関東甲信地方、梅雨明け。
ただし気象庁の発表は、
「梅雨明けしたとみられる」
相変わらず、歯切れは悪い。
昨年より18日遅いし、
平年からは7日遅れ。
北海道は梅雨がないから、
残るは東北のみ。
梅雨入りしたのが6月5日、
梅雨明けが7月27日。
だから今年の関東甲信地方は、
53日間の梅雨期間だった。
この間の総降水量は、
東京で256ミリ、平年の86%。
千葉・銚子では204ミリで同77%、
宇都宮では192ミリで同55%。
梅雨明け後の夏の季節、
水不足が心配になる。
水欲しと大地口開く旱(ひでり)かな
〈朝日俳壇より 津山市・ 池田純子〉
「ぱっくりと大地に開いた大きな口。
暗く赤い口である」
今日は朝から東京・御成門。
東京タワーも芝公園の緑も、
曇り空に、やや元気がないか。
それでも夏らしいムッとする空気。
昼を過ぎると、ちょっとだけ、
日が射してきた。
木々も元気を取り戻す。
大本山増上寺は、
明日の7月29日(金)と30日(土)に、
それぞれ18:00から21:30まで、
恒例の盆踊り大会を開催する。
なんだか、滑稽な気がするが。
今日は恒例の取締役会。
カスタマー・コミュニケーションズ㈱。
全国パネルのビッグデータを生かして、
ドルフィン・アイの進化バージョンを開発。
取締役会では、それが披露された。
スーパーマーケット500カテゴリー、
ドラッグストア250カテゴリー。
その購入点数や購入額のトレンドが、
メーカー別、商品別、カテゴリー別にわかる。
前年トレンドとの比較ができるし、
平均価格のトレンドもつかめる。
もちろんカテゴリーごとの、
売行きランキングも知ることができる。
分析結果はスピーディにファイル出力される。
スピードと使いやすさ。
私もこれを使えば、
すぐに商品カテゴリー別に、
トレンド分析原稿が書ける。
さて昨日は夕方7時から、
イオンメディア懇談会。
パレスホテル東京4F山吹。
毎年この時期に、マスコミを集めて、
イオングループ企業のトップほぼ全員と、
立食の懇談会が開催される。
冒頭で、岡田元也イオン㈱社長がスピーチ。
毎回、この話がとてもいい。
「イオンには三つのコンセプトがあります。
平和産業、人間産業、地域産業。
もしわれわれが本当に、
この三つを実現できているとしたら、
いま、われわれには、
すごい追い風が吹いています」
「とりわけ地域産業という面では、
地方のミスマッチ・アンマッチに対応すれば、
相当大きなビジネスになる」
東北での行政トップなどとの交流を語って、
岡田さんは自信ありげだった。
「この方針は決まった!!」
つまり、地域産業としてのイオンの戦略は、
もう変更なしで突っ走るということだ。
それからイオンリテールとダイエーに関して、
「地に足の着いた動きが見えてきた」
ここでも、岡田さんは、
ずいぶんと自信を持っているようだ。
イオンは4つのシフトを設定している。
①アジアシフト
②都市シフト
③シニアシフト
④デジタルシフト
この4つのシフトにも、
「横ぐしを刺していく」
セブン&アイ・ホールディングスは、
鈴木敏文さんの退任によって、
展望を喪失した観がある。
うがった見方をすれば、
岡田さんはあえて「意思」を鮮明にして、
その対比を浮かび上がらせたのかもしれない。
その後、イオンのPBビールで乾杯。
さらに「トップバリュ de フルコース」を堪能。
イオンリテール㈱社長の岡崎双一さん、
副社長の久木邦彦さんとは、
突っ込んだ議論をした。
カスミ会長の小濵裕正さんとも、
西友の上野光平先生の話で盛り上がった。
それからイオン東北代表の村上教行さんとは、
東日本大震災の話などで意気投合した。
イオンディライト㈱社長の中山一平さん、
㈱ツヴァイ社長の縣厚伸さん、
ビオセボン・ジャパン社長の土谷美津子さん、
そして㈱ジーフット社長の堀江泰文さん。
時間が足りなかった。
最後の最後は、
岡田さんとふたり、
アメリカチェーンストア談義。
ホールフーズ365やトレーダー・ジョー、
クローガーとウェグマンズ。
私は上海のアリババのことも話した。
互いにそれぞれに見ていながら、
認識が一致していることに驚いた。
そして固い握手。
世界チェーンストアウォッチャーとしての、
同志のような握手だった。
(写真は昨2015年1月16日撮影)
帰りのお土産は、
いつもトップバリュ。
そしてWAONの資料など。
これもずっと変わらない。
マスコミにも、地域コミュニティにも、
プライベートブランドを提供して、
理解を深める。
そう、プライベートブランドは、
ポジショニング戦略の上で、
必須の存在価値を示す武器なのである。
最後に今日も、
西友ストアー時代の社内報から、
1967年6月の「今月のことば」
支配人・上野光平書き下ろし。
「私たちに課せられた課題の大きさに比べて、
私たちの仕事の質の低さに
いらだたざるを得ないのも事実であります」
「私たちの課題は、
『最高で比べるものもない』
ということであります。
私たちの規模と社会的責任とは、
私たちに最高かつ無比の仕事のレベルを
要求しております。
私たちはこの要求に
こたえなければなりません」
「商品部の諸君、あなた方は
戦略商品群について、
『最高で無比の』戦略体制を
実現しているのでしょうか。
管理部の諸君、あなた方は、
経営管理の精度と合理化と
管理コストにおいて、
『最高で無比の』業績を
達成しているのでしょうか。
店舗の皆さん、あなた方は
高い労働生産性と
低い店舗コストによる運営によって、
『最高で無比の』店舗運営を
しているでしょうか」
そして最後のきめの言葉。
上野光平の真骨頂。
「課題への挑戦には、
自己満足のひとかけらも
許されないのです」
イオンの諸君にも、
セブン&アイの諸君にも。
もちろん現在の西友にも、
平和堂やイズミにも。
さらにライフにもヤオコーにも、
ヨークベニマルにも万代にも、
サミットにも関西スーパーにも。
それ以外のすべての知識商人たちにも、
この上野光平の言葉を贈ろう。
「最高で無比の仕事をしよう」
〈結城義晴〉