ラスベガスのマッカラン国際空港。
飛び立って、砂漠の中の岩肌。
再びシェラネバダ山脈を超える。
そして再びサンフランシスコへ。
こちらにいる間に、
2015年度のウォルマートの決算が発表された。
売上高は4786億ドル、
57兆4320億円。
しかし前年比べるとマイナス0.7%。
総収入は4821億ドルで、こちらも0.7%減。
しかし総収入は国際部門もあるので、
為替の影響を除くと、プラス2.8%。
4994億ドル相当。
純利益は147億ドル、1兆7640億円。
そして株価に反映する純利益は9.2%減。
国内の既存店売上高は、減少してはいない。
ガソリン販売を除いた既存店売上高は1.0%の増加。
ウォルマートスーパーセンターなどが1.2%増、
サムズ・クラブが0.4%増。
ウォルマートは大きく三つの部門に分かれている。
第1のウォルマートUSがスーパーセンターなどで、
この売上高は2984億ドルで3.6%増、
第2がサムズ・クラブで568億ドル、2.1%減。
第3が国際部門で1234億ドル、
為替レートのマイナスが響いて9.4%減。
それぞれの部門の営業利益は、
ウォルマートUSが191億ドルで10.5%減。
これは人件費を、2年連続、
時給にして1%上げたことが影響した。
サムズクラブの営業利益は、
18億ドルでマイナス7.95、
国際部門は54億ドルでマイナス13.4%。
一方、Eコマース売上高は137億ドルで、
12%の増加を見たが、
昨年のように30%増とはならなかった。
つまり成長の鈍化減少。
息切れ常態化か。
1月31日現在の店舗数。
アメリカ国内店舗数5229店。
フォーマット別内訳は、
スーパーセンター3465店
ネイバーフッドマーケット633店
ディスカウントストア442店
小型店34店
サムズクラブ655店
海外店舗6306店
CEOのダグ・マクミラン。
既存店が1.0%伸びていることを評価し、
「人材への投資が顧客の買物経験を改善する」と、
戦略の方向性を示している。
さて、それがどうなるか。
サンフランシスコに到着すると、
すぐにベイブリッジを渡って、
バークレーボウルへ。
そのウェストへ。
温かく出迎えてもらって、
記念写真とインタビューと、
プレゼント。
全体の売上高の3割を超える青果部門。
根菜だけでもこれだけある。
圧巻の柑橘類。
マッシュルームは、
ラージ、ミディアム、スモールに、
丁寧に選別値入れをする。
かつての神田市場の重鎮は、
池田澤造さんだった。
その息子さんが故池田壽太郎先生。
お二人から私、
青果の極意を習った。
それが「選別値入れ技術」
バークレーボウルのグレン・安田さんは、
その技術をもとに世界最高の青果部門を作った。
リンゴだけで30種類以上。
この豊富さ、この美しさ。
100坪ほどにまとめられたのが、
オーガニック青果部門だが、
その部門が300坪のレギュラー青果部門と、
半々の売上げになった。
つまりオーガニックが急激に伸びたのだ。
オーガニックのフレッシュジュース。
アメリカでは珍しい見切り品のコーナー。
青果のバークレーボウルだが、
鮮魚部門も素晴らしい。
刺身で食べられる魚を売っているのは、
スーパーマーケットでは、
バークレーボウルだけだ。
もちろんミート部門も良い。
乳製品も。
そしてチーズ売場は特に豊富。
このボードがまたいい。
裏側の売場も充実。
店を入ると、すぐにデリ売場。
2階のセントラルキッチンで製造し、
それを下におろして販売。
シェフたちがつくる惣菜だ。
そして、レジ部門には、
最も優秀な人たちを配置する。
たった2店舗だけれど、
140億ドルを売り上げるバークレーボウル。
その専門性の強みを、
しっかりと学びたい。
続いて、ホールフーズ。
入口を入るとすぐに、
