結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年11月30日(月曜日)

米国感謝祭商戦「店舗売上げは減りネット売上げが増えた」

Everybody! Good Monday!
[2015vol48]

2015年第49週。
今年もあと4週。

そして今日は11月最終日。

Weekly商人舎の日替わり連載。
月曜朝一・2週間販促企画。

公務員のボーナス支給は、
12月10日木曜日。

月刊『商人舎』12月号発刊日。

民間企業も、
それに準じて10日前後が多い。

2015年冬のボーナス見通しは、
民間でマイナス2.1%、
平均36万7458円。

減少か~。

詳細は読んでください。

ちょっと、少ないような気もするけれど。

でも、それぞれに暖かい気持ちで、
ボーナスを手にする。

それが、いい。

さて、この土日曜は、
本当によく眠った。

帰国してちょうど1週間。

体調も戻ってきて、
これから年末に向けて、
全力疾走。

それでもアメリカ流通業のことは、
大いに気になる。

このサンクスギビング・ウィークが終わって、
今日はサイバーマンデー。

Eコマース販売が、ピークを迎える日。

その結果は?

店舗売上高が減った。
だが、オンライン売上高は増えた。

アメリカの動向は日本の商業にとって、
「すでに起こった未来」

やがて日本にも、
この波は押し寄せてくる。

店舗売上げは減り、
ネット売上げが増える。

そのことを、冷静に判断し、
いまから対処しておかねばならない。

もちろんネット販売が増えても、
リアル店舗はなくならない。
そんなに減ることもない。

ブルーオーシャンの重要性が叫ばれても、
レッドオーシャンがなくならないのと同じ。

長き夜や感情論のはてしなく
〈朝日俳壇より オランダ・モーレンカンプふゆこ〉

感情論はいけない。

ピーター・ドラッカー先生は断じている。
「すでに起こった未来」は、
モニタリングすることで、
体系的に見つけることができる。

いま、脅しに近い「予測的言説」が、
盛んに流布されている。

しかし、それも「感情論」の一つ。

脅しには屈してはいけない。
気をつけよう。

不覚にも枯野の風に躓きぬ
〈同 小樽市・伊藤玉枝〉

今日は朝から、
横浜商人舎オフィス。

『AJSネットワーク』が届きました。
オール日本スーパーマーケット協会機関誌。 DSCN7659-5

私の連載第96回のタイトルは、
「変わり者の戦略」
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ご愛読、お願いします。

それから、購入しました!
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iPhone6s。
指紋認証式です。

パソコンは人並みのブラインドタッチ、
iPhoneは、まだまだ。

それでも最新モデルに、
いつでも触れていたい。

ミーハーでしょうか、
それとも好奇心でしょうか。

さて、日経新聞『私の履歴書』
洋画家の絹谷幸二さんが、
1カ月間、語ってくれた。

最後の今日は、
「アルス・ヴィタ・エスタ ヴィタ・アルス・エスタ」
ars vita estavita ars esta

フランス文学者の市原豊太さんが、
絹谷さんに贈った色紙の言葉。

ラテン語だが、意味は、
「芸術こそ人生、人生こそ芸術」

「アルス・ヴィタ・エスタ」は、
「生活も家族も自分の健康も犠牲にして、
芸術に没頭する生き方 」

つまり芸術至上主義。

対して「ヴィタ・アルス・エスタ」は、
「人としてより良く生きること」

こちらは人生至上主義か。

そのどちらをも大切にし、
どちらをも精一杯実行する。

芸術と人生がハーモニーとなる。

絹谷さんはこの言葉を、
「詔(みことのり)」のように大事にしている。

私たちで言えば、
仕事は人生、
人生は仕事。

商売は人生、
人生は商売。

倉本長治流に言えば、
「この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯」

明日からの12月。
その一瞬の積み重ねが、
私たちの全生涯。

では、みなさん、
今週も、Good Monday!

