結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年03月31日(木曜日)

ワンガリ・マータイさん「雨が降ったら、何かを植えよう」

2016年3月最後の日。

一月、往ぬる、
二月、逃げる。
三月、去る。

さよなら、三月。
よろしく、四月。

今日は朝から、
商人舎オフィスに来客。
イオンリテール㈱の吉田元(はじめ)さん。
人材育成グループマネージャー。

今年度のいろいろな打ち合わせ。
よろしくお願いします。

最後に、
付箋がたくさん入った『店ドラ』を、
バッグから取り出してくれて、
それにサイン。
DSCN9835-6
店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

左手で筆を執る。
DSCN9836-6

落款を押して、写真。
DSCN9837-6
心は燃やせ、
頭は冷やせ。

ありがとう。

ご愛読、
とてもうれしい。

さて3月最後の日に、
第88回選抜高校野球大会決勝。
奈良の智弁学園が、
延長11回裏、サヨナラ勝ちで、
香川の高松商業を破って、初優勝。

スコアは1対2。

準優勝の高松商業は、
1924年の第1回選抜大会優勝校。
当時は旧制の中等学校大会だった。

高松商業は香川県立の公立高校で、
卒業生には巨人監督だった、
故水原茂さんがいる。

センバツが終わると、
いよいよ新年度。

高校球児にはまだ、
夏の甲子園が残されていて、
ここでの敗戦も勝利も、
それほど深刻ではなくて、
明るい未来が開けている感じが、いい。

さて、日経新聞ファンの結城義晴。
その電子版「経営者ブログ」は、
高原豪久さん。
ユニ・チャーム社長。

いつも、生真面目な文章を書く。

今回は、ワンガリ・マータイさんの言葉。
ケニア出身の2004年ノーベル平和賞受賞者。
「MOTTAINAI伝道師」としても有名。

彼女のライフワークは植林活動。
植林を通じて、民主化を進め、
持続可能な開発で平和世界を残すこと。

「地球には、百万という
生命体の種類が存在しているのに、
我々人間はそのたったひとつ。
しかも我々の存在は、
他の生命体を食料などとして
必要としているのに、
他の生命体は、
我々のことは特に必要としていない」

「日本人は、モッタイナイとアリガトウという
気持ちがわかっている。
技術がこれほど発展している社会なのに、
文化を忘れていない」

「貴方たち日本人は、
この大切なメッセージを
世界に伝えるリーダーシップが取れる。
大きなことじゃなくてもよい。
小さいことでも十分」

そのマータイさんのお母さんは、
彼女が小さい子供のころに言っていた。
『雨が降ったら、何かを植えなさい』

高原さんは『失われた10年』を思い出す。
「世界から揶揄されていた2000年前後、
まさに日本経済が『雨』だった時に
しっかりと種を蒔いていた企業と、
実がなったらすぐもぎ取ってきた企業とで
大きな格差がついてきました」

「我々にとっては、失われた10年ではなく、
グローバルで競争するために必要だった
構造改革のための基盤構築の10年だった」
これはちょっと、自慢。

最後にマータイさんの言葉を再び。
「汚い花って見たことありますか?
ないでしょ。
花は大事に育てれば、
きれいに咲くのよ」

「部下や後輩の育成、
自己の成長を振り返る際にも
通じる話」

経営者はいつも、
教育や自己育成を考えている。

イオンも、名誉会長相談役の岡田卓也さんが、
「木を植えよう」をライフワークにしている。

「雨が降ったら、何かを植えよう」

いい言葉です。

もう一つ日経の『私の履歴書』
アイリスオーヤマの大山健太郎さん。

今日が最終回。

「19歳で父から継いだ工員5人、
年間売上高500万円の町工場は
52年後の現在、
売上高3060億円の企業グループに成長」

成長の理由を述懐する。
自分でも「運が良かった」と思う。

それから「生活者の立場に立ち全力を尽くした」
つまり「ユーザーイン」の発想で、
「快適生活」をキーワードに新商品を開発。

そして「メーカーベンダー」の仕組みを構築。

大山さんの経営判断は、
「本質的、多面的、長期的」

「米国式をまねても結局は機能せず、
長続きもしない。
日本企業は日本型経営の良さを
捨てるべきではない」

「相手を尊重し、共助の精神を持ち
自然とも共生するのが
本来の日本のビジネスだ」

ここはマータイさんの思想と合致する。

昨年古希を迎えた大山さん。
あと20年、90歳までやる気だ。
「企業理念を一歩一歩進化させ
理想の組織体を作る」

「グローバルにもローカルにもチャンスがある。
生活者にとって豊かな社会を――。
挑戦に終わりはない」

拍手。

一月、往ぬる、
二月、逃げる。
三月、去る。

さんきゅ、三月。
よろしく、四月。

雨が降ったら、何かを植えよう。

〈結城義晴〉

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