サンフランシスコに着いて、
活動している。
日本では熊本地震が、
まだおさまらないようで、
48名の方々が亡くなられた。
謹んで哀悼の意を表したい。
一方、麻痺していた交通網は、
回復の兆しを見せる。
交通が回復すると、
物流網も改善され、
物資が届けやすくなる。
九州自動車道は、
不通区間が一部で緊急車両だけ開通。
全線運休の九州新幹線は、
一部区間で運転再開。
空の便も、
熊本空港が一部の運航を再開。
電力、ガス、水道などライフラインも、
復旧に向けて急ピッチ。
日本の実力が発揮される。
もちろん小売りサービス業は、
懸命の復旧作業で、
次々に素早く店を再開している。
それでも熊本県内で9万人以上の人々が、
避難生活を続けている。
非常時対策の5段階。
①救助
②救済
③復旧
④復興
⑤振興
東日本大震災の時の、
堺屋太一さんの見解。
この非常時の5段階には原則がある。
「軽いものから先に」
第1に、最も急ぐ軽いものは「情報」。
第2は、「生活物資」。
まず「飲料と医薬の配布」。
その次が「緊急の食料」。
そしてその次が「燃料と衣料」。
第3は、「安全な生活空間の準備と、
そこへの搬送、そして仮設住宅の提供」
この第3までが「①救助」である。
被災してから10日間が救助活動の段階。
「軽いものから先に」
わかりやすくて重要な教訓だ。
さて、私はダラスから、
サンフランシスコに移動した。
一昨日になってしまったが、
ダラス・フォートワース国際空港の近くに、
緊急の宿をとった。
ウェスティンホテル。
豪雨・雷雨のため、
航空便が欠航したからだ。
一晩休んで、
昨日は午前中、
足止めされた。
バスもチャーターできず、
航空便も午後になった。
そこで午前中、急きょ、
特別セミナー。
会議室など手当てできないので、
ホテル内のレストランを借りた。
丸テーブルを演台にして1時間半。
古いけれどディーン・マーチンの気分。
コーポレートアイデンティティと、
オーガニックについて、
じっくりと語った。
こんな経験は初めて。
しかし、気合が入った講義だった。
講義のあと、私だけ、
一人で空港へ。
私の便だけ、確保できたからだ。
団員は午後3時の便で、ロスに向かい、
そこから乗り換えてサンフランヘ。
昨年11月以来の一人旅。
疲れ切っていて、
機中の4時間は熟睡。
あっという間に到着して、
バッゲージクレイム。
サンフランシスコ国際空港は、
ダラスより暖かかった。
一人旅なので、
Bartでダウンタウンまで行くことにした。
エスカレーターを登って、
無人運転のエアー・トレインへ。
空港を見下ろしながら、
Bartのサンフランシスコ空港駅まで。
自動販売機でチケットを購入。
そして入り口。
Bartはベイエリアをぐるっと回る鉄道で、
サンフランシスコ市内では地下鉄になる。
こんな車内。
トランクを持ち込むから、結構、広い。
フリーウェイを見下ろして、
空は快晴。
ベイエリアを囲む路線。
パウエルストリートで下車。
地上に上がると、
ケーブルカーの終着点。
そしてホテルニッコー。
快適な部屋について、
すぐに湯につかる。
それが私のやり方。
しばらくして日が沈む。
夕方の7時半に空港から電話。
全員到着。
そしてかねて予定に入っていた行動。
私が合流する。
目的地はAT&Tパーク。
メジャーリーガーの像。
ウィリー・メイズ。
海側のスタジアム入り口で合流。
よかった。
検閲の厳しいゲートを入る。
これがチケット。
席は130番。
レフト側の前列。
もうゲームは進んでいて、
4回に入っていたが、
サンフランシスコ・ジャイアンツが、
1対2でリード。
相手はアリゾナ・ダイヤモンドバックス。
サンフランシスコはこのところ2年おきに、
ワールドシリーズで優勝する強豪。
すごい応援にのって、
追加点を挙げてリードを広げる。
3番打者バスター・ポージー。
外野席上段には、
コカ・コーラの巨大ディスプレー。
大リーグ観戦は、
ビールとホットドック。
これが定番中の定番の4番打者。
団員もダラスの足止めを忘れて、
満足気。
つらい旅の中の、
つかの間のエンジョイ。
追いつ追われつの好ゲーム。
しかし、攻守交替の間に、
巨大スクリーンで「キスカム」KIss Cam。
これも楽しい。
応援団の鳴り物なしの球場は、
ほんとうに安らぐ。
そしてゲームは進んで、
8回裏。
ジャイアンツが6対7でリード。
勝利間違いなし、と思って、
9回表にホテルに帰ることになった。
長旅で疲れていて、
もう10時半を回っていた。
最後に写真。
集合場所にみんなが集まってくる。
このはしゃぎ方。
ダラスでの豪雨被害を吹き飛ばす。
そんなメジャーリーグ観戦だった。
球場から歓声が聞こえる。
海際のスタジアム、
カモメが群れとなって舞っていた。
美しいサンフランシスコAT&Tパーク。
ホテルに帰ってから、
バーで一杯やっていると、
9対7でジャイアンツが負けたとの報。
それでも、楽しいメジャーリーグ体験だった。
昨夜は熟睡。
一夜明けて、
朝、7時15分から講義。
25階のセミナールーム。
サンフランシスコダウンタウンを、
見下ろして絶景。
初めに副団長・三田村勝彦さん。
アルプラザ茨木支配人。
そして結城義晴の総括講義。
まずはこの研修の、
初日からの学習を振り返る。
そしてメインは商品戦略論。
丁寧にわかりやすく語る。
コモディティ化現象とは何か、
それはいつ発生したのか。
どう対応すべきなのか。
最後はバリューエンジニアリング。
二日続けて朝の講義。
そしてメジャーリーグ観戦。
天変地異で大幅に予定が変更されたが、
全員元気で、頭のほうの学習は、
いつもより進んだ。
心も満たされた。
足りないのは、
現場現物に当たること。
それを講義の後に集中展開。
私たちの災害対策も、
「軽いものから先に」に
なったのかもしれない。
(つづきます)
〈結城義晴〉