〈結城義晴〉

2015年11月29日(日曜日)

ジジとおとうさんの休養日[日曜版2015vol48]

ジジです。
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秋のおわり。
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いい天気です。
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おとうさんも、
かえってきたし。
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アメリカのおシゴト、
ながかった。
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でも、いちどだけ、
ゴルフをした。
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パブリック・コース。
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ゴールデンゲートブリッジがみえる。
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おおきな建物もある。
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サンフランシスコの市街もみえる。
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その街並みはうつくしい。
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そして海も光ってる。
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おとうさん、たのしんだ、
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マエダさんと。
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スウィング。
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リンカーン・パーク・ゴルフクラブ。
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かえってきてからも、
ずっと、いそがしい。
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でも、きょうは、
おうちにいます。
「休養日」。
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秋の光。
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それから、おサンポ。
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紅葉。
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きれいです。
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これも。
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おとうさんは、どこか、
おちついているみたい。
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お花もきれい。
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散歩道もおちついているし。
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ねぇ、おとうさん。
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もう、ことしは、
でかけないんですよね。
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ボクもいっしょに、
いたいです。
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ことしも、あと、1カ月です。
よい年だったでしょうか。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2015年11月28日(土曜日)

外山滋比古「忙しい老人」と絹谷幸二「自分だけの色」

2015年11月も残すところ3日。

久しぶりに商人舎オフィスに来ると、
蘭の花が送られてきた。
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マルトの安島祐司会長、浩司社長から。
ありがたい。

木々はもう、晩秋の風情。
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それでも不思議に、
気分は落ち着いている。
何かをやり遂げたという心持ち。DSCN7600-5

それにしても忙しかった。

11月1日に渡米。
テキサス州ダラス市から、
ニューヨーク州ニューヨーク市へ。
さらにテキサス州サンアントニオ市、
オースティン市から、
またニューヨーク市。
そしてカリフォルニア州サンフランシスコ市へ。
そのあとまたダラス市・フォートワース市から、
サンフランシスコ市。

慌ただしかった。

しかし、りっしん偏に亡くすと書いて、「忙」。
それで、私は心を亡くしたか。

外山滋比古さんが、
日経新聞夕刊で、
「独創老人をめざす」と語る。

92歳の英文学者・エッセイスト、
お茶の水女子大学名誉教授。

膨大な著作を生み出し、
いまも現役で旺盛な執筆活動を続ける。
私も外山さんのファンの一人。

「脱グライダー商人」
「セレンディピティ」などなど、
ずいぶん外山さんの考え方に影響を受けた。

「若い頃から体が弱く、
とても長生きはできないと思っていた」

しかし92歳までお元気。

「30代でしたか、頭が働かない、
考えがまとまらないときに、
外を歩くと、すらすら
原稿が書けることもあるのに気がついた。
それで、早朝、地下鉄で通って
皇居一周の散歩を続けた」

「そのうち体の調子も良くなった。
80歳ぐらいまで続けましたか。
最近は、やや体力が衰えたので
1日5000歩ぐらいに減らしています」

「体の動く部分は全部動かそうと考えた。
足に加えて手を動かし口も動かす。
80代で必要に迫られて始めた炊事も
手と頭の運動になりました。
そういう“五体の散歩”を続けると、
体にも心にも健康面で
非常にプラスになることが分かった」

五体の散歩の極意。
「基本的に忙しくしなきゃだめです。
暇なのがいちばんいけない」

私の11月もそうだった。
いや、私の人生、ずっとそうだった。

「とにかく、することをたくさんこしらえる」

同感。

「一日には、とても収まりきらないので、
優先順位を決める。
いわば編集作業です。
その日の目玉、大事なことを3つ書きだして、
まず難しい課題から取り組む。
それができると、楽になるので次に進む。
できなかったことは先送りしますが、
充実した一日になると思います」

反対の考え方もあろう。
それもいい。

しかし、私は外山派。

「忙しくしていれば、
新しい関心事が次々に出てくる。
ストレスもたまらない」

「若い人にはあまりいいことではないが、
年を取ったら、忙しいのは、
すばらしいことなんです。
努力しなくても、我を忘れて、
年も忘れますからね。
そうなれば、年は取れども、
年は取らない」

