今年最後の月刊『商人舎』の編集。
朝の4時過ぎまでかかった。
すべて私自身の原稿が遅れたため。
もう、仕事としての原稿書きは、
40年ほどやっている。
その前も、中学の終わりくらいから、
同人誌に加わって、結構、
真剣に文章や詩を書いていたから、
やがて50年になる。
けれど、ものを書くことほど、
厳しくて、細かくて、辛くて、
生産性の上がらない仕事はない。
まあ、それを職業にしてしまったのは、
私自身なのだから、仕方がない。
それでも、最高の記事を書いて、
2016年1月号は完成。
今年の書き納め。
もちろんブログは毎日、書くけれど。
明け方からちょっと仮眠して、
新横浜へ。
東海道新幹線ひかり。
年末も時間があれば、
駆け巡る。
駆け巡って、考える。
だから、書ける。
駆ける、
考える。
書ける。
乗り込んですぐに、
列車が小田原の手前に来ると、
丹沢の向こうに富士の姿。
頂付近には雪が見えて、
白い富士も美しい。
しかし静岡側からは、
残念ながらその頂上あたりに、
雲がかかっていた。
名古屋に着いて、
中央本線に乗り換え、
春日井から高蔵寺へ。
そこから南東2.1キロのところに、
平和堂春日井庄名店。
今年11月26日(木)にオープン。
愛知県内では15店舗目、
春日井市内では2店目。
5月に平和堂春日井宮町店が開店している。
店舗の北東には高蔵寺ニュータウン、
周辺には新興住宅や大規模団地が開発され、
名古屋の衛星都市の、典型的なベッドタウン。
商圏人口は、1キロ圏で1万人、3888世帯、
2キロ圏では4万1421人で1万7121世帯となる。
小商圏高シェアなど、
あまり細かく考えずに、
魅力ある品揃えと、
精一杯のフレンドリーサービスに徹する。
そんな店だ。
敷地面積7,595㎡、店舗面積1,982㎡。
鉄骨造りのワンフロア。
平和堂はこの600坪スタイルを、
ほぼ完全にものにしてきた。
道路を隔てて斜め前に、
バロー高蔵寺店がある。
こちらはアメリカで言うコンベンショナル型。
その隣はバロー系の中部薬品。
店名は「Vドラッグ」
平和堂の強みは、生鮮食品と惣菜。
まず青果部門はクォリティ&サービス型。
年末だから、
もっともっとボリューム感を出してよい。
鮮魚から精肉への奥主通路は、
ご覧のような客数。
鮮魚部門がずいぶん良くなった。
そして精肉部門のローストビーフ。
格段に商品力がついてきた。
しかし、まだまだ。
ライバルはクローガーだし、
目標はホールフーズやトレーダー・ジョーだ。
それも平和堂ならではの「とんがり★こだわり」で、
米国トップのスーパーマーケットと競争してほしい。
店長の茨木慎吾さんと、
店次長の高橋宏尚さん(右)。
お二人ともアメリカで研修した私の教え子。
そして福田正博さん。
東海営業部グループマネジャー。
第1回平和堂アメリカ研修会のメンバーで、
商人舎ミドルマネジメント研修会でも、
第1回に栄えあるS級の成績を収めた。
その福田さんが今年末年始は、
この新店に特に力を入れている。
さて日経オンラインの経営者ブログ。
鈴木幸一さんは、
インターネットイニシアティブ会長。
日本のインターネットサービスの草分け。
もう、この経営者ブログを301回書いている。
今日付けのタイトルは、
「『変える』ことの難しさ」
うなづける。
「堅固で大きな組織というのは、
もともと、既存の事業を
維持、運営するためには、
極めて重要なのだが、
維持、管理という機能が濃くなるほど、
ツリー構造で与えられた組織図で言えば、
その箱の中にとどまる発想しかできなくなる」
ドラッカー先生が指摘する、
組織の陳腐化だ。
「会社という全体の中で
機能をするはずの組織図が消えて、
組織図に置かれた小さな箱の範囲内でしか
発想をせず、その行動も同じである」
「着眼大局、着手小局」
2011年10月の商人舎標語。
伊藤忠商事中興の祖・瀬島龍三さんの、
三つの心得の第一の言葉。
「そこには、仕事をする社員がもつ
ダイナミズムは消え、
ひたすら部分的な枠組みの中だけで
物を考える組織の集団が
存在することになる」
「事業の拡大に伴って生まれた組織は、
その事業の範囲内で組織の論理が働く」
だから着眼大局、着手小局。
目をつけ、判断するのは、
大きな視点と高い視野から。
実行、実践するのは、
こまかく、きびしく、しつこく、なかよく。
年末商戦を、この精神で、
駆け抜けたい。
〈結城義晴〉