さくら さくら いま咲き誇る
刹那に散り行く運命と知って
〈森山直太朗〉
横浜は桜満開。
商人舎オフィス近くの新田間川。
遊歩道を歩く。
どこに咲いても桜は美しい。
東京・自由が丘。
商店街をあげて 、桜まつり。
そして横浜・妙蓮寺公園。
夜の桜。
桜の花びら散るたびに
届かぬ思いがまたひとつ
〈コブクロ〉
横浜ではあと1週間くらいか。
今年は例年以上に、
桜を楽しみたい。
さて、ダイエー碑文谷店が終了する。
感慨深い。
そのうえで、12月に、
「イオンスタイル」として新装開店。
碑文谷店のオープンは、
1975年。
私が社会人となって、
㈱商業界に入社に入社したのが、
1977年。
ダイエー碑文谷店は、
その2年前に開業した。
ダイエーを象徴する店、
すなわち日本の小売業を象徴する店。
だから新商品の発表、
新しい売場づくり、コーナーづくり、
新プロモーションの公開など、
お披露目のときには必ず、
碑文谷店が舞台となった。
私は何かあると、
いつも碑文谷に行った。
山手線内側の最大店舗。
駒沢通りに面して、
地上7階建て、店舗面積1万5000㎡。
1986年から1992年まで、
ダイエーの中で第3位の売上高を誇った。
最盛期はバブル絶頂の1990年で、
年商211億円。
売場面積は、
チェーンストア業界で32位ながら、
売上高は5位だった。
しかし現在は売上高半減。
つまり100億円レベル。
確か、中内潤さんも、
この店からスタートしたと記憶する。
中内さんはこの4月から、
流通科学大学学長兼理事長。
現在、ダイエーはイオン傘下の企業。
この碑文谷店は3月に、
イオンリテールに営業権譲渡され、
衣料品・住居関連用品売場は、
明日の4月3日に営業終了。
食品売場だけ、
ゴールデンウィークまで営業を続け、
5月5日をもって終了。
耐震補強工事など施されて、
イオンリテールが大リニューアルを図る。
いわゆる「既存店改装」
「イオンスタイル」として、
新フォーマットに生まれ変わる。
イオンリテールの、
STPマーケティング力を駆使し、
「ユニット」の考え方を盛りこんで、
意欲的な店舗に蘇るだろう。
御嶽山店や板橋前野町店を、
さらに展開発展させて、
イオングループの総力を挙げた、
画期的改装になるに違いない。
月刊商人舎4月号は、
特集「店舗を元気にする‼」
’16 Re-engineering Retail-software
碑文谷店のリエンジニアリングに、
大いに役立つ内容だと思う。
ハードウェアだけでなく、
ソフトウェア、ヒューマンウェアの、
リエンジニアリングを実現させてほしい。
セグメンテーション、
ターゲティング、
ポジショニングの
マーケティングを展開してほしい。
39年間も、
碑文谷店と向き合ってきた私としては、
心から応援したいと思う。
ひとつだけ、
かなわない願いかもしれないが、
この店にだけは、どこかに、
「ダイエー」の名を残してほしい。
それが40年を超える、
象徴としての碑文谷店の、
ほかにないポジショニングに、
貢献するはずだ。
さくら さくら いざ舞い上がれ
永遠にさんざめく光を浴びて
〈結城義晴〉