「人間は日々新しいことを考え、
新しいことに挑戦すれば、
日々新しくなっていく。
そういう生き方ができると思っています」

私も、できる限り、
忙しくしよう。

92歳まで、100歳まで。

11月中、そんなことを考えていた。

一方、日経新聞最終面『私の履歴書』
今月は洋画家の絹谷幸二さん。
その第23回の先週火曜日。
タイトルは「子供への授業」

絹谷さんも若いころから、
一心に画家を目指して、
忙しく創作に打ち込む。

そして画家として一定の評価を得たある日、
ニューヨークの下町の小学校を訪問。
約30人の高学年の子供を相手に授業。

「絵画は人間の根源的な表現だと思う。
ところが『うまい絵』あるいは『正解』
描こうとするから挫折して、
絵が嫌いになる」

子供たちにそれを教えつつ、
そのことに確信を持つ。

「正解」は一つではない。
仕事でも商売でも、
事業でも経営でも。、
商品づくりでも店づくりでも、
フォーマット開発でも販促でも。

その後、絹谷さんは2005年には、
日本で「子供 夢・アート・アカデミー」創設。

このアカデミーの授業で、子供に伝える。
「絵の具はそのまま使ってはダメだよ」

「チューブから出したままの『赤』では、
全員が同じ色になる。
『緑やほかの色をほんの少し、混ぜてごらん。
料理の時に甘いお汁粉に塩、
辛いカレーに蜂蜜を入れるように、
かくし味を入れてみよう」

すると100人100色の「赤」ができる。

自分だけにしか作れない絵であることが、
重要なのだ。

正解は一つ。
それはレース型競争の時代。

いま、正解は一つではない。
自分だけしか作れない作品であること。
これがコンテスト型競争の時代。

「ヨーロッパに行くと、ネクタイでも車でも
シックで落ちついた色彩に驚かされるが、
それは補色に近い色をほんの少し、
スパイスとして混ぜているから」

やはり専門家の目は鋭い。

「反対の色や意見を取り入れながら
個性をはぐくみ、調和を尊重する。
それは人間の文明の力であり、
知恵である」

仕事や商売が、
事業や経営が。
そして商品づくりや店づくり、
フォーマット開発や販促が、
反対意見を取り込みつつ、
個性をはぐくみ、調和を生み出す。

それが組織文化となるし、
知識商人の知恵となる。

2015年11月も、
残すところ3日である。

〈結城義晴〉

2015年11月27日(金曜日)

日経調査・総合企業ランキング2015のセブンとファストリ

今日は朝から、
休みなく東京・御成門。

東京タワーが美しい。
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秋の日や影を濃くせし人も木も
〈朝日俳壇より 西宮市・竹田賢治〉

右手には愛宕ヒルズ。
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しかし、もうすっかり冬です。

芝大門センタービル。
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その4階にTRUE DATAのロゴ。
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Customer Communications, Ltd.
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略してCCL。

ID-POSのビッグデータを活用した、
日本最高のマーケティング機能をもつ。

小売業向けとメーカー向けの分析ツールを、
それぞれ三つずつ開発している。

小売業向けは、
Shopping Scan
商品ごと、店舗ごとの購買行動がわかる。
Map Scan
購買行動が地図上で見える。
Customer Scan
購買者の全ての行動がわかる。

メーカー向け分析ツールは、
Eagle Eye
より深く顧客を知りたいユーザーに。
Dolphin Eye
「いま、何が売れているのか」を簡単に把握。
Ure Compass、通称ウレコン
より安く、気軽に使いたいユーザーに。

ウレコンは現在も、
無料公開情報だ。

世界に羽ばたこう。
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外は秋の光にあふれている。
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その快適なオフィス。
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みんな、淡々と仕事にまい進。
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今日は恒例の取締役会。

私はもう8年も非常勤取締役を務め、
考えてみると一番古株。

ていねいな報告と活発な議論。

その後、これも恒例のランチミーティング。
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右からCCL特別顧問の川崎清さん、
CCL相談役で㈱プラネット会長の玉生弘昌さん、
CCL取締役でプラネット常務の松本俊男さん。

