毎月のことだが、
『AJSネットワーク』が届けられた。
私の連載は98回目。
「スーパーマーケット応援団長の辛口時評」
田尻一会長(サミット㈱社長)は今月、
いちやまマートを訪問。
それから京都のマツヤスーパーも登場。
ちょうど月刊『商人舎』1月号で取材したばかり。
最近、同社への見学者が増えているとか。
今日は今年最後の新年会。
立教大学大学院・結城ゼミOB会。
会場は池袋のジェイドガーデンで、
まずは乾杯。
私の立教ビジネスデザイン研究科時代の、
ゼミ修了生は5年間で30人の所帯。
一人ひとり顔を見ると、
それぞれの修士論文が思い浮かぶ。
みんな紆余曲折の人生を歩んで、
さまざまに社会貢献してくれている。
それが何よりうれしい。
最後はカラオケで仕上げ。
私は1曲も歌わず語り合い、
そのあとはずっと眠っていた。
今週はなんだか疲れた。
この夜も酔い過ぎた。
さて、日銀の「黒田バズーカ」
日本銀行の黒田東彦総裁が、
「マイナス金利政策」を決定。
銀行の預け金に“手数料”を課す。
異常の金融政策。
日銀に眠っている銀行の預け金を、
民間経済に回して、
景気と物価をテコ入れするため。
黒田総裁は、物価2%のインフレターゲットのため、
「必要な場合は追加的な金融緩和措置を講じる」
具体的には、2月16日から、
銀行が日銀に新たに預ける分に、
マイナス0.1%の金利がつけられる。
つまりお金を預ける方が金利を支払う。
したがって銀行が日銀に預けると預金が減る。
そこで銀行は日銀に預けて預金を減らすよりも、
融資や株式投資などに資金を振り向ける。
そうすると企業の活動が活発になり、
収益が上がり、賃金が改善される。
つまり景気回復と物価上昇を実現させる。
さらに金利が下がれば、
金利差による円高圧力も和らぐ。
ただし、これでは銀行の収益力は低下する。
その結果、特に中小企業向け融資などが
抑えられる懸念がある。
そこで日銀は、
銀行が既に預けている預金には、
従来通り0.1%のプラス金利を付ける。
当たり前だが。
これは我が国としては初めてのことだが、
ヨーロッパでは欧州中央銀行(ECB)は、
一昨年、マイナス金利を採用している。
日本がヨーロッパと同じ政策を採るのは、
為替市場の矛先が円に集中するのを避けるため。
だから「必要な場合はさらに金利を引き下げる」
毎日新聞は巻頭の『余禄』で、
井原西鶴を引用した。
「世界にこわきものは
酒の酔と銀の利にて御座候」
そして結論。
「金利の正負逆転には
西鶴もびっくりだろうし、
市場の酔いをさまさぬよう
くり返される金融緩和には
何やら空恐ろしいものがある」
実感だ。
物価2%アップのインフレ目標のためなら、
打てる手は何でも打つ。
日経新聞は「劇薬の投与」と表現したが、
マイナス金利はまさに異常政策。
これが恒常政策となってはいけない。
日本の小売業ではやりの、
「異常値」売上げづくりの戦術なども、
恒常政策となってはいけない。
全体が売れることが必須だ。
目標は消費と経済の活性化。
我々もそれに貢献するという意味で、
全体が売れる仕事に、
まい進しなければなるまい。
〈結城義晴〉