結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年10月15日(木曜日)

「商人の本籍地と現住所」そして緒方知行さんのこと

緒方知行さんの「お別れの会」
昨日、ホテルニューオータニで開催された。

代表世話人は、
清水信次さんと鈴木敏文さん。

世話人は川野幸夫さん、
椎名誠さん、島田陽介さん、
広瀬勝貞さん、そして柳井正さん。

ありがとうございました。

私には、バリュークリエイター社から、
10月8日付でお知らせが来た。

残念ながらアメリカに出張中だった。
当日も、帰国してすぐに、
大阪出張が入っていて、
献花にも行けなかった。

代わりに松井康彦さんに出席してもらった。
商人舎エグゼクティブプロデューサー。

私にとっては、
社会人になって最初の上司が、
緒方さんだった。

1977年当時の㈱商業界、
流通革命の一翼を担ったメディアが、
月刊『販売革新』。
その編集部はまさに強者揃い。

編集長が緒方知行さん。
高橋栄松さん、五十嵐宅雄さん、
伊東清さん、高濱則行さん。
広告営業担当は松井康彦さん。
そして新入社員の結城義晴。

高橋さんは緒方さんの後を継いで、
『販売革新』編集長となり、
五十嵐さんは緒方さんの次の『商業界』編集長。
伊東さんも、
『商業界』『販売革新』編集長を歴任、
高濱さんは緒方さんと前後して退社してから、
その主宰する『2020AIM』の編集長になった。
松井さんは営業担当取締役から、
取締役営業本部長になった。

私は『食品商業』『販売革新』編集長を務め、
取締役編集統括から、
代表取締役社長となった。

松井さんとふたり、
最後に残った「緒方組」となって、
商業界経営を担った。

編集長時代も、編集統括時代も、
社長になってからもずっと、
私は「編集者は自分で書く」を実践し、
部下を、そう教育してきた。

自分で書けない者が、
他者の書いたものを評価はできないし、
編集はできない。

緒方さんの持論だった。
私もそう考えた。

そしてそれは今でも、
絶対に正しいと思っている。

書くことはすなわち、
考えることだ。
考え抜くことだ。

自分の目で見て、
自分の耳で見て、
自分の頭で考え抜くからこそ、
時代が見えてくる。

ピーター・ドラッカーと同じ。

私たちは、
書くことから離れると、
考えられなくなる。

考えられなくなると、
真実が見えなくなる。

だから私は毎日更新宣言して、
毎日、書いている。

帰国して、日経MJを開くと、
10月5日の『斜光線』に、
編集委員の田中陽さんが、
「緒方知行氏の慧眼」と題して、
評伝を書いてくれていた。

「現代流通史の語り部だけでなく、
セブン-イレブンが革新を続けて
流通革命に進むのを
同社の創業時から洞察し、
ダイエーの未完の流通革命と
その行く末まで言い当てていた
慧眼には脱帽する」

田中さん、ありがとう。

緒方さんは最後まで、
書き続けた。
考え続けた。

私も同じように最後まで、
書き続ける。
考え抜く。

一日でも、
緒方さんより長く、
と、実は思っている。

2010年6月18日に開催されたのが、
月刊『2020 Value Creator』
創刊25周年&300号記念パーティ。

当時、㈱菱食相談役だった廣田正さんが、
儒学者の佐藤一斎の言葉を、
緒方さんに贈った。
少にして学べば、
すなわち壮にして為すあり。

壮にして学べば、
すなわち老いて衰えず。

老にして学べば、
すなわち死して朽ちず。

緒方さんは、
最後まで書き続け、
最後まで考え抜いた。

すなわち、死して朽ちず。

心からご冥福を祈りたい。
合掌。

さて、㈱ファミリーマートと、
㈱ユニーグループホールディング。
両社は経営統合に向けて基本合意した。
ユニーは創業者・西川俊男さんとともに、
「流通革命」を志した。
そしてチェーンストア第3位として残った。

日経新聞では両社の株式交換比率を、
1対0.138と報道。

ファミリーマート1株を100とすると、
ユニーグループのそれは13.8。
1000対138。

ユニーもずいぶんと軽い会社となった。

一方、イオンリテール㈱は、
新潟県の清水商事㈱を買収して、
県内のマックスバリュ東北の店舗と統合。
マーケットシェアを高める作戦に出た。

清水商事は、戦後、
中島清さんが会社を創業し、
1957年にスーパーマーケット化、
「清水フードセンター」の名称で、
先駆的な役割を果たした。

そして1978年には、中島さんが、
日本セルフ・サービス協会会長に就任。
現新日本スーパーマーケット協会。

私も中島さんには、
何度かインタビューをした。

詳細はDaily商人舎に掲載。
「清水商事買収によるイオンリテールの
マルチフォーマット・マルチバナー戦略」

しかし、これから年末に向けて、
M&Aは頻発してくるだろう。

その時に、いつも私は言う。
「商人には本籍地と現住所がある」

特に、買収されたり、
合併されたりする側の
会社の社員のみなさん。
商人としての本籍地を忘れずに、
誇りをもって仕事してほしい。

もちろん現住所は、
たいていの場合、
ちょっと慣れると住みやすくなる。

住めば都。

本籍地に誇りを持ちつつ、
現住所をより良いものにする。

それが商人の本籍地と現住所。
このことを忘れないでほしい。

さて今日は、朝から、東京・清水橋。
㈱伊藤園本社。DSCN0025-5

1階ロビーには、
紅葉のプレゼンテーションがあった。DSCN0050-5
業界第一の大陳コンテスト。
その審査会。

審査委員が、選抜された優秀作品に、
それぞれに付箋を貼っていく。
DSCN0029-5

そしてコースごとに大賞、優秀賞を選考。DSCN0032-5

同票の場合、議論して決める。DSCN0033-5
すんなり決まりました。

店舗賞を決め、企業賞を決定。

その後、今回の総評。
DSCN0037-5

最後に恒例の雑誌用写真撮影。DSCN0041-5
右から伊藤園副社長の本庄周介さん、
副会長の江島祥仁さん、
社長の本庄大介さん。
そして私の隣が松井康彦さん、
竹下浩一郎さん。
松井さんは私の同志で、
商人舎エグゼクティブディレクター、
竹下さんは現『食品商業』編集長。
つまり私の後輩。

その後、関係者全員揃って、
このブログのための写真撮影。DSCN0044-5
お疲れ様、いい審査でした。

そしてこれも恒例。
江島さんの部屋で情報交換。DSCN0049-5
アメリカの最新情報や、
国内チェーンストアの動向など、
互いに知見を交換しつつ、
私はその見方を語る。

ありがとうございました。

壮にして学べば、
すなわち老いて衰えず。
老にして学べば、
すなわち死して朽ちず。

緒方さんも、松井さんも、私も、
本籍地は商業界。

私の現住所は㈱商人舎。

緒方さんの現住所は、
天国だろうか、
極楽だろうか。

ふたたび合掌。

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.