玉生さんには、
月刊『商人舎』12月号で、
原稿を執筆していただいた。

すごく、いい。

楽しみにしておいてください。

さて日経新聞の調査NICES。
総合企業ランキング2015年度版、
一面で報告された。

その第1位が目出度く、
セブン&アイ・ホールディングス。

「独自の製品やサービスで高シェアを確保し、
成長を続ける企業が高評価を得た」

この調査は4項目で点数がつけられる。
①時価総額の増減など「投資家」
②認知度など「消費者・社会」
③多様な人材活用など「従業員」
④成長性をみる「潜在力」

セブン&アイは2年ぶりの首位返り咲きだが、
小売業がトップというのは実にいい。

「プライベートブランド商品で消費者の支持を得て、
積極的な出店で収益を伸ばしている」
とはいってもこれはセブン-イレブンのこと。

他のグループ企業にも頑張ってもらって、
この評価を続けてほしい。

日本社会に、
士農工商の序列意識は、
まだまだ、ある。

それを払しょくして、
正しい社会的評価をもらう。

これは商業の現代化の目的の一つでもある。

第2位は味の素、
第3位は村田製作所、
第4位が東レ、
そして第5位にファーストリテイリング。

トップ5に小売業が2社、
消費産業は、
食品の味の素と繊維の東レを入れて4社。

素晴らしい。

ちょっと古いけれど、
重厚長大産業時代から、
軽薄短小産業時代へ。

第6位はNTTドコモ、
第7位、KDDI。
そして第8位が花王、
第9位TOTO、
第10位に三菱商事。

CCLもいつのことか、
このあたりに入る会社に、
変貌を遂げてもらいたいものだ。

小売業ではこの後に、
第34位ローソン、
第35位イオン。

第80位に良品計画、
第94位にニトリホールディングス。

スーパーマーケットもドラッグストアも、
100位に入ってきてほしいものだ。

一方、このNICES調査の4項目の中で、
従業員ランキングと消費者・社会ランキングは重要。

前者の「従業員ランキング」は、
米国Fortuneの「働きがいのある企業100」と似ている。

有給休暇の消化率や育児介護の取得状況、
人材活用などをもとに、従業員にとって、
働きやすい企業かどうかを評価。

1位  NTTドコモ
2 位 ソニー
3 位 日産自動車
4位  NTT
5 位 三菱商事
6 位 住友化学
7 位 武田薬品工業
8 位 日立製作所
9 位 セブン&アイ・ホールディングス
9 位 リコー
9 位 SCSK

セブン&アイが第9位にランクされているが、
こちらになると製造業の評価が高い。

これは商業現代化の最大課題の一つ。

小売業、サービス業は、
15位に三越伊勢丹ホールディングス、
30位にオリエンタルランド、
42位に丸井グループ、
76位にイオン、
そして97位に高島屋。

もう一つ、「消費者・社会ランキング」。

1位 セブン&アイ・ホールディングス
2位 ファーストリテイリング

小売業がワンツー・フィニッシュ。

3位 三井住友フィナンシャルグループ
4 位 国際石油開発帝石
5位  NTTドコモ
6 位 東日本旅客鉄道
7 位 トヨタ自動車
8 位 花王
8 位 ヤフー
8 位 東海旅客鉄道

やはり小売業関連は、
16位 イオン
17位 ローソン
21位 イオンモール
44位 ニトリホールディングス
66位 ファミリーマート
88位 イオンフィナンシャルサービス

ただし、この評価は、4項目のうち、
「投資家」「消費者・社会」「従業員」の3側面については、
日本経済新聞社の編集委員ら58人が、
各指標の重要度について評価し、
その結果をもとに、ウエートを決定。
「潜在力」については3指標を均等に評価。

つまり日経的視点が極めて強いということ。

その意味では、
Fortuneの客観性には、
まったくかなわないけれど、
小売業・サービス業の地位が、
正当に評価されつつ上がっていくことは、
喜ばしい。

もちろん、最大の評価は、
日本国民という物言わぬ顧客たちが、
下してくれるのだけれど。

コスモスの白は無口に生まれけり
〈朝日俳壇 熊本市・坂崎善門〉

〈結城義晴〉

2015年11月26日(木曜日)

日本アクセス田中茂治社長interviewとライフ品川御殿山店

北日本と日本海側に降雪。

「常盤勝美の2週間天気予報」。
weekly商人舎火曜日の超人気シリーズ。

今週の概況は、
「週前半と週半ば、
日本付近を低気圧が通過する。
週半ばの低気圧は発達しながら
北海道の東に抜け、
27日(金)頃は強い冬型の気圧配置となる。
そして上空には強い寒気が流れ込む」

その今週のウェザーMD。
ポイントは三つ。

第1は、「ようやく鍋物の積極的な展開を」
「バリエーションの豊富さをアピールすると、
お客様にとって目移りするほどの
ウキウキな売場になる」

第2は、北海道だけでなく、
「東北~新潟・長野付近まで
本格的な雪対策売場の展開を」

第3は、「今週は陽気の変化が非常に激しく、
体調を崩しやすい状況となるため、
風邪薬やうがい薬、胃腸薬、マスク、
生姜湯、葛根湯、ドリンク剤などの売場も強化」

そして来週の概況、
「週前半は冬型の気圧配置だが、
北日本以外はまだこの時期長続きしない。
東日本から西日本では
緩やかに高気圧に覆われる。
上空の寒気は週前半には
日本の東海上に抜ける見込み」

