上海オークラガーデンホテルで目覚めた。
もう疲労困憊。
このところのハードワークが堪えた。
そのうえ、昨晩はマッサージに行って、
体をほぐした。
マッサージは基本的に、
体を疲れさせて、
より良い睡眠を達成させるものだと、
改めて確認して、
熟睡。
朝から、メトロへ。
ドイツナンバー1小売業の、
キャッシュ&キャリー業態。
次に、大発見。
アリババのリアル店舗。
へマ・ライフセンター。
6月にオープンしたばかりのネットスーパー。
これは日本を完全にしのいでいる。
マネジャーたちにインタビュー。
あまりにすごいニュースなので、
これは後日、丁寧に報告する。
それからロータス。
正大広場の商業施設に、
吹き抜けのエントランスを設ける。
中国の商業施設の水準は、
格段に上がっている。
その核店舗ロータスは地下2階。
店内ツアーで説明を受ける。
案内してくれたのは、
上海CPのCEO周さん。
正大集団はタイのCPグループの中国企業。
そのCPはタイ最大のコングロマリットで、
農業や食料品加工、食品小売業を中核とし、
通信、不動産など8分野で事業展開。
ASEAN各国や中国を中心に世界13カ国、
ロンドン証券取引所上場企業、
すごい会社。
周さんは上海CPのCEO。
英語ではJoe Zhouさん。
中国のウォルマートでCMOを経験し、
この会社ではCEO。
ちなみにCMOは、
チーフマーケティングオフィサー。
その周さん自ら、
店頭で案内しつつ解説してくれた。
ロータスの店づくり、品ぞろえなど、
基本的にガイダンスしてもらった後、
店内ツアー。
青果売り場の導入部では
フルーツギフトの展開。
柱周りに並べたフルーツ類。
コーナーに円形什器を置いて
見事なプレゼンテーション。
対面方式のデリ売り場。
寿司コーナーはテナントによる営業。
日本人形が飾ってある。
対面方式の冷蔵ケースで、
生肉、サラダやハムソーなどの惣菜を売る。
菓子売り場。
卵の殻を模した什器が目を引く。
ロータスを経営する正大食品の商品。
天井はスケルトン、
照明はスポットを多用。
通路幅も広く、
日本のスーパーマーケットをしのぐデザイン。
ワイン売り場も見事なものだ。
しかし、ネット通販に押され
リアル店舗は苦戦。
ロータスも例外ではない。
高所得を狙ったこの店は、
当然ながらワインを充実させている。
グロサリーのゴンドラ什器のエンドはR型。
商品の視認性が良い。
㈱万代の阿部秀行社長(真ん中)、
下岡太市福社長、
そして通訳の日本アクセス・金山雨叶さんと。
上海ロータス、それでも、
いい店だった。
今日は高級スーパーマーケットをめぐる。
午後はシティスーパーを訪問。
店の真ん中が円形になっていて、
その中央に料理教室。
なんとも大胆なレイアウトで、
香港出身のシティスーパーの上海第1号店。
料理教室の周辺に、
円形に売り場が構成される。
入口から青果部門になるが、
その陳列は洗練された高級感がいっぱい。
高級スーパーは、
生鮮とデリカテッセンが特徴。
第1号店をあらかじめ視察して、
最高レベルの第3号店に移動。
ここで上海シティスーパーの
シニア・ヘッドの矢野貴己さんに、
丁寧に解説してもらった。
阿部さんと握手。
矢野さんはじめ、
上海幹部の皆さんが、
4班に分かれて店内ツアー。
万代・下岡副社長も加わって写真。
横長のレイアウト。
青果の導入部分にミッキーマウス。
そしてデリカテッセン。
青果から鮮魚、精肉、惣菜と、
冷蔵コーナーが続く。
プロモーションコーナーは、
2週間ごとに入れ替わる。
この店にも料理教室。
グロサリーは輸入食品など充実させて、
この店にしかない商品で特徴を出す。
最後はチェックスタンド。
ここでも上海随一のホスピタリティ。
バックヤードも見せてもらった。
その事務オフィス部分。
スマイルの写真が掲示されて、
中国人従業員たちに、
ホスピタリティを定着させようとしている。
シティスーパーは㈱阪食と連携して、
中国最高の高質スーパーを、
各地で展開しようとしている。
その意図が実に鮮明に出た店だ。
14億人に迫る中国の人口。
したがって高所得者は多い。
しかも中産階級が増えている。
その層も高級商材を熱望している。
中国におけるシティスーパーの可能性は高い。
一方、新世界大丸百貨店。
その地下にあるオレ。
中国ナンバー1の華潤万家が経営する、
高級スーパー。
残念ながらこちらは、
負け組。
高所得者の人口も多い中国だが、
ダメなものはダメ。
これもEコマースに、
大きな影響を受けているのだろう。
このほか、ユニクロにも寄って、
夜は静安8号へ。
九州の和食うまや。
ほっとひと安心で、
空気が和む。
うまい日本食とビール、日本酒、ワインなど、
堪能して締めの言葉は、
日本アクセスの寺町豊さん。
近畿エリア統括兼大阪支店長。
中国経済の成長鈍化が喧伝されている。
しかし経済成長は昨年度6.9%。
もちろん消費意欲は世界一強い。
それをとらえた高級スーパーにも、
明暗が出ている。
その背景にEコマースの成長がある。
アリババのネットスーパー。
これは優れもの。
頭の中に、
そのへマ・ライフセンターが残っている。
(つづきます)
〈結城義晴〉