Everybody! Good Monday!
[2015vol47]
2015年第48週。
11月も第4週。
日本では勤労感謝の日。
アメリカでは、感謝祭週間。
今週木曜日が感謝祭。
そんな中、23日間の旅が終わって、
帰国しました。
学校を出てからこれまで、
ほとんど休みなく、
日本で仕事を続けてきましたから、
長期海外滞在の経験はありません。
残念ながら、
学生時代の留学経験もありません。
つまり外国に住んだことがない。
今回、ずっとホテル暮らしで、
23日間の旅は、私にとって最長です。
とはいっても、昭和34年(1969年)、
日本初の流通視察研修団が米国を訪れましたが、
かれらは約1カ月かかったといいますから、
それに比べればまだまだ、楽でしょう。
東京・成田空港。
最後に一言、檄を飛ばして、
彼らは年末までの「無呼吸泳法」に入る。
平和堂第10回米国視察研修。
大きな成果を持って帰りました。
その果実はこれから実を結ぶ。
さて、現地に時間を巻き戻して、
最終日の朝。
サンフランシスコ・日航ホテル25階。
高層ビルをぬって、眼下に市街が見える。
最後の講義。
平和堂という会社のポジション。
その「強み」。
その中での経営戦略。
そして今、やるべきこと。
見てきたばかりの、
アメリカのチェーンストアの闘いの変化を、
「すでに起こった未来」として整理しながら、
総括しつつ、提案する。
その戦略や戦術そのものが、
明らかに他とは異なっていて、
しかも際立っていなければならない。
企業ごとに、
場合によっては、
ドミナントエリアごとに、
業態によっては店ごとに、部門ごとに、
戦略・戦術が構築されねばならない。
すべてに対しての、
マスマーケティングは効果を失った。
マスプロモーションも成果は上がりにくい。
しっかり伝わったと思う。
私のあとは、
団長の木村武さんの、
シンプルで力強い行動提起。
平和堂SM事業部部長。
年末までの平和堂をご覧ください。
それが出てきます。
ただし、新しいプロモーションには必ず、
強力なマーチャンダイジングやサービスが、
伴わねばならない。
講義が終わると、最後の視察研修。
私の理論に最後の、
いくつかのピースをはめ込む。
ファサードには、
「An Employee Owend Company」
「従業員が所有する会社」
倉庫型のディスカウントスーパーマーケット。
スーパーウェアハウスストアという。
入口からのワンウェイ方式売り場には、
まず、超お買い得品が並ぶ「壁」が出現する。
そこには価格比較POP。
この写真に最近の米国の商品潮流が、
実によく表れている。
ウォール・オブ・バリューを抜けると、
青果部門が広がる。
安い! ウォルマートよりも。
そしてデリ・シーフード、ミート。
感謝祭週間に入った土曜日。
これだけの物量がどんどんはける。
感謝祭に必須のターキー。
1ポンド(454グラム)55セント。
これも飛ぶように売れる。
ミルクは1ガロン(3.8リットル)で、
1%が2ドル54セント、
2%が2ドル65セント。
これもウォルマートより安い。
冷凍食品のリーチインケースと平台。
単品量販で、しかも品揃えはしっかり。
かつて日本で提唱された「流通革命」は、
いま、米国でウィンコが成し遂げている。
クリスマスプレゼンテーション。
レジの前には、
驚異的な価格のパン売り場。
ウィンコの従業員持ち株会社。
「革命」を起こすには、
ひとり一人の革命意識が必須である。
ウィンコと同じフォーマットの、
フード4レス。
全米最大のクローガーが、
フランチャイザーとなっているが、
そのシステムを活用して、
ナゲットマーケットがエリア展開している。
こちらも入り口に壁。
うず高く積み上げられた超お買い得品。
そしてその壁が終わると、
プロデュース部門が出現。
こちらはばら売りの美しい陳列。
青果の強さが店舗の強さ。
奥壁面は平ケースの精肉部門。
アイテムを絞り込んで、
単品の量販をする。
それに適した売り方。
精肉の反対側の上段にはピニャータ。
メキシコの子供の祭用品。
このあたりにはメキシコ人が多く住む。
冷凍食品は平ケースで単品量販。
考え込む藤田慎平副団長。
ビバシティ平和堂支配人。
フロアは「ウェット・ルック」でピカピカ。
それがナゲットマーケット・グループの信条。
チェックスタンドは簡素でグッドサービス。
そして最後の訪問は、
ナゲットマーケット。
会社の規模は小さい。
たった12店舗のスーパーマーケット。
しかしFortune調査の、
「働きがいのある企業ランキング100」に、
2005年から10年連続で選ばれて、
2010年には第5位に輝いた。
そのプロデュース部門。
水産部門にはダンジネスクラブ。
サンフランシスコ名物のカニ。
もちろんターキーも量販。
冷凍食品には上にアーケードが設けられて、
美しくて快適。
「Homeopathy」のコーナー名。
チアシードとフラックスシードが並ぶ。
「Homeopathy」は、
欧米医学界で公的な承認を受けていないが、
大衆の間で根強い人気がある、
「異端の医学」といった意味。
根拠は保証しないけれど、
「お好きな方はどうぞ」といったコーナー。
ナゲットマーケットの客層が、
知識人たちであることがわかる。
入口脇にはクリスマスデコレーション。
最後の視察先で、最後の写真。
この後、3時間ほどの、
短い自由研修。
そして夜は、
フィッシャーマンズワーフへ。
ハードに学ぶ。
しかしソフトに遊ぶ。
それがあるから、楽しいし、
働きがいが出る。
ウィンコフーズは従業員持ち株会社。
ナゲットマーケットは働きがいのある会社。
「流通革命」は、
ここから生まれる。
では、みなさんも、
今週いっぱい、働きがいを求めて。
Good Monday!
(つづきます)
〈結城義晴〉