毎週火曜日。
この2週間天気予報を、
必ずちょっと覗いてください。

そうすると2週間の視点を持ちつつ、
仕事に臨むことができる。

それが、
2週間マネジメントサイクルの、

グライダー効果となる。

このグライダー効果は、
月曜朝一「2週間販促企画」も同じ。

月曜・火曜のweekly商人舎は、
この2週間マネジメントの、
サイクルをつくることを意図した企画だ。

さて、日経新聞夕刊。
ウォール街ラウンドアップ。

タイトルは「年末商戦と2つのターキー」

見出しは洒落ている。

アメリカ連邦公開市場委員会が、
利上げを始めるが、
その利上げペースを決めるのは、
米国内総生産の7割を占める消費の強弱。

そして今、サンクスギビングからクリスマスへの、
ホリデーシーズンに突入。
この1カ月間に年間消費の2割が集中。

「米国人は感謝祭の26日、
七面鳥の丸焼きで腹ごしらえしたうえで、
同日夜から大手小売店で
一斉に始まる目玉セールに列を作る」

感謝祭当日、たいていの小売業は閉店した。
しかし2010年にウォルマートが禁を破って、
営業を始めると、シアーズがそれに追随。

しかしアメリカ小売業最大の書き入れ時は、
サンクスギビングデーの木曜日の翌日の、
ブラックフライデー。
つまり、今日。

全米小売業協会の年末商戦予測。
今年のホリデーシーズンは、
前年比3.7%プラスの強気。

一方、トルコ(Turkey)によるロシア軍用機撃墜。
中東情勢の混迷ぶりを象徴。

「オバマ大統領は25日夕、
ホワイトハウスの庭に姿を現し、
料理されるはずの七面鳥に
恒例の『恩赦』を与えた」

そしてオバマのコメント。
「普段通りに感謝祭の週末や
旅行を楽しんでほしい」

ニューヨーク特派員の佐藤大和さんの結び。
「2つの『ターキー』が交錯し、
注目の米国の年末商戦が始まる」

ちょっと無責任な感じの終わり方だが、
洒落てはいる。

さて神戸の流通科学大学から帰って、
今日は東京・品川区大崎へ。

アートヴィレッジ大崎セントラルタワー。DSCN7567-5

クリスマスデコレーション。
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㈱日本アクセス本社を訪問。DSCN75625

最初に20分ほどのビデオを見せてもらう。DSCN7460-5
知った顔が次々登場して、
思わず笑顔。

代表取締役社長の田中茂治さん、
インタビュー。
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思う存分、ズバリズバリと、
語っていただいて、
私も気分爽快。DSCN7465-5
「あってもなくてもよい卸ではいけない。
なくてはならない卸にならなくては」

まさに私の持論のポジショニング戦略。
その卸売業版。
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1962年に林周二さんが指摘した。
「ある種の商品に関しては、
問屋を排除するどころか、
逆に効率のよい共同チャネラー的性格を持つ、
共同集荷=倉庫=配給業者としての、
また強力な技術情報と宣伝センターとしての、
超卸業者を作ることが必要であるかもしれない」

田中さんの「創発」コンセプトは、
2015年の今、まさにこれだ。

いい写真でしょう。DSCN7558-5
詳細は余すところなく、
月刊『商人舎』12月号に掲載。

日本アクセスを辞して、
ライフ品川御殿山店へ。DSCN7568-6

三井不動産が再開発した「パークシティ大崎」。
その商業施設が「大崎ブライトプラザ」

ライフコーポレーションは9月11日、
この「300坪以下のプロトタイプ」をオープン。

売場は251坪、初年度年商14億5000万円の計画。

商圏1km内に約3万3000世帯・6万人、
8割近くが2人以下の少人数世帯。
30~40代の住民の構成比が4割。

近隣に自社内競合店2店。
大崎駅前の大崎ニューシティ店、
JR五反田駅通り沿いの東五反田店。

そこで、大崎ニューシティ店はベーシック型、
この品川御殿山店はアッパー型。

機能のすみ分けによって、
商圏内のシェアアップを図る。

これも私の持論のマルチフォーマット戦略。

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300坪以下の売場で500坪型並みの、
6515アイテムの品ぞろえ。

