」

すき家本部の興津社長は、
「値引き価格を据え置くことはない」と明言。

こちらは期間限定の販促と考えている。

東洋経済の又吉龍吾記者は結論づける。
「恒常的な値引きで
消耗戦を繰り広げるのではなく、
独自性の強い商品を打ち出すことで、
客単価と客数の回復を図るのが本筋」

しかしこれは業界全体からの発想だ。
この発想はマーケットリーダーに味方することになる。

だから牛丼300円戦争は、
吉野家の動静にかかっている。

結城義晴著『message』から、
「一番の人気」。

たいていの場合、幸運とは、
神から与えられるものでも、
自分で勝ちとるものでもない。

相手に恵んでもらうものである。
人気も、敵の過失によって、
ころがり込んでくるものなのだ。

人気を維持すること。逆転すること。
それができるのは、謙虚に、
実力と人気の力関係を知る者だけである。

人気とは、「Like」or「Dislike」。

そこにかかっている。

〈結城義晴〉

2015年09月25日(金曜日)

平和堂アメリカ研修・第10回事前勉強会と第9回報告会

「初秋のこの時期に咲くキンモクセイ」
ふっと、あの香りがしてくる。

日経新聞『春秋』が取り上げた。

「小枝に鈴なりの花は、
開く4、5日前に強い香りを放ち、
1週間で散ってしまって
地面に鮮やかな模様を作る」

強い香りが、遠くから漂ってくる。

秋です。

さて日経新聞『投資情報』欄。
「イオン系食品スーパー5社、
最終損益を上方修正」

マックスバリュの、
西日本、東海、中部、九州、東北。
その上半期決算(3~8月)は、
業績予想を上方修正。

記事には、こうある。
「仕入れの権限を
イオン本体から各社に委譲し、
地元密着の商品を充実させた結果、
売上げが伸びた」

半分は当たっているが、
半分は当たっていない。

共通すべき商品と、
そうでない商品を仕分けした。

コモディティはイオンの総合力を活用し、
ノンコモディティはそれぞれに地域性を追求する。
その塩梅を変えたということ。

それがチェーンストアだ。

さらに「店舗の改装効果も
既存店の販売を増やした」

これは妥当な分析。

マックスバリュ西日本は、
上半期売上高1379億円(前期比2%増)、
東海は1089億円(同5%)、
中部は866億円(同6%)、
九州は764億円(同6%)、
そして東北は579億円(同2%)。

利益は全5社が予想を上回る決算。

例えば西日本の半期決算は、
連結最終損益が6億5800万円の黒字。
前年同期は2900万円の赤字だった。
今期も従来予想を1億6800万円上回った。

ここで考えること。

第1に、スーパーマーケット業態の粘り強さ。
生活に密着したビジネスモデルだということ。

第2は、地方にも消費増税の割高感が、
やっと消え始めたということ。

全国の地方企業にも、
スーパーマーケットチェーンにも、
これは朗報だ。

さて、昨日から滋賀県彦根市。
㈱平和堂。
アメリカ研修事前勉強会&報告会。

朝10時前に、まず社是の唱和。
DSCN9300-1

そして午前中、事前講義。DSCN9305-1

2011年の夏から始まって、
毎年2回開催。
この秋で10回目。DSCN9309-1

夏原平和社長、平松正嗣専務を始め、
役員、幹部、ミドルマネジメント。
これまでで総勢401名となる。DSCN9313-1
同じルート、同じ企業を視察し、
同じ講義、同じ理論、同じセオリーを学ぶ。

見方、考え方を一致させ、
全員でイノベーションに取り組む。

それが成果を上げてきた。DSCN9315-1
私は目いっぱい語って、
12時きっかりに終了。

ランチは、これもゆっくりと。DSCN9316-1
右から夏原平和社長。
夏原行平専務専務取締役、
店舗営業本部長兼営業統括副本部長。、
夏原陽平取締役、
営業推進室長兼経営戦略室統括。

