結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年04月06日(水曜日)

セブン-イレブン井阪隆一社長退任案とイチコ協力会講演

毎日新聞がスクープ。
浜中慎哉、小川祐希の両記者。

と言っても最近は、電子版で速報する。
「セブン-イレブン・ジャパン
社長を巡る動き」

セブン&アイ・ホールディングス(HD)が、
セブン−イレブン・ジャパン井阪隆一社長を、
4月7日開催の取締役会で、
「退任させる人事案を固めた」という内容。

これは紛糾する。

後任は古屋一樹副社長で、昇格人事。
井阪さんは58歳、古屋さんは66歳。

持株会社セブン&アイHDには、
この3月に「指名・報酬委員会」が設置され、
その委員会で議論されてきた。

委員会メンバーは4人。
常勤取締役が二人、外部取締役が二人。
常勤は鈴木敏文会長と村田紀敏社長。
社外は一橋大学特任教授の伊藤邦雄氏と、
元警視総監の米村敏朗氏。

記事では、「社外委員の2人は、
セブンを好業績に導いた井阪氏の功績を評価」。

この井阪退任案に反対している。

だからこれは鈴木さんと村田さんが、
推し進める人事案ということになる。

理由は「7年も社長をやっており、
新しい力のある人にしたいだけ」

しかしセブン&アイの好業績は、
セブン-イレブンの功績によるもの。
それを井阪さんがCOOとして、
牽引してきたことも、事実だ。

しかも古屋さんは井阪さんより8歳年上で、
「新しい人」という理由は筋が通らない。

毎日の記事では、
サード・ポイントからの批判も掲載。
米国ヘッジファンドで、
セブン&アイの「物言う大株主」

「鈴木会長が次男の康弘をやがては
HDトップに就ける道筋を開くため」

「血縁関係を理由に幹部を昇進させることは
正当化されるものではない」

明日の取締役会は、
15人の参加で開催されるが、
紛糾は間違いない。

1月7日にイトーヨーカ堂では、
戸井和久社長が就任1年半で、
突如、辞任した。

今回も状況は見えているが、
それが通ってしまうのか。

さて私は朝から、北陸新幹線。
東京から2時間の上越妙高へ。

そのまま金沢までつながって、
北陸新幹線は大盛況。

上越妙高から車で15分で、
上越市の「割烹やすね」へ。

第35回イチコ協力会定例総会。DSCN9919-6

昨年に続いて、その記念講演。DSCN9929-6

会場には300人を超える取引先のみなさん。DSCN9916-6

今回は「流通革命と流通3.0」を語った。DSCN9930-7

ずいぶんと熱心に聞いてくれたので、
かなり高度な話を丁寧に、
わかりやすく講義して、
時間がとられた。DSCN9997-6

最後に「サービス産業化」を語りそこなったが、
2016年段階に必須の考え方は、
整理して伝えることはできただろう。
DSCN0015-6
そしてマーケットニッチャーの生き方も。

最後の事例は、
ヤマダ電機とコスモス・ベリーズ、
とくし丸と全国のスーパーマーケット。DSCN0028-6
テーゼの従来型流通業と、
アンチテーゼのチェーンストアが融合して、
ジンテーゼの新しい関係が生まれる。

それが流通3.0の本質だ。

ご清聴を感謝したい。

記念講演が終わると、
すぐに懇親会。DSCN0045-6
㈱イチコ社長の竹内一夫さんと、
固い握手。

竹内さんの隣は髙島徹也さん、
イチコ協力会会長で㈱MS新潟常務。DSCN0042-6
一番左はブルーチップ㈱社長の宮本洋一さん。

宮本さんとは席で話し込んだ。DSCN0053-6

そして最後は、
イチコ会長の竹内寿さん。DSCN0046-6
78歳の竹内寿さんは、
商品に造詣が深い。
そのモットーは、
「安全でごまかしのない商品を扱うこと」

竹内寿さんの経営方針が、
まさにマーケットニッチャーそのもので、
イチコは上越で存在感のある会社として、
スーパーマーケットの地位を築いてきた。

ニッチとは「正当に位置づけられた存在」。
規模のメリットを追いかけない。
しかし隙間企業ではない。

イチコは全国でも珍しい、
そのマーケット・ニッチャーだ。

懇親会を途中で辞して、
帰浜の途につく。

とはいっても、今、
桜の最盛期。

上越市の高田城周辺は、
日本三大夜桜の地。

車で桜並木を走り抜ける。DSCN0055-6

屋台が繰り出して、にぎやかだ。DSCN0057-6

そして夜桜は、もちろん見事。DSCN0061-6

写真左下に高田城が浮かび上がる。DSCN0063-6

竹内寿会長と一夫社長はうまくいっているが、
鈴木敏文会長と井阪隆一社長は、
うまくいっていないのだろうか。

ホームセンター業界では、
㈱DCMホールディングスと、
㈱ケーヨーが統合。
6000億円弱の企業となる。

経営統合やトップの交代が頻発するが、
組織経営のベースには、
人間同士の「信頼」があるはず。

それを見失ってはいけない。

〈結城義晴〉

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