Everybody! Good Monday!
[2016vol6]
今日は旧正月、春節。
Weekly商人舎、
日替り連載・月曜朝一。
2週間販促企画にも、
春節が取り上げられている。
アジアからその正月休みを利用して、
日本に観光にやってきてくれる。
ありがたいことだ。
そして「爆買い」。
これもありがたい。
私たちの住む地域や国の環境、
私たちのつくる商品やサービス。
それがアジアの同胞から、
高く評価される。
うれしいことだ。
私たち自身、
その価値を自覚して、
私たちの環境や商品を、
愛でつつ、質の向上に励みたい。
ただし、全国のすべての店が、
春節の爆買いの恩恵を受けるわけではない。
朝日新聞『折々のことば』
鷲田清一さんが拾い出した言葉。
その305。
「時の流れがね、
落っことしていったものを
一番後ろから拾いながら
トボトボと行くっていうのが、
私には合ってるかなって
思うんです」
〈中島みゆき〉(NHK「SONGS」2015年11月7日)
鷲田さんのコメント。
「時代の浮かれの中で目もくれられず
またぎ越されてしまうもの、
時代の厚い雲にさえぎられ
見えなくなっているもの、
時代の勢いの中で
置いてきぼりにされたもの。
用済みと払い落とされた
おがくずのような命の佇(たたず)まいを慈しむ、
その落ち穂拾いの小さな足音にこそ
耳をそばだてたい」。
地域商業には、
時代の最先端を行かなくとも、
落ち穂拾いの商売もある。
荒井伸也さんがいつも言っていた。
「私たちは新幹線を走らせる必要はない。
私鉄で十分なのです」
ローカルチェーンはそれがいい。
自分の顧客を見定めて、
自分の商売を突き進む。
ハレに強い商売や企業もあれば、
ケに根強い商いやチェーンもある。
春節の爆買い対応商いも、
落ち穂拾い商売も、
どちらも価値のあるビジネスだ。
しかしどちらも、
自分の商品の価値を、
強く自覚していなければならない。
着ぶくれの朝のラッシュに弾かれて
〈朝日俳壇 東京都・舩山セツ子〉
新幹線ではなくて、
私鉄やJR近郊線の情景。
実感の湧く句だ。
「立春」を過ぎ、「雨水」へ、
それから「啓蟄」へ。
今年は立春が2月4日、
雨水は2月19日、
そして啓蟄は3月5日。
私にとって64度目の春がやってくる。
ジジには11度目の春が来なかったけれど。
今日は第一屋製パン㈱の鎌田恒雄さん来社。
営業本部副本部長。
私は昨年から社外取締役を務めている。
ベーシックな売れ筋商品を持ってきてくれた。
3月の打ち合わせをしてから、
パン業界の情勢など語り合った。
私にとっては、
フィールドワークの一つでもあって、
実に有益だ。
さて、最後にお知らせ二つ。
第1はこのホームページ巻頭に、
今日から公開された商人舎からのお知らせ。
➀USA視察ベーシックコース
5月12日~18日、5泊7日。
inラスベガス。
定評のハード研修会。
②第9回ミドルマネジメント研修会
6月7日・8日・9日、2泊3日。
in湯河原。
こちらも大好評のハードな3日間。
ご参加、ご派遣を願います。
もう一つのお知らせは、
「倉本長治・初夫文庫」の開設。
おめでたい。
倉本長治先生は商業界創設者、
初夫先生はその長男で二代目主幹。
お二人とも物故しているが、
私は商業の世界に入ってきて、
一番初めにお二人から薫陶を受けて、
そして今も、こうして仕事をしている。
その倉本長治・初夫両主幹には、
併せて約3100冊の個人蔵書があった。
それが法政大学資料保存図書館に、
寄贈された。
法政大学イノベーション・マネジメント研究センターは、
2009年5月に「流通産業ライブラリー」を設立した。
流通・消費財産業 の資料保存ライブラリーである。
協力機関は、
流通関連11団体および、
流通関連4学術団体・研究機関。
これまでに「ペガサス文庫」がある。
これは日本リテイリングセンターの、
日本チェーンストア経営専門図書館からの寄贈。
故渥美俊一先生がご存命の2009年5月に、
「ペガサス文庫」が開設されて、
設立記念セミナーが開催された。
私もブログで紹介した。
今回は「倉本文庫」開設記念公開セミナー。
テーマは「店は客のためにある」
目的は、「戦後日本の流通近代化の礎を築いた
商業界精神の現代的な意味 を問い直す」
講演者はお二人。
ファーストリテイリングの柳井正さん、
新潟・浅川園の古舘邦彦さん。
お二人とも経営の信条は、
「店は客のためにあり、
店員とともに栄える」
時間は、
2016年3月18日(金)13:00開場、13:30開会
法政大学市ヶ谷キャンパス外濠校舎6階、
薩埵(さった)ホール大講堂。
プログラムも書いておこう。
13:30~13:40
開会の辞 法政大学教授矢作敏行
13:40~14:10
「解題 商業界精神と戦後日本の流通産業」同
14:10~15:10
「店は客のためにあり、店員とともに栄える」
ファーストリテイリング会長兼社長・柳井正
15:20~16:20
「商業界ゼミナールで学んだこと」
商業界全国連合同友会会長・古舘邦彦
16:20~16:30
総括 矢作敏行
参加者は、商業界読者、流通業界関係者、
そして学生・研究者等で、
先着500名。
参加費は無料。
申し込みは、
https://www.event-u.jp/fm/10647
問い合わせ先は、
法政大学イノベーション・マネジメント研究センター
Tel:03-3264-9420 Fax:03-3264-4690
E-mail:cbir@adm.hosei.ac.jp
私は、アポイントが入っていたが、
それを変更して参加する。
店は客のためにあり、
店員とともに栄え、
店主とともに滅びる。
それが語られる。
うれしい限りだ。
もちろん商人舎のUSA研修会も、
ミドルマネジメント研修会も、
「店は客のためにあり、
店員とともに栄える」を、
基本中の基本にしている。
今月の商人舎標語は、
「店はいつも客のためにある」
店は客のためにあり、
店員とともに栄え、
店主とともに滅びる。〈倉本長治〉
この三行の言葉には、
すべてに「店」の文字が使われる。
それだけ「店」は抜きがたい存在である。
商人はずっと店をつくってきた。
店をつくるのが商人の仕事だった。
店をより良くするのが商人の役目だった。
そして商人は店を変えてきた。
店を変えるのが仕事だったし、
店をより良く変えるのが役目だった。
21世紀に入ってから15年。
その店のつくり方がさらに変わってきた。
レイアウトの引き方も変化を遂げた。
しかし良い店はいつもカスタマーを向いている。
良い店はずっとアソシエーツをいたわっている。
良い店はこれからもリーダーの能力を最大化させる。
アウトスタンディングなポジショニング。
とんがりとこだわり。
店づくりはフォーマット戦略の基盤である。
しかしだからこそ、そこに、
アウトスタンディングな成果が要求される。
こだわり店舗にはとんがり収益性が必須となる。
店はカスタマーを歓喜させ、
アソシエーツを成長させ、
リーダーたちを躍動させる。
店はいつも客のためにあり、
店員とともに栄える。
そして店主とともに滅びる。
〈結城義晴〉
では、みなさん、
今週も、顧客のために、
Good Monday!
〈結城義晴〉