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今月だけのデザイン、よろしく。
三が日だけ、
年賀状を掲載。
1月2日の空。
カラリと澄み切って、
日本晴れ。
ささやかなしめ縄。
玄関のところにも、
ささやかな正月飾り。
昨日の元旦の夕方、
横浜の実家へ。
一昨年の11月に父が亡くなったので、
今年3月に90歳になる母と食事。
みなとみらいが美しい。
さて、元旦の新聞各紙社説。
朝日新聞は抽象的。
「2015-2016 深くねむるために」
これがタイトル。
深くねむるために 世界は あり
ねむりの深さが 世界の意味だ
鶴見俊輔さんの詩「かたつむり」の引用。
昨年7月に没した哲学者。
鶴見俊輔は1922年(大正11年)生まれで、
1965年にべ平連を結成、
「ベトナムに平和を! 市民連合」。
2004年には「九条の会」の呼びかけ人。
毎日新聞社説は、
「2016年を考える 民主主義」
こちらはエドワード・フォースター。
イギリスの批評家・小説家。
1879年1月1日生まれ、1970年6月7日没。
イギリスのヒューマニスト。
「民主主義には『万歳二唱』しよう。
一つは、それが多様性というものを認めているから。
二つ目には、それが批判を許しているからだ。
この二つさえあればいい」
ちなみにフォースターは、
1913年執筆の小説『モーリス』で、
20世紀初頭の同性愛の男性たちを、
主人公にしている。
今年6月から改正公職選挙法が施行され、
選挙権年齢が18歳以上となる。
読売新聞社説は、
「世界の安定へ重い日本の責務」
小見出しは、
①成長戦略を一層強力に進めたい
②「対テロ」連携が急務だ
③安保法制の有効運用を
④政権安定度占う参院選
7月に参議院選挙が即日投開票され、
長期安定政権の是非が問われる。
アメリカでは11月8日に、
大統領選挙。
最後に日経新聞社説は、
「日本経済 生き残りの条件」
結論は、新たな時代を迎えるが、
「範はスイス・オランダ」で、
「追いつき追い越せ」を目指せ。
根拠はこの一文。
「明治、戦後と日本は
2度にわたって外にモデルを求め、
内を改め、世界に伍してきた」
日経の2016年元旦の社説としては、
説得力に欠ける。
朝日新聞の文化文芸欄。
評論家の山崎正和さんが登場して、
夏目漱石を語る。
漱石は今年12月9日に没後100年。
来年2月9日は生誕150年。
山崎正和は1934年3月26日生まれの81歳。
劇作家、評論家、演劇研究者。
タイトルは、
「先取りしたポストモダン」
「漱石は存在自体に疑問を持つ人間を描いた。
つまり、プレモダン(前近代)の人間として、
モダン(近代)を受け入れたが、
モダンをうまく同化できず、
かえってその先のポストモダンをのぞいた」
「近代的自我の時代が終末を迎え、
モダンとポストモダンがいりまじる現代こそ、
本当に読まれるのではないでしょうか」
同感。
経済界も小売りサービス業界も今、
モダンとポストモダンが入り混じる。
つまり前近代を近代化し、
そして現代化する。
現代化は近代化を包含するものである。
この視点こそ不可欠だ。
さらにフォースターが言葉を残したように、
「多様性と批判性」の存在も、
経済界や小売サービス業界に、
必須の与件だろう。
〈結城義晴〉