午後は、この夏に、
第9回米国研修をしたチームからの報告会。DSCN9321-1
この場には夏原社長をはじめ、
全幹部と商品本部長、地区マネジャーなど、
ほぼ全員が集まる。

もちろん全員が同じ研修を経験している。

そして6つのチームが、
研修後に帰国してから、
それぞれ現場で行った成果を発表する。
DSCN9326-1

アメリカで学んだことをベースに、
何を考え、日本で何を変え、
どんな成果を上げたか。
DSCN9332-1

その一つ一つのアクションに対して、
質問や意見がどんどん寄せられる。
そのやり取りを、
次の派遣チームのメンバーが聞いている。DSCN9330-1

専務の夏原行平さんの質問。DSCN9335-1

そして社長の夏原平和さんも質問と意見。DSCN9340-1

鋭い質問に対して真摯に答え、
再度、対応策をコメントする。
DSCN9341-1

今回は具体的なアクションが多かった。DSCN9344-1

商品の改革、売り方のイノベーション、
プレゼンテーションの工夫、クレンリネスの改善、
そしてオペレーションやマネジメントの変革。DSCN9346-1

それぞれの視点から、
そしてチームごとのディスカッションから、
改革は多岐にわたる。DSCN9348-1

2チームの質疑が終わると、
私が講評する。
それを3度繰り返して、
6チームの発表と質疑が終わると、
最後にまた、私の講評。DSCN9355-1

都合9回の研修の成果は、
このところの平和堂の新店、改装店に、
如実に現れてきている。DSCN9356-1
それが何よりうれしい。

今回の最後のまとめは、
ホッケースティック・カーブを用いた。DSCN9360-1
ご苦労様でした。

しかし、まだまだです。
これからです。

そして第9回の団長からまとめ。
田淵寿取締役商品本部長。DSCN9363-1

さらに最後の最後に夏原社長の総評。DSCN9366-1

夏原さんの言葉は、
第9回派遣団メンバーの心に響いた。
この秋の第10回派遣団には励みとなった。DSCN9372-1

ここで一応、解散。

しかし秋の研修団メンバーは、
6つのチームごとにディスカッションして、
それぞれのテーマを決める。
DSCN9379-1

その6チームの班長のテーマ発表を聞いて、
私から講評。
DSCN9381-1

11月中旬が、
記念すべき第10回平和堂米国研修。
これまで以上の成果を上げよう。
DSCN9385-1

そして団長・副団長と写真。
私の隣が団長のSM営業部長・木村武さん、
副団長のビバシティ支配人の藤田慎平さん。DSCN9388-1
大いに楽しんで、
そのうえで成果を上げましょう。

一方、別室では、
第9回派遣団の懇親会。

田淵団長の乾杯の音頭。DSCN9377-1

最後に全員集まって、記念写真。DSCN9389-1

恒例のハトッピー・ポーズ。DSCN9390-1

決まりました。DSCN9391-1
講評でも言ったけれど、
まだまだ終わらない。

こまかく、きびしく、しつこく、なかよく。

よろしく。

〈結城義晴〉

2015年09月24日(木曜日)