ライフは生鮮の栗橋PCと惣菜の船橋PCを持つ。
同店は小型店の少人件費を実現するために、
プロセスセンターをうまく活用して、
インストア作業軽減策を模索する。

しかし生鮮・惣菜部門は、
最新のマーチャンダイジング展開。

だからチラシも別々、
販促企画も異なる。

ん~、はじめのうちは、
それでもいいかもしれないが、
徐々に変わっていくだろう。

品川御殿山店は、
「店を訪れたらサプライズ‼」の、
インストアマーケティングの方向に行くだろう。

そうしなければ、
マルチフォーマットのシナジー効果は出ない。

それからもう小型店の弱点が出ていた。

夕方の書き入れ時に品切れ続出。
急に寒気団が訪れるという陽気変動。

まさに2週間天気予報を、
見ておいてほしいところだが、
それでもこの意欲には敬意を表しておきたい。

正式に取材をして、
分析する価値のある店だ。

店頭の巨大盆栽のような植樹。
ライトが当たって美しかった。DSCN7576-5

田中茂治さんに会えたし、
ライフ300坪型プロトタイプを見られたし、
満足、満足。

アメリカでは今日から、
サンクスギビングデーが始まっている。
二つのターキーに思いをはせながら、
いざ、年末商戦へ。

しかしお天気頼みの年末年始。
2週間マネジメントのグライダー効果。
大いに活かしてもらいたい。

〈結城義晴〉

2015年11月25日(水曜日)

流通科学大学・石井淳蔵学長対談と軽減税率導入折衷案

アメリカから帰国して、
時差ボケの時差ブログ。

お許しください。

さて商人舎magazineのDaily商人舎。
総合スーパー・食品スーパーの10月実績。
前者は日本チェーンストア協会発表、
後者は三協会合同調査。
日本スーパーマーケット協会、
新日本スーパーマーケット協会、
そしてオール日本スーパーマーケット協会。

いずれも7カ月連続既存店が伸びた。
まあまあ、か。

今日は、休む間もなく、朝から、
東海道新幹線で新神戸へ。

そして地下鉄に乗り換えて、
学園都市駅へ。
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流通科学大学。DSCN7377-5

快適なキャンパス。
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故中内功さんが私財を投じて創設した大学。DSCN7382-5

今日は石井淳蔵学長と対談。DSCN7385-5

2時間近くの熱談。

ありがとうございました。DSCN0007-5
詳細は月刊『商人舎』12月号。

廊下には中内さん直筆の額。DSCN0009-5
ネアカ のびのび へこたれず
晩年の心情がよく表れている。

おねがい ごめん ありがとう
私はこれも好きだ。

対談のあと、RYUKA DININGへ。DSCN7380-5
いわゆる学食。

その2階に博物館がある。DSCN00115

キャッシュレジスター博物館。DSCN0012-5
有名な中内さんのコレクション。

歴史的なレジスターがずらりと並ぶ。
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古い古い木製レジスター。DSCN0014-5

これも初期のレジ。
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懐かしい人もいるでしょう。DSCN0019-5

これこそ初めのPOSレジ。DSCN0021-5

試し打ちコーナーがある。DSCN0026-5
いい音だった。

そして有名な言葉。DSCN0033-5
私にとって
キャッシュレジスターの響きは、
この世で最高の音楽である。
〈中内功〉

私は久しぶりに中内功に、
再会した気持ちになった。

流通科学大学から神戸三宮に。

ダイエー三宮店は、
中内さんがつくった2号店。

その伝統の店舗が改装した。DSCN0034-5
「イオン・フード・スタイル」

地下2階が生鮮食品とグロサリー。DSCN0035-5

地下1階が地下鉄とつながっていて、
惣菜や日配、冷凍食品。DSCN0037-5
地上1階がリカーで、
よくできた店舗だ。

イオンのコンセプトをダイエーがこなした。

いまのダイエーにこそ、
中内イズムが必須だ。
ネアカ のびのび へこたれず

ダイエー三宮店の隣には、
光洋三宮店がある。DSCN0039-5

ダイエー1兆円達成の1980年2月16日、
私は神戸三宮で、中内さんを取材していた。
そのダイエーのかつての本拠地は今や、
イオン村と化している。

さて、自民党が、
軽減税率を「段階的に拡大」
この方針が発表されている。

2017年4月に消費税率が10%に上がる。
これはほぼ確定している。しかしその増税時に、
「軽減税率」が導入される。これに対しては先の各協会は、
強く反対している。
経済団体もこぞって反対。

