結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年03月09日(水曜日)

「AlphaGo」の囲碁の神様とセブン&アイの「商売の神様」

日本列島を寒気団がすっぽりと包んだ。
暖冬暖冬といわれたこの冬。

しかし、北半球でも、
ニューヨークなどは厳寒の中にある。

地球が変動期に入っていることは確かだ。

「地球に優しい」なんて言い回しがあるが、
地球という天体と比べると、
人類などちっぽけな存在だ。

もっと謙虚に生きねばならない。

謙虚といえば、スポーツも、
徹底的に謙虚でなければ、
その神様から見放される。

なでしこジャパンの女子サッカーも、
リオデジャネイロ五輪出場を逃した。

FIFA世界ランキング4位だから、
アジア代表枠2カ国には、
順当に入るだろうなどと不遜な考えをもつと、
サッカーの神様から見放される。

野球も同じ。

読売ジャイアンツの野球賭博。
どこまで行くのかわからないが、
渡邉恒雄最高顧問まで辞任することになった。

ということは、かなり根深いのかもしれない。

清原和博の覚醒剤取締法違反も、
野球の神様から見放される行為だ。

もちろんスポーツの神様は、
ギリシア神話のごとく、
それぞれの競技ごとに存在していて、
プロフェッショナルの世界だけでなく、
アマチュアにも目を配ってくれている。

ゴルフの神様も同じ。
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昨日から千葉県のグレートアイランド倶楽部。
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伊藤園レディスが開催される名門。
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寒気団が訪れても、
コースメンテナンスは素晴らしい。
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第15回ドクターズ杯前夜祭。  DSCN9548-6

そして当日。

謙虚に謙虚にプレーして、
私は準優勝。

ゴルフの神様に感謝。

ギリシア神話風に言えば、
神様はスポーツに限らない。

将棋の神様は、
故米長邦雄名人が言い出したが、
確かに存在するし、
囲碁の神様も確かにいる。

しかしその囲碁の神様に挑戦するかのように、
コンピュータが囲碁の世界最高峰棋士を、
破ってしまった。

グーグルはブレイン集団「DeepMind」を、
2014年に4億円で買収した。

この集団は「AIのアポロ計画」を自称しているが、
昨2015年10月に、
彼らがAlphaGoと名づけたぶ囲碁ソフトが、
現欧州チャンピオンのファン・フイと対局し、
5戦全勝。

「AplhaGo」(アルファ碁)は、
ディープラーニング(深層学習)を活用している。
約3000万人のトップ棋士の棋譜が集められ、
AIプ ログラムが自分で囲碁を打てるように、
訓練された。

次のステップでは、
ソフトウェア同士を戦わせて打ち手を収集し、
これを使って最高棋士を倒すAIが養成された。

WIREDサイトが報じている。

DeepMindのCEOデミス・ハサビスは言う。
「AplhaGoは、
人間のプログラミングによって設計された、
単なるエキスパートシステムではない」

「一般的な機械学習のテクニックを使って、
どうやって囲碁の試合に勝つか学んでいく」

「AIは人間よりはるかに大量のデータを処理し、
物事をより効率的なやり方で
構造的に洞察することができます。
これは人間の専門家にはできない」

そして今日の新聞で報じられた。
AplhaGoは韓国のイ・セドル九段と、
ソウル市内で対戦して勝利してしまった。

イは、過去10年で世界最多のタイトル保持者。

AIが神の領域に挑戦している。

ただし、デミス・ハサビスをはじめ、
AI研究者たちは実に謙虚だ。

さて、昨日のブログで、
鈴木敏文さんのインタビューを取り上げた。
『週刊東洋経済』の切込み。

ジャーナリズムの存在意義の一端は、
こういった記事にあると思う。

一方、『週刊ダイヤモンド』2月13日号は、
「鈴木セブン&アイ会長初激白!」で、
同じようにインタビューを試みた。
「ヨーカ堂 社長交代の真相と改革の行方」
しかしこれは話題にもならなかったし、
内容も面白くはなかった。

昨年6月6日号でも『週刊ダイヤモンド』は、
「鈴木敏文の破壊と創造」を特集し、
いま、セブン&アイに近いメディア。

そして昨日、『東洋経済』に抗するごとく、
セブン&アイ村田紀敏社長は記者会見した。

その模様を伝えた日経新聞の記事タイトルは、
セブン&アイ、不採算事業の止血急ぐ」

「過去にはイトーヨーカ堂が
グループの成長の基盤だった。
現在はセブン-イレブン。
グループの力を挙げ、
セブン-イレブンを成長させていくことが
重要だ」

9月30日には百貨店2店を閉鎖する。
そごう・西武のそごう柏店と西武旭川店。

2016年度中にはイトーヨーカ堂も、
20店を閉める。

その中には創業1号店の千住店が含まれる。

これは、間違いではない。

そしてこの2月期決算で、
イトーヨーカ堂は創業以来初の営業赤字転落。

セブン&アイはこの2月期に、
約55億円の特別損失を計上。

それでも営業利益は過去最高を更新。

その利益の7割をセブン-イレブンが担う。

さらに来2017年2月期決算でも、
営業利益過去最高更新の見通し。

2015年11月スタートの「omni7」も、
「コンビニの成長エンジン」の位置付けで、
未来への「方針」は出されている。

グループ横断インターネット通販サイトは、
セブン-イレブンの成長エンジンで、
イトーヨーカ堂を成長させるものではない。

村田さんはそれも明言した。

同社の『オムニチャネル』戦略は、
ネットと実店舗を連携させるものだが、
それはセブン-イレブンを中心に描かれる。

しかし初の赤字転落といえど、
イトーヨーカ堂は総合スーパー第2位で、
売上高1兆円を超え、国内185店舗。

昨2015年2月期決算の年商は、
セブン&アイHD6兆0389億円、
イトーヨーカ堂年商1兆2859億円、
そごう・西武8030億円、
セブン‐イレブン・ジャパン7363億円。
ヨークベニマル3969億円。

セブン-イレブンの全店売上高は、
4兆0083億円だが、
これは他人資本の加盟店が積み上げたもので、
会計上、セブン&アイの売上げではない。

イトーヨーカ堂が重要でないはずはない。

そこで買い物してくれる顧客に対して、
そこで働く従業員に対して、
その改革の責任はある。

会社や店の人々の「居場所」を、
しっかりと確保しなければならない。

マネジメントは結果責任をとらねばならない。
結果責任とはトータルな成績とともに、
それこそセブン&アイが標榜する、
「個店経営」にこそ及ばねばならないはずだ。

商売の神様が、
これをどう見ているか。

数年のうちには明らかになるだろう。

商売の神様に愛されるためにも、
謙虚さと真摯さは必須だ。

〈結城義晴〉

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