セブン&アイのomni7とインテルのIoTと平和堂での交流

シルバーウィークが明けた。

街も、電車の中も、道路も、
なんとなく混んでいて、
活気が戻った。

しかし今年は9月20日が彼岸入り、
9月23日が彼岸の中日で秋分の日、
そして9月26日が彼岸明け。

つまり土曜日まで、彼岸が続く。

この時期に訃報が相次ぐ。
中村勝広氏が逝った。
阪神タイガースゼネラルマネジャー。
66歳。

私が早稲田大学に入った年に、
その早稲田の主将から、
阪神にドラフト2位で指名されて、
その後、堅実な二塁手として活躍。

関西の阪神やオリックスで、
監督、ゼネラルマネジャーを務めた。

それから女優の川島なお美さん、逝去。
胆管ガンで入院していた。
ガンとの闘いは壮絶だった。
54歳。

若い。惜しい。

謹んで哀悼の意を表したい。

さて、omni7が派手に宣伝された。
「オムニセブン」と呼ぶ。
セブン&アイ・ホールディングスの通販サイト。

小売流通業として、イオンに次ぐ第2位。
セブン-イレブンの加盟店売上高を加算すると、
10兆円を超える日本最大のグループ。

11月1日にそのグループ横断サイトをスタートさせる。

そごう西武の百貨店、
イトーヨーカ堂の総合スーパー、
ヨークベニマル、ヨークマートの食品スーパー、
そしてセブン-イレブンのコンビニ。
さらにロフトや赤ちゃん本舗、
バーニーズ・ジャパンから、
ニッセンまで。

これらが扱う180万品目を、
このサイトから購入することができる。

特にセブン-イレブンの店頭に、
専用注文端末が置かれ、
受け取りや支払い、返品・返金に対応する。

コンビニで受け取る場合、送料は無料。

強みは何と言っても、
全国1万8000店のセブン-イレブンの、
店舗ネットワーク。

だからネーミングもomni7。

Eコマースとリアル店舗を効果的に連動させる、
「オムニチャネル戦略」は、
「あらゆるチャネル」を意味するが、
セブン&アイはコンビニ店頭が圧倒的に強いから、
「コンビニ&ネット主力型オムニチャネル」
ということになる。

かつて月刊『コンビニ』を創刊した身としては、
すぐに、思ってしまう。
セブン-イレブンの店頭がまた、
忙しくなるなぁ。

ずいぶんとオーナーや店長に、
話を聞いたものだ。

関東地区の7000店では、
サイトスタートとほぼ同時に、
即日配送サービスも始まる。

顧客は朝7時までに注文する。
当日の午後7時以降に商品が手に入る。
送料は300円。

もちろん順次、全国展開される。

現在、セブン&アイは複数のサイトを展開している。
中枢は通販サイト「セブンネットショッピング」、
そこにイトーヨーカ堂のネットスーパー、
セブンミール、そごう・西武の「e.デパート」、
さらにニッセン・オンライン。
チケットぴあも傘下にある。

omni7はこれらのサイトから、
商品を横断的に集めて展開する。

それぞれのサイトは存続させる。
しかし顧客のIDは、当然ながら、
切り替えつつ、順次統合。

2014年度のネット売上高は約1600億円。
2018年度には扱い品目を600万に増やし、
年商1兆円を目指す。

さらに提携交渉が続けられているユニクロも、
やがてセブン-イレブンの店頭で、
商品の受け取りや交換、
返品、返金ができるようになるはず。

今日の日経新聞『ニュース一言』に、
インテル日本法人社長の江田麻季子さん。

こちらは「IoT」を強調する。
Internet of Things。
あらゆるモノがネットにつながるのがIoT。

今年のハーバード・ビジネス・レビュー 4月号が、
「IoTの衝撃」というタイトルで特集した。

「例えば小売店で商品棚のセンサーが、
客の目の動きから売れ筋を予測するような技術」

「インターネットに接続する機器が、
今後5年で現在の3倍強の500億円台に増える」

江田さんはコメントする。
「多種多様なセンサーが集める膨大なデータは、
革新的なビジネスを次々と生むだろう」

omni7は、やがて、
IoTともつながっていく。
間違いない。

さて、今日は夕方から、
滋賀県彦根へ。

彦根といえば、平和堂。

右から平松正嗣さん、
田淵寿さん、福嶋繁さん。
IMG_1422-5
平松さんが専務取締役営業統括本部長、
田淵さんは取締役商品本部長兼衣住統括、
福嶋さんは取締役食品統括兼一般食品事業部長。

みんな私と一緒にアメリカで勉強した同志。 IMG_6674-5
心から打ち解けて、
チェーンストア論を語り合った。

このチェーンストアの世界にも、
オムニチャネルやIotが凄い勢いで、
入りこんでくる。

しかしそれでも、
大切なのはまず人であり、
それから情報であり、
金融であり、物流である。

〈結城義晴〉

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