Everybody! Good Monday!
[2016vol1]
商人舎と結城義晴は、
Weekly Managementを薦めている。
1年間を52週、
四半期を13週。
その基本は1週間。
こう考えて、仕事を進める。
世界のカレンダーは主に、
日曜日から始まる。
けれど商売の仕事は、
月曜日から始まって、
日曜日に終わる。
だから1週間は、
月曜日からスタートすることにして、
さらに1年は、
1月1日の週を第1週として、
毎週毎週に番号を付ける。
すると2016年の今年の場合、
先週の金曜日元旦、
土曜日1月2日、
日曜日1月3日。
三が日が第1週。
今日1月4日から、
第2週が始まる。
息白し天を仰ぎてなげくとき
〈朝日俳壇 東京都・池田合志〉
ああ、今日の気持ち。
それでも暖かい日だ。
日射しが春をイメージさせてくれる。
切り株にも春の予感。
しかしまだまだ寒さはこれから。
今週水曜日6日が二十四節気の「小寒」
このころから一番寒くなる。
そしてこの日から寒中見舞いとなる。
今年の年末年始は、
家族の一員にいろいろなことが起こって、
個人の年賀状を出せなかった。
今日も賀状が届けられた。
お礼申し上げたい。
今年は寒中見舞いを出そうと思う。
達筆の妻がみな書く年賀状
〈同 東京都・鈴木ことぶき〉
着ぶくれて老けゆく歳を繕はず
〈同 福津市・下村靖彦〉
私も「つくろはず」でありたい。
さて商人舎magazineのWeekly商人舎。
日替り連載の「月曜朝一」は、
2週間販促企画。
商人舎magazineのページを開くと、
左下にWeekly商人舎のブロックがあって、
その下の段の「日替り連載」では、
その日のコーナーが点滅している。
今日は「月曜朝一」
このページは月刊『商人舎』の購読者と、
その五人組のID保有者しか見られないけれど。
例えば「2週間の記念日」は、
毎週必ず掲載されている。
その今週分だけ抜き出してみると、
1月4日 (月)石の日
1月5日 (火)いちごの日、ホームセキュリティの日
1月6日 (水)が小寒で、
手巻きロールケーキの日
1月7日 (木)七草 人日の節句、消救車の日
1月8日 (金)イヤホンの日
1月9日 (土)クレープの日、とんちの日
こんな具合だが、
1月10日 (日)は多い。
糖化の日
パンケーキの日
アメリカンフライドポテトの日
コッペパンの日
糸引き納豆の日
110番の日
もちろん、今週、次週の重要ポイントが、
2週間分でチェックできる。
Weekly Managementは、
このように点検していく。
さて日経新聞一面トップ記事。
「イオン『脱・総合』へ転換」
ただしこれは「総合スーパー」が、
「脱・総合」ということらしい。
日経の『きょうのことば』には、
その「総合スーパー」の解説がある。
いわく「食品のほか衣料や住居関連など、
幅広い商品群を総合的に品ぞろえする、
大型のスーパーマーケットのこと」
これは困る。
「大型のスーパーマーケット」が違う。
ヨーロッパでもアメリカでも、
そしてアジアでも、
「ハイパーマーケット」と分類する。
スーパーマーケットが、
食品のセルフサービス総合店。
ハイパーマーケットは、
衣食住薬のセルフサービス総合店。
その「総合スーパー」を、
イオンが抜本的に再構築する。
「中核子会社のイオンリテールが運営する
全350店を今後5年で全て改装する」
イオンは純粋持株会社のことで、
そのグループの総合スーパーは、
イオンリテールの他にもダイエーや、
イオン北海道、イオン九州、イオン沖縄がある。
すべて合わせると約540店舗。
それらの2015年3~8月期、
連結営業損益は87億円の赤字。
再構築の方針は、
「食品、衣料、家電などを
総合的に扱うことにこだわらず、
地域の客層や競合店の状況を踏まえながら、
店舗ごとに売場の専門性を高めて
集客力を取り戻す」
「イオンは1店につき数億円を投じる大型改装を増やし、
