結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年03月24日(木曜日)

テロ社会の「ルート・コーズ」と世界の「三年先の向こう岸」

心は暗い。

ヨーロッパ連合、European Union(EU)。
その本部があるベルギーの首都ブリュッセル。
イスラム国(IS)による連続爆破テロ。

亡くなられた人々の冥福を祈ろう。

ベルギー人といえば、
名探偵エルキュール・ポアロ。

もちろん作家はアガサ・クリスティ。
イギリス人。

ベルギーの小売業といえば、
デレーズ(Delhaize)がその代表。
2015年で年商284億ドル。

米国ではデレーズ・アメリカを運営している。

しかしそのデレーズは、
オランダのロイヤル・アホールドと、
経営統合することになっていて、
この面でも連合化は進む。

併せれば、725億ドル。
120円換算で8兆7000億円。

毎日新聞の巻頭コラム『余禄』
「ベルジアン・コンプロマイズ」を引用。
「ベルギー式妥協法」の意味。

「両者の主張が対立して
折り合えそうにない場合にも、
機知を働かせて何とか
妥協点を作り出す方略」

『こんなにちがうヨーロッパ各国気質』
片野優ほか著、おもしろい。

ISの犯行声明はブリュッセルを
「十字軍の本拠地」と呼んだ。

もともとベルギーには、
500人近いIS参加者がいる。

コラムは指摘する。
「欧州の首都で育った若者らが
職も得られずテロリズムに走り、
欧州の理想や価値の
最も凶暴な破壊者と化したのは
現代文明の惨たんたる逆説である」

「この不条理によって試されているのは
当の理想や価値だろう」

「たとえ理不尽な暴力を見せつけられても
他者への思いやりを失わず、自由や寛容を
さりげなく守ってみせたいものだ」

思いやり、自由、寛容。
ん~。

毎日新聞に対して、
朝日新聞の『天声人語』

米大統領候補ドナルド・トランプの過激発言。
「テロ容疑者に対しては、
拷問とされる『水責め』を超える手段で
尋問すべきだ」

同様に排斥や差別が欧州に台頭する。

「それらは屈辱と憎悪の炎を
かき立てる薪にほかならない。
負の連鎖が深まるなら、
テロリストに勝利させてしまうことになる」

日本は東京五輪を4年後に控える。
「決して遠い対岸の火事ではない。
国際イベントはテロの心配と背中合わせだ」

朝日の結論。
「犠牲者を悼みつつ脇を固めたい。
テロの背景に広がる、
貧困と格差の荒野から目をそらさず」

「貧困と格差の荒野」
「目をそらさず」か。

ん~、文学的だが、これも、
決定的な方向性ではない。

最後に日経新聞『春秋』

「ママの台所で爆弾を作ろう」
イスラム過激派組織が発行した雑誌記事。

「いつでもどこでも、
そしてだれもがテロを実行できる。
テロの魔の手はさらに伸び、
欧州どころか世界全体を
のみ込もうとしているようだ」

私たちも他人事と思ってはならない。

「力で封じ込める対症療法は必要だが、
克服するためには根本的な治療しかない」

その通り。

ルート・コーズ(Root Cause)の解決。

そして「多様な価値観や異なる主張を
認め合う社会へと変えていく。
それしかない」

「多様な価値観」
「異なる主張」
それを「認め合う社会」

それは私たち自身の周辺の、
小さな社会でも同じこと。

つまり、私たち自身、
社会変革を目指さねば、
問題は解決しない。

今日は朝から東京・御成門。
DSCN9682-6
東京タワーは雨にけぶる。

恒例の取締役会。
カスタマー・コミュニケーションズ㈱
略称CCL。

日々、ビッグデータを的確に集積し、
それを駆使してマーケティングする、
ビジネス・ソリューションの組織体。

その情報をTRUE DATAと名づける。

CCLの幹部のみなさんと写真。
新メンバーが増えて、逸材揃い。DSCN9686-6
前列は川崎清さんと、
島崎尚子さん、越尾由紀さん。
後列は右から、
松本俊男さん、私、田窪伸郎さん。
それから細川玲理さん、米倉裕之さん、
中川 浩之さん、関伸恭さん、田中覚さん。

中央の米倉裕之さんが代表取締役社長。
松本さんと田窪さんが非常勤取締役。
川崎さんは特別顧問、
中川さんは常勤監査役。
細川さんと関さんはDBM営業部部長、
田中さんが社長室長。

そしてCCLが誇る女性部長。
右の島崎さんは執行役員DBM営業部部長、
左の越尾さんは企画開発部部長。DSCN9689-6
CCLは、極めて中立で、
限りなくニュートラルな存在であれ。
私はそう言っている。

そしてやはりCCLも、
社会変革に貢献しなければいけない。

昼過ぎに会議が終わると、
雨は上がっていた。
DSCN9693-6
ちょいと散歩。

芝公園の木々は、
剪定されて面白い形。DSCN9694-6

芝増上寺。DSCN9695-6
今日は、宗教に関係なく、
拝みたくなる、祈りたくなる。

糸井重里の『ほぼ日』
その巻頭言「今日のダーリン」

「ずっと、三年先のことなんかわからない、
と言っていたのだけれど、
わかるところもあるじゃないか
と思うようになった」

「船に乗っているものとしては、
向こう岸の景色を見ながら進むように、
目の前の海ばかりじゃなく、
水平に見える三年先を、
見ていることはできるし、
するべきだと思っている」

これ、中期計画を、
実によく言い表している。

「一年先もなにがあるかわからないのに、
三年先がわかるものか」
糸井もこのセリフを使っていた。

しかし「外れても曲がっても、
『どっちに行くつもりか』を、
語り合えるような日常が
大切なのだと思う」

「そしてさらに、
三年先の向こう岸に行くためには、
鬼も笑う来年の、十回分くらい先の、
つまり十年後のイメージを
考えておくことも必要だ」

これが長期計画。

「三年先の、さらに先の景色を
絵に描こうとするからこそ、
三年先のことが、
話しあえるようになるのだ」

これが長期計画と中期計画の関係。

「10年先のことまで、
たのしみにされるチームでありたいよ」

国家も会社も同じだ。
CCLも商人舎も。

世界70億人の長期計画は、
多様な価値観と異なる主張を、
認め合える社会をつくること。

70人の会社の長期計画も、
同じ考え方でつくられる。

今日は、日経新聞に軍配を上げよう。

それは同紙が徹底して、
ビジネスのサイドから、
モノを見ているから言えること。

私は商業と経営と情報のサイドから、
世界を見ていよう。

〈結城義晴〉

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