中国・上海にいても、
アメリカでのイチローの活躍はうれしい。
イチローのマーリンズは、
サンディエゴでパドレスと対戦。
1番ライトで先発出場のイチローが、
5打数2安打。
メジャーリーグ最多安打記録は4256本。
ピート・ローズが持つ。
それをイチローは日米通算で抜いて、
4257安打。
イチローは日本のオリックスで1278安打、
メジャーでは通算2979安打。
日米通算にはあまり意味はないと思うが、
メジャーリーグでは現在、歴代31位。
日本の通算第1位は張本勲3085安打。
2位は野村克也2901安打、
3位が王貞治2786安打。
メジャーが日本プロ野球より、
レベルが高いかどうかはわからないが、
それでも日本人選手としては、
圧倒的なトップ。
すばらしい。
糸井重里さんが『ほぼ日』で評価する。
｢この人は、本業の野球ばかりでなく、
ことばを芯でとらえることを狙っている｣
うまいね。
イチローは開口一番、こう言った。
｢ここをゴールに設定したことがないので、
実は大きなことという感じはまったくしてない｣
｢彼はずっと若いときから
『打率は計算の結果で出てくる数字だから、
目標として設定しようがない。
安打の数は、
あと何本というように考えられる』
と言っていた男だ｣
｢そういう人が、
日本の何本とアメリカでの何本を足すと、
なんてことを計算したり
その数字を見つめたりしていたはずがない｣
それよりも糸井さんは、
イチローのこの発言に注目する。
｢いつかアメリカで
ピート・ローズの記録を
抜く選手が出てきて欲しいし。
それはジーターみたいな人格者というか、
であることが理想です｣
｢ジーターという選手も、
むろん個人記録を持っている。
しかし世界的な記録が故に、
多くの人びとから敬われ
愛されているのではないということと、
そういう選手がじぶんの憧れだということを、
記録を祝われている場で語っていたのだった｣
そして最後に糸井重里。
｢イチローのことばが、
またヒットを放っていた｣
うまいね。
さて私は上海4日目の朝。
今回の勉強会の総括講義。
1時間45分。
はじめはブログを映写して、
視察を再現し、解説。
それから上着を脱いで、
中国流通業の最新情報の整理。
我々が「自分の目で見、耳で聞いた｣ことと、
中国の最新トレンドを整理した。
｢オムニチャネル経済圏｣を形成し始めた中国。
｢後進の先進性｣が現実のものとなった。
そのなかで逆に、
永輝超市やRTマート、オーシャンの、
対面販売、側面販売がリアリティをもつ。
｢予期せぬこと｣が見えてきた今回の研修会。
それをイノベーションにつなげたい。
講義のあとは、
ホテルの前で全員写真。
それから最後に少しだけ観光。
上海観光といえば、
豫園(よえん)。
上海市の黄浦区安仁街にある明代の庭園。
豫園の意味は｢楽しい園｣
面積は約2万m²。
真ん中に池がある。
1000年前につくられた鉄製の獅子像。
雌雄一対の雄獅子で、
毬を足の下にしている。
遊廊。
龍壁の龍。
壁の上の三本爪の龍。
そして中国三名石といわれる太湖石。
蘇州付近の太湖周辺から切り出される、
穴の多い複雑な形の奇石。
昼食は飲茶。
小籠包の本家を名乗る｢南翔饅頭店｣
ここでいただきました。
それから新天地。
旧フランス租界に、
石庫門と呼ばれる長屋住宅があった。
それを取り壊して、
新たに再現した再開発地区。
2000年に開業したホットスポット。
この新天地で私たちは、
エスプレッソなど飲んで休んだ。
ティータイムが終わったら、
浦東(プードン)国際空港へ。
慮浦大橋を渡る。
世界最大のアーチ橋。
黄浦江(こうほこう)が見える。
2010年の上海万博跡地。
高速道路はやはり渋滞。
接触事故で公安が出動中。
最後にバスの中で、
15分ほどのメッセージ。
｢よく働こう｣
そして上海浦東国際空港。
団員は関空へ、私は成田へ。
これで帰ります。
D86ゲートからANA960便。
飛び上がって、上海の外海はどんより。
空は美しい。
そして日が沈んでゆく。
日本時間21時30分、
成田国際空港に到着。
お疲れさまでした。
しかし、この旅で私たちは、
オムニチャネル経済圏を垣間見た。
｢後進の先進性」などと、
高をくくってはいられないことを知った。
今回のドライデイリー会上海勉強会は、
｢芯｣をとらえていたか?
〈結城義晴〉
