日経新聞の『経済教室』
昨日から始まった「ノベーションを考える」
一橋大学准教授の清水洋さんが、
わかりやすく解説。
何度も書いて申し訳ないけれど、
今月の『私の履歴書』は、
今のところ、つまらない。
小椋佳。
この連載の主旨は本来、
「壮大なる自慢話」なのだが、
自慢話だけに、うまく書かねば、
どうしても鼻につく。
『私の履歴書』の代わりに、
経済教室を学ぼう。
「イノベーションとは簡単にいえば、
経済的な価値を生み出す新しい物事です」
「経済的な価値」と「新しい」
この2点が重要。
私もよく書いたり語ったりするが、
ジョセフ・シュンペーターは、
「既存の均衡を創造的に破壊して
新しい均衡を作る『新結合』を、
イノベーションだと捉えました」
「既存のシステムを変革し、
新しい生産性のフロンティアに移るような
急進的(ラジカル)なイノベーション」
その後、クレイトン・クリステンセンらによって、
「既存の枠組みを維持しながらも
生産性を高めるような漸進的な改善」も
重要なイノベーションだととらえられた。
そして重要なこと。
「急進的なイノベーションと
漸進的なイノベーションは
トレードオフの関係」にある。
企業がこの二律背反を、
同時に追求することを、
「両利きの経営」と呼ぶ。
ここまでが第1回。
そして第2回の今日は、
イノベーションと発明に関して。
イノベーションは、
「技術革新」と捉えられることが多い。
しかし優れた技術が開発されても、
それだけではイノベーションにつながらない。
つまり、イノベーションは、
「インベンションと混同される傾向」にある。
インベンションが「発明」。
しかしこの2つは本質的に異なる。
さらに、イノベーションは、
新しい科学的な発見とも違う。
発明や科学的な発見は、
「将来のイノベーションの重要なタネ」。
ピーター・ドラッカーは、
イノベーションを7つに整理した。
そのなかで発明・発見は、
一番少ないケースだった。
おっと、来週の清水さんの内容を、
書いてしまったか。
さて今日は大阪で阪食の取材。
まず向かったのは、
阪食研修センター。
ここで、志水孝行さんが取材に応じてくれた。
志水さんは、取締役執行役員店舗統括部長、
兼店舗企画部長。
阪食の店づくりのキーマン。
志水さんは、
阪食の店づくりについて
スライドを使って、
詳細に説明してくれた。
初めはホワイトボードに記して、
解説。
1時間ほどのレクチャーのあと、
研修センターを視察。
プレゼンテーション研修のスペースには、
さまざまな陳列棚が並ぶ。
鮮魚の商品化技術を学ぶ研修室。
今日は新入社員が研修を実施中。
レジ研修のルーム。
部署に関係なく、
レジ作業は社員全員が学ぶ。
これによって店舗では、誰もが、
レジ業務をこなすことができるようになる。
精肉の研修ルームでは、
牛肉のカッティング研修中。
指導員がつきっきりで、
商品化の基本技術を教える。
この研修所で、社員・従業員は、
基本の作業を徹底的に学ぶ。
基本作業のマニュアル書。
阪食は、新店オープンに際し、
150日前研修、75日前研修など、
徹底的な社員教育を行う。
それを担うのがこの研修センター。
その研修でも志水さんは、
責任者として活躍する。
その後、話題の阪急オアシスの2店舗を取材。
どちらも昨年末にオープン。
まず阪急オアシス箕面船場店。
志水さんがつきっきりで、
売場づくりの要点を説明してくれた。
店舗ではみな、生き生きと、
笑顔で働いている。
キッチンステージの女性。
デリの焼きたてピザの試食をすすめる女性。
マスクをしていても笑顔がわかる。
サービスカウンターの女性も笑顔。
お客さまが快適な環境で、
買物ができる場所をどう作るか。
さらにスタッフがこの店で働く喜びを
いかに実現させるか。
それが志水さんの役割だ。
300坪の小型店だが、
さまざまな仕掛けが施され、
欧米の店舗にも引けを取らない出来映え。
しかもお客がよく入っている。
男性客も多い。
月刊『商人舎』の2月号では、
この2店の店づくりを、
詳しくレポートする。
楽しみにしてください。
最後に志水さんと握手。
志水さんの仕事ぶりを大いに評価しつつ、
今日のレクチャーに感謝したい。
今夜は、大阪に滞在。
ホテルに着くとすぐに、
船場の隠れ家のような食事処へ。
入口はくぐり戸のようになっていて
そこに「全力で営業中」の文字。
カウンターとテーブル席2つの店内。
すでに満員。
鮮度抜群の刺身から始めて、
手づくり料理に舌鼓を打つ。
旧知のコンサルタントの皆さんと懇親。
正義の味方アンパンマン談義で、
大いに盛り上がった。
私の隣から、
アイダスグループ代表の鈴木國朗さん。
サミットリテイリングセンター代表の新谷千里さん。
プライズ代表の井上謙二さん。
スーパーマーケットの売場づくりを指導する
プロフェショナル3人。
美味しい料理を堪能しつつ、
スーパーマーケットの改革談義は、
大いに盛り上がった。
新谷さんが提起してくれた、
スーパーマーケットの課題解決のための、
アンパンマンセミナー。
ぜひ、実現しましょう。
このアンパンマンセミナーは、
真のイノベーションを追究して、
ココイチの廃棄物商品転売から露わになった、
業界にはびこるバイキンマン的体質を、
懲らしめる目的を持つ。
皆さん、楽しみにしてください。
〈結城義晴〉