私も同意見だし、
この反対の根拠は、
実にしっかりしている。

しかし、自民党は強硬姿勢を崩さない。

その適用対象について、
当初は生鮮食品を基本とし、
2020年をめどに段階拡大する方針。

一応、2%の引き上げ増収分の約4000億円は、
すべて社会保障に使われるとされる。

生鮮食品までを対象とすると、
税収目減り分は約3400億円で済む。

一方、公明党は加工食品も、
軽減税率の対象にすべきだと主張。

自民党は、「刺身盛合せ」など、
「組合せ商品」を生鮮食品と見なすと、
工夫操作して公明党の理解を得ようとする。

これら「組合せ商品」は「食品表示法」では、
加工食品に分類されているからだ。

しかしこんな基準引きや基準変更をすると、
新しい商品のアイデアの方向性は、
軽減税率基準や行政を向いてしまう。

顧客を向きはしない。
つまり、マーケティングに反する。

私の反対根拠は、あくまでもここにある。

軽減税率導入時に、
一定期間、簡易インボイス方式を採用したり、
低所得者への給付措置をとる案も浮上。

これらはすべて、
政党や行政、業界を向いた折衷案。

顧客や市場を向いてはいない。
「For the Customer」ではない。

中内さんが現役バリバリで生きていたら、
いま、どんなことを主張し、
どんな行動をとってくれるだろう。

そう考えて私たちは、
中内さんの遺志を継がねばならない。

〈結城義晴〉

2015年11月24日(火曜日)

高橋栄松さんの訃報と23日間米国研修記「自分に期待する」

帰国したら、訃報の葉書。

高橋栄松さん、
スーパーマーケット経営研究所代表。
今年5月28日に永眠した緒方知行さんの次の、
㈱商業界『販売革新』誌第3代編集長。

7月5日に、胆管細胞がんで逝去、
73歳。

晩年は隠遁に近い、
飄々とした生き方だった。

健康には人一倍気を使っていたのに、
その反対の生き方をした緒方さんを、
追いかけるように逝ってしまった。

76歳で亡くなった緒方さんよりも、
3年短い生涯だった。

実に偏屈な新潟県人で、
どんな時にも我が道を行く人。

緒方知行編集長時代、
副編集長としてコンフリクト(対立軸)の役割を、
立派に果たしていた。

緒方さんが大上段振り被り型の、
やや扇動的ジャーナリストとするならば、
高橋さんは理論突き詰め型の、
実務実践的ジャーナリストだった。

緒方さんは広くて、高い。
高橋さんは狭いけれど、深い。

私はお二人から影響を受けた。

私にとって高橋さんは、
緒方さんのあとの二番目の上司だが、
具体的な仕事はほとんど、
この高橋さんに教えてもらった。

高橋さんは、
第一線のジャーナリストでありながら、
いつも奥様の手弁当の昼食。
夕方になると、さっさと帰宅した。

酒は一切、飲まず、
しかしタバコはフィルターを使って、
チェーン・スモーク。

記事は期日通りに完璧に仕上げる。
自分の乱暴な文字の原稿を必ず、
奥様にきれいに清書してもらって、
それを入稿した。

だから印刷所からは、
一番、有り難がられた。

著書は『大競争時代のSMの成長戦略』
オール日本スーパーマーケット協会から、
1995年に発刊された。

故北野祐次関西スーパー名誉会長から、
高橋さんはことのほか信頼されていて、
私がそれを引き継ぐことになった。

こうして先輩たちが一人ひとり、
逝ってしまうのを見送るのが、
私の役目となってきた。

まったくもって寂しい限りだが、
それでもしっかりとそれぞれの遺志を、
受け止めていきたいと思う。

心からご冥福を祈りたい。

さて糸井重里の『ほぼ日』
巻頭言は「今日のダーリン」

今日は「自分に期待する」がテーマ。

「『じぶんに期待する』ということを、
このごろ、ぼくは言うようになりました」

「いま、どれほど落ち込んでいても、
周囲からまったく認められていないとしても、
なにか大きなハンデのなかにいるとしても、
『じぶんに期待する』ことができていれば、
とてもよく生きていると言えるんじゃないか」