多くを新業態の『イオンスタイルストア』にする」
イオン幹部は、この「新業態」を、
「フォーマット」としている。
これは「業態」を分化させた「フォーマット」であって、
新しい「業態」ではない。
「従来は画一的な店づくりが目立ったが
新業態は売場の構成を店舗ごとに大きく変える」
「例えば、高級ブランドの万年筆や革製の手帳などを
集めた大人向け文具売り場など、
独立した専門店が組み合わさった構成にする」
これをイオンは「ユニット」と概念づけする。
そしてマーケットに応じ、
ユニットの組合せによって、
総合スーパーのリニューアルを図る。
このあたりはWeekly商人舎の、
「イオンスタイル板橋前野町店
イズミヤ撤退の4層店舗を全力改装」
この記事の前文に、
岡崎双一社長のインタビューを、
丁寧に載せた。
こちらを読んでほしい。
「店舗改装は15年度は50強と
14年度比で倍増の見通し。
16年度以降は年間50~80店を見込む」
「イトーヨーカ堂が20年2月期までに
全店舗の2割に当たる40店を閉鎖する方針」
「ユニーグループ・ホールディングスも
最大で50店の総合スーパーの閉店を検討」
イオンはそれをしない。
なぜか。
「自社の大型ショッピングセンターの多くに
総合スーパーを入居させており、
単純な閉店が難しい」
それもあろう。
しかしイオンは最近、
単独店や他社の居抜き物件を、
積極的にイオンスタイルにしている。
つまり、イオンは、
この「総合スーパー」の、
フォーマット化の可能性を、
追求していることになる。
私も、可能性は大いにあると思う。
一方のセブン&アイ・ホールディングス。
今日、鈴木敏文さんの年頭所感を発表。
代表取締役会長兼最高経営責任者。
「今年の経済環境は、
予測がたいへん困難です」
これだけの情報を持つ鈴木さんにして、
「予測困難」というのは、
大変な年だということだ。
「2017年には消費増税が予定されており、
軽減税率についても
議論が重ねられてきました。
しかし、その実施に至るまでには、
まだいろいろと難しい問題が
あると考えています」
ここで、継続して成長を推し進めている事業は、
セブン-イレブン・ジャパンと、
アメリカのセブン-イレブン・インク。
この2社が成長を続けている背景にあるもの。
「それは、天候や景気動向など
外部環境がどのように変化しても、
その中でつねにお客様の立場で
『いまどのような商品、
サービスが求められているか』と
真剣にとらえ、ニーズに応えるために
徹底的に努力し続けているということです」
ああ、お天気産業よ。
鈴木さんは、それを許さない。
どんな事業も、どんな店も、
どんな企業も、
努力しているとは思うが、
鈴木さんのいう「徹底的な努力」は、
次元が違う。
「一方、現在の小売業では、
過去の経験に頼った仕事は
全部失敗しています」
次が大事。
「素人の目で素直にお客様のニーズをとらえ、
それに応える努力を続けることが、
いまや不可欠です」
「素人の目」
「顧客の立場に立つ」
鈴木さんはそれを言い続ける。
セブン&アイは、
「チェーンストア理論からの脱却」を掲げる。
そのことが最後に念押しされる。
「昨今では、日本だけでなくアメリカでも、
大手小売業の成長は鈍化しており、
過去の理論はもはや通用しないことが
明らかになっています」
同感。
「流通革命論」に則ったチェーンストア理論は、
「流通3.0」の段階に入った。
これは月刊『商人舎』12月号。
「今年は、皆さん一人ひとりが
過去の経験を捨て、
お客様の立場で考え、
仕事を進めていただきたい。
そして、現状を打破し、
更なる成長を目指して
いただきたいと思います」
イオンの「ユニット」、
セブンの「素人の目」。
対照的だが、どちらも、
「顧客の立場に立つこと」は、
全く、変わりない。
では、みなさん、
今週も、Good Monday!
〈結城義晴〉