昨夜は実家に泊った。
亡き父の書斎から、
今朝、富士の頂が見えた。
横浜の空が久しぶりに青い。
私が卒業した宮谷小学校の壁面。
銀杏の木の枝を剪定中。
その銀杏の木は天に向かって伸びる。
初めに【商人舎からの緊急のお知らせ】
今年のUSA視察研究会Basicコース。
5月12日~18日、ラスベガス。
申し込み締め切りは22日ですが、
もうほとんど満杯で、
残席僅少です。
さて昨日の朝日新聞『折々のことば』。
表現をするということは……
「社会を変える方法」を
手にするということです。
然り。
今朝の日経新聞『大機小機』が、
その表現をした。
タイトルは「マイナス金利の心理学」
コラムニストは無垢さん。
実にいい。
「この国では
企業家に欠けるアニマルスピリッツが
中央銀行にはあふれているようだ」
いきなり日銀への皮肉。
マイナス金利にまで踏み込んだ金融緩和策。
「もっとも、そのマイナス金利、
投資促進などプラス効果より
マイナス効果が目立つ」
「勤倹貯蓄を旨とし
資本主義の発展を支えてきた地道な日本人に
突然、『宵越しの金は持つな』と
江戸っ子気質を求めても戸惑うばかりだ」
「預金の利子はこれまでの
『通帳のしみ』よりさらに減る。
頼みの投資信託も
運用不能になる商品が出てきた。
そのうえ年金運用が厳しくなる
といわれれば消費を手控えるしかない」
「日本は
マイナス金利を導入する欧州諸国と違い、
先進国最悪の公的債務を抱える。
マイナス金利と財政赤字の組み合わせは、
日本経済の将来に深刻な課題を積み残す」
そこでコラムニストの提言。
「日銀が学ぶべきは
マクロ経済の論理を超えた
『マイナス金利の心理学』だろう」
卓見だ。
「資本主義の常識から外れたマイナス金利は
日本経済が袋小路に 陥ったことを物語る。
金融緩和頼みの限界を示す。
将来の不安は経済活動を萎縮させる」
そして、
「人々の感情や企業家の心理を
読めなければ、政策は成功しない」
そこでアルフレッド・マーシャルの言葉。
ジョン・メイナード・ケインズの師匠。
「クールヘッド」(冷静な頭)とともに
「ウオームハート」(温かい心)が求められる。
「黒田東彦総裁は読書家で知られる。
高校時代、図書館の本を全て
読破したという逸話がある。
後輩が真偽を確かめたところ、
『小説を除いて』という答えが
返ってきたという」
「今からでも遅くない。
黒田氏よ、小説を読め」
思わず噴き出した。
コラムニスト無垢さん、
見事、表現した。
私の言葉では、
「心は燃やせ、頭は冷やせ」
それから2017年4月の「消費増税」
どこかの誰かによって、
毎日のように脅しに使われている。
しかし延期の言説が続々。
小売サービス業にとっても、
極めて重要な動き。
注視しておきたい。
どちらも日経新聞。
まず浜田宏一内閣官房参与。
エール大名誉教授で、
安倍晋三首相の経済政策ブレーン。
「消費税の再引き上げは見直したほうが
日本経済にとって安全と思う」
「14年に8%にしたときは
(消費に対して)マイナスだった。
半ばパニックが続いている時に、
約束したんだからともう一度
消費税を上げると不安が高じてしまう。
賢いやり方とは思えない」
「三党合意は前の船長が決めた話。
荒波がひどくなって
日本経済が難破しそうになったら
やっぱり止める方がいい」
さらに本田悦朗スイス大使兼内閣官房参与。
こちらも安倍首相の経済ブレーン。
超党派議員連盟「創生『日本』」で講演。
「増税をやってしまうと
長期停滞の道に入ってしまう。
消費増税を凍結する以外に道はない」
本田氏はBSフジの番組でも発言。
「消費税率を現行の8%から7%に下げて、
国民に対するメッセージを
明確にする選択肢もある」
高橋洋一嘉悦大教授。
「消費増税はスキップして見直すべきだ」
首相自身、14日の参院予算委員会で発言。
「税率を上げても
税収が上がらなくては元も子もない。
日本経済自体が危うくなる ような道を
取ってはならないのは当然だ」
安倍首相の経済ブレーンが、
次々に「消費増税先送り論」を主張して、
その地ならしをし始めた。
急ぐことはない。
慌てることもない。
ポピュリズムに惑わされるな。
すぐ役立つことは
すぐ役立たなくなる。〈橋本武〉
今年の商人舎標語。
「人をつくる、人を残す」
会社は人が集うところ。
店は人が群がるところ。
売場も人が寄ってくるところ。
2016 年をとおして、
会社も店も売場も、
人々が好んで集まるところとなりたい。
金を残すは下なり、
事業を残すは中なり、
そして人を残すは上なり。(後藤新平)
そのために人を集め、
人を育み、
人を残す。
もちろん金がないと人を雇えない。
事業がないと人に仕事を与えられない。
それらがないと人を育てられない。
だから金も儲ける。
事業も栄えさせる。
そして人を伸ばす。
2016 年をとおして、
社長は社員を愛でる。
店長は店員を育てる。
リーダーは仲間を励まし、
会社はパートタイマーを大切にする。
それらすべてが顧客を喜ばせる。
2016 年は人で決まる。
人が好んで集まるか否かで決まる。
2020 年まで人で決まる。
人の強みを生かすこと。
一人ひとりの個性を花開かせること。
それがマネジメントの本質である。
金を残すは下なり、
事業を残すは中なり、
そして人を残すは上なり。
そのために人を集め、
人をつくる。
人を残す。
2016 年をとおして、
会社も店も売場も、
人々が喜び勇んで集まるところとなりたい。
〈結城義晴〉