鈴木敏文、自ら退任・引退。
セブン&アイ・ホールディングス会長。
歴史が動いた。
セブン&アイの決算発表の予定が変更され、
緊急記者会見が開催された。
記者会見への出席者は4人。
鈴木さんと村田紀敏セブン&アイ社長、
そして後藤光男さんと佐藤信武さん。
後藤、佐藤両氏はセブン&アイ顧問。
創業者の伊藤雅俊名誉会長と、
鈴木敏文さんの間を繋ぐ役割を担った二人。
今日のセブン&アイの取締役会に、
井阪隆一セブン-イレブン社長退任案が、
鈴木さんの主導で提出された。
結果は、賛成7票、反対6票、白票2票で否決。
それを受けて、鈴木さんが退任を決意した。
その夕方の記者会見。
詳細はWeekly商人舎で、
緊急特別企画を編集する。
鈴木さんは記者会見の冒頭で語る。
「5期連続で最高益を出し、
2017年2月期も最高益を達成できるだろう。
『グループのお荷物』といわれている
イトーヨーカ堂も見通しが立てられ、
逃げ出すわけではないと
納得できたのが今日のことだ」
その後、鈴木さんは、
「世代が変わった」と、
意味深長な発言をした。
そして「獅子身中の虫がいた」
これも意味深長。
そして最後の質問、
後継者が育てられなかったのか?
「不徳の致すところだ」
これが鈴木敏文最後の言葉。
おそらく今後、
こういった記者会見には一切、
出ないだろう。
最高益を出して花道を飾る。
しかしきっぱりと退任して、
あとのことは任せる。
自分はまったく関与しない。
ただしこの間の経緯は、
後藤、佐藤の両氏に発言させて、
主張したいことはする。
伊藤雅俊さんとの関係、
井阪さんの動きが、
鈴木側近の二人から語られた。
しかし、実際に、
そんなやり取りがあったとしても、
それは公にすることではない。
鈴木さん、ちょっと大人げない。
駄々をこねて辞めて、
あとは知らん、といった感じ。
それでも鈴木敏文のこれまでの偉業は、
否定されることのない実績だ。
その業績を認めたうえで、
後藤新平の言葉。
金を残すは下なり、
仕事を残すは中なり、
人を残すは上なり。
さて、今日は福島県いわき市へ。
上野から常磐線特急ひたちで約2時間。
車窓は春の嵐、海も空も灰色。
勿来にある㈱マルト商事本社。
2月に実施されたアメリカ視察の報告会。
ラスベガスとサンフランシスコ。
2都市を5泊7日で回った。
はじめに安島浩社長のあいさつ。
今年のマルトのテーマは「実行」。
アメリカで学んだことと、
帰国後に実行したことを、
7チームが発表する。
鮮魚、精肉、惣菜、果物、野菜、寿司、
各部門の担当者が次々に発表。
果物の黒川亜紗子主任は、
カットフルーツの取り組みをを報告。
野菜チームは、
ベビーリーフとケールを生産者を巻き込んで
強化していることを発表。
茨城県にある佐和店の齋藤則雄店長が、
マネジメント改善について丁寧に報告。
1チーム20分の持ち時間を存分に使って、
とても良い取り組み報告だった。
1チームずつの報告に対し、
コメントを寄せつつ、
5つのポイントを説明。
消費者の変化を、
ヤオコー会長川野幸夫さんの言葉で説明。
「十人一色」⇒「一人十色」へ。
まとめはドラッカーのコミュニケーション論。
そして「祈り」。
やや時間をオーバーし、
1時間ほどの講和。
最後に横田晋一団長がまとめの挨拶。
取締役いわき地区副本部長。
研修会終了後は、
小名浜へ。
雨が上がり、
いわきの海岸には薄日も差してきた。
海岸線に沿って防潮堤が続く。
先付から始まり、刺身、ステーキ、揚げ物、
そしてこの家の名物アンコウ料理。
おいしいワインで味わいながら、
経営幹部の皆さんと会食。
左から、横田副本部長、
安島誠専務、安島社長。
私の隣は安島由美子さん、ファミリー社長。
そして右が事務局の小宅勇也さん。
マルトの報告会と講話の間に、
鈴木敏文さんの記者会見が始まり、
休憩時間にパソコンで、
そのライブを見た。
私なりの総括はしなければならない。
それにしてもセブン&アイ・ホールディングス、
いったい、どうなるのだろう。
どうするのだろう。
人をつくり、人を残す。
そんな組織体でなければならないことだけは、
確かだ。
私はそう思う。
〈結城義晴〉