同感だ。

「希望」のエネルギーは、
「自分に期待すること」から、
生まれるのだから。

逆に、「じぶんに期待できない」ことは、
「いまがどんなに元気で活躍できていても、
相当につらいことだと思います」

とりわけてチームで仕事をする場合。
「『じぶんに期待する』人が、
ひとりでもいないと、
なにをするのも無理になる」

糸井のリーダーシップ論。
「リーダーが『なんとかなるんじゃないか』と
思っていることは、とても重要なことです」

その際、根拠は、
「あったほうがいいのですが、なくてもいい」

「いい年をしてと思われたら
お恥ずかしいのですが、
ぼくは、『じぶんに期待する』分量が、
どんどん多くなっていることに気づきました」

「なんでだろう、
たのしみでしょうがないんです」

これ、自慢話かもしれないが、
いいねぇ。

わたしにもちょっと、
それはある。

緒方さんも高橋さんも逝ってしまった。
渥美俊一先生も上野光平先生も、
もういない。

しかし商業もチェーンストアも、
「なんとかなる」

それに対して「自分に期待する」
ちょっぴりだけど。

最後に糸井はコメント。
「まじないのようにでもいい、
『なんとかなる』と言うこと」

「なんとかなる」と口に出して、
言い続けること。
それが希望を生み出す。

朝に希望、昼に努力、夕に感謝。

さて、昨日帰国したが、
その前の一昨日のこと。

最後の晩餐はフィッシャーマンズワーフ。
ピア39は大変な賑わい。IMG_7126

クリスマスツリーが立てられた。
IMG_7130

いつものレストラン「ネプチューン」IMG_692404

ここで、ダンジネスクラブ。IMG_692804
イチョウガニ科イチョウガニ属、
アメリカイチョウガニ。

ネプチューンのダンジネスクラブ、
絶品です。

ぜひ、一度、召し上がってください。

食事が終わると、
まず、誕生祝い。

藤居智也さんに、木村武団長から記念品。IMG_693206
藤居さんは㈱丸善鮮魚課バイヤー、
木村さんは㈱平和堂SM事業部長。

そして奥川浩さんには、
藤田慎平副団長から。
IMG_69335
奥川さんはフレンドマート八幡上田店店次長、
藤田さんはビバシティ平和堂支配人。

私からはメッセージカードのプレゼント。

藤居さんには、
「鳥の目・虫の目・魚の目・心の目」IMG_6936-5

奥川さんには、
「朝に希望・昼に努力・夕に感謝」IMG_6937

それから全6班代表による、
決意表明。

暗い上にスマホの写真。
ボケボケで使えるフォト、僅少。

とてもいい決意表明ばかり。IMG_6984

コメントのあとで、掛け声の班も。IMG_7011

最後に手拍子の班も。
IMG_7033-5

そして締めは木村団長のスピーチ。IMG_7043-5

私からの贈る言葉。
IMG_7067-5
「かならずやれる。
なんとかなる」

最後の最後は、林直行さん。
アルプラザ草津支配人。IMG_7104-5

その後、フィッシャーマンズワーフへ繰り出し、
ご覧の調子。
IMG_7131-5
研修の成果に自信を持ち、
「自分に期待する」ことができた証拠だ。

この後、「貸し切り」状態で、
ケーブルカーを占拠し、
ユニオンスクェアまで。

そして、
長いながい最後の夜は、
更けていった。

明けて、現地時間11月22日、
早朝5時にホテルを出発、
バスの中で最後の講義。

「イノベーション」を促した。

サンフランシスコ国際空港から飛び立つと、
ベイエリアが美しい。
DSCN7297-5

カリフォルニアの山々。
DSCN7302-5

霧がかかって、水墨画のよう。
DSCN7303-5

1時間あまりで、大ロサンゼルス。DSCN7312-5

ダウンタウンには高層ビル。
DSCN7308-5

ラウンジでブログを書く。DSCN7313-5

出発ゲートにはクリスマスツリー。DSCN7315-5

ありがたいことに、
ファーストクラスにアップグレードされた。
トランク・トラブルの所為か、
プタチナカードホルダーだからか。
DSCN7316-5
これで、ゆっくり休める。

そしてサンタモニカ湾。
DSCN7318-5

北に上って、
サンフランシスコ・ベイエリアを過ぎ、
北アメリカ大陸に別れを告げる。DSCN7326-5

太平洋上は雲雲雲。
DSCN7327-5

11時間半で、成田空港。DSCN7331-5
雨だった。

そして最後の檄。
DSCN7335-5
「イノベーションを起こせ‼」

「自分に期待する」顔顔顔。DSCN7337-5
これで11月の23日間のアメリカ研修記。
全巻の終わり。

「2015怒涛のアメリカ研修記」全80話、
こちらも終了。

ご愛読、心から感謝。

緒方さんも高橋さんも逝ってしまった。
渥美俊一先生も上野光平先生も、
もういない。

しかし私は「自分に期待する」
決意、新たに。

〈結城義晴〉

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