イースターのプロモーション。
ホールフーズも「早仕掛け」
そして右手に美しい青果部門。
この壁が視界動線をつくる。
美しいカリフラワー。
カットフレッシュ。
カット野菜。
四角くコーナー化されたクラフトビール売場。
そしてバルク売場も美しい。
精肉部門でお買い物。
英語で注文。
冷凍魚を吟味。
そして決めました。
サーモンの売場の関連販売。
セルフデリはホールフーズの専売特許。
デリ部門の正面にリーチインケース。
そしてサービスデリは、
「ザ・グッド・スタッフ」
青果の壁の裏側にレジ部門を設けた。
実によくできた、比較的に小型の店だが、
ちょっと元気がないのが気にかかる。
それに対して、
元気が出てきたのがセーフウェイ。
いつも見事な花売場。
そして美しいパプリカ売場。
壁面もきれいだ。
青果からバルクへ。
そして奥主通路にミート&シーフード。
対面売場にも人が集まる。
理由の一つは、これ。
「エブリデー」を始めた。
ウォルマートやクローガーと同じ、
エブリデーロープライス。
これまではクラブ・プライス一辺倒だった。
もちろん今もある。
しかしエブリデーとクラブプライスの、
マージンミックス。
イメージはぐっと良くなった。
ワイン&スピリッツの売場。
シックだ。
こちらはまだクラブプライス一辺倒。
サービスデリはもともと定評があった。
グロサリーの活性化で、
すこしだけ持ち直したか。
そしてトレーダー・ジョー。
『フィアレスフライヤー』のニューアイテムを、
第1エンドで派手に売り込む。
斜めに切った青果部門。
これもポジショニング要件。
第3エンドのピタ・チップス。
ワイン売場は売れ筋の価格を、
5ドルから10ドル近辺に上げる意図が出てきた。
そしてピンクダイソー。
イースターを取り込む。
すばらしい。
サンフランの視察テーマは、
とんがった店舗。
満足。
そしてホテルに到着。
すぐにセミナー。
これまでの視察やインタビューをまとめ、
最も重要な戦略をわかりやすく二つに整理した。
しっかり学んでくれた。
講義が終わると、調理タイム。
4つの班に分かれて、
思い思いの調理をする。
これは味噌汁。
楽しいです。
一方、屋外のグリル。
キッチン付きホテルだから、
部屋で下ごしらえ。
これを屋外グリルに持っていって、
ピザを焼く。
女性陣はパプリカ料理。
バークレーボウルで仕入れた果物。
一方、屋外のピザ。
ステーキは見事に焼きあがりました。
分厚いランプステーキも。
テーブルに並べると壮観。
花をあしらったのはさすが女性陣。
ピザも焼きあがりました。
自分たちで焼くと、
おいしさが倍増する。
みそ汁もできあがって、
味付けが抜群。
そして食事の前に、
二人の誕生祝い。
そして各班ごとに説明。
三人のDチームは、
ピザを焼きあげました。
ステーキチームはこれまた見事に焼き上げ、
スパゲティを添えた。
ご覧の豪華さ。
女性陣を含めたCチーム。
キューリの塩もみ。
パプリカ焼き。
美味だった。
自分たちで買い物し、
自分たちで調理し、
それを分け合って食べる。
こんな幸せはない。
そしてそんな生活を提供するのが、
スーパーマーケット。
こんないい仕事はない。
最後の最後に、
誕生日を迎えたお二人に、
バースデーケーキ。
そしてプレゼント。
おめでとう。
若い二人の誕生祝い、
ちょっとまぶしかった。
最後にマルト商事社長の安島浩さん。
研修の充実とその成果を確認した。
マルトは昨年、
第5回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」で、経済産業大臣賞を授けられた。
この研修もマルトらしさを推進し、
確認するためのものだ。
それは誰よりも、
参加者たちが実感している。
〈結城義晴〉