結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年08月31日(水曜日)

「寒い消費・値下げの夏」の経験価値と紀文お正月フォーラム

2016年8月最後の日。

台風10号は記録的な豪雨をもたらした。
岩手県では11名の方々の命が奪われた。
北海道では3名の行方不明。

ああ。

地震列島の日本、
台風列島でもある。

いつもいつも、
高齢者や弱者が被害に遭う。

私たち自身の社会として国として、
本当に悲しいことだ。

心から哀悼の意を表したい。

8月最後の日の今日は、
様々な変化のニュース。
その中から三つを選んだ。

まず東京・築地場外市場の、
豊洲への移転が延期される。

世界最大のシーフードの中央卸売市場。
今年11月7日の移転予定に、
小池百合子知事がストップをかけた。

そんなに簡単に延期できるのか、
そんなにずさんな計画だったのか。

当事者ではないので、
判断はできないけれど、
小池知事の言う「都民目線」と、
市場関係者の「業界目線」と、
これを推進してきた「政治家目線」と。

ここは、絶対に、
「売り手良し、買い手良し、世間良し」
「三方良し」でお願いしたい。

日経新聞調査。
「寒い消費 値下げの夏」

全国約440小売店の日経POSデータで、
食品50品目、日用品30品目を調べた。

7月段階で前年同月比で、
値上がりは38品、値下がりは42品。
全体の52.5%が値下がり。

値下がりの内訳。
食料品24品目、日用品18品目。

この値下がりの理由。
社会保険料負担増などによって、
所得は伸び悩んでいる。
将来不安もある。

つまり消費者心理の萎縮。

それにチェーンストア各社が対応しようと、
値下げに踏み切る。

つまり低価格消耗戦。
しかし、これは私の持論だが、
低価格作戦には限界がある。

この「安さ」に関して、
昨日の朝日新聞『折々のことば』

どんどん安くなっていく新品ばかりを
買い続けていくとどうなる。
全部サラに買い換えたら
残された私はどうなる。
(京都・錦の漬物屋店主バッキー井上)

編著者の鷲田清一さん。
「修繕するより
新しいのを買うほうが安いというのは、
かんに障るけれど本当だ」

これこそコモディティ化現象の典型。
新しいものほど、
品質や内容は良いし、安くなる。

バッキー井上は、
日本初の酒場ライターでもある。
「だが安いのがいいなら
誰もバーなんかに行かない。
しみる、落ちつく、ゆるむ、
泣かせる場所がサラになれば、
そこに通う理由も失せる」

新しくて安ければいいかといえば、
酒場は、そうではない。

経験価値が酒場商売にはある。
これが面白い。

小売店舗も経験価値の場であれば、
価格だけの消耗戦から脱出できる。

さて、昨日に引き続き、
今日も東京・東銀座の時事通信ホール。
「紀文お正月フォーラム2016」
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新橋から東銀座までタクシーで移動。
今、新橋駅では、
初乗り410円タクシーの実証実験中。
そのタクシーに乗ってみた。
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東銀座まで500円コインでおつりがくる。
730円の初乗り車に比べ、得した気分。

新宿と新橋の駅前で実験中。

会社での仕事が長引いてしまい、
今日は山本真砂美さんの提案から参加。
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北海道から中部までの、
40社80名のトップ、幹部、
そしてバイヤーの皆さんが参集。

正月商戦では、
既存顧客、新規顧客の取り込みを
いかに行うか。

それが紀文の今年のテーマだ。
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結婚情報誌『ゼクシー』とのタイアップなど、
今年の紀文は面白い。

さて、講演の最中も、
会場の外では、
スタッフが懸命に懇親会の準備。
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あっという間に、
テーブルセッティングが完了。
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そして、最後は、
結城義晴の正月商戦提案。DSCN8649-1

今日は昨日よりも少し力が入った。
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アメリカでは7月4日の独立記念日が終わると、
ホリデーシーズンまでに、
4段階でプロモーションを仕掛ける。
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日本も正月商戦まで、
消費を喚起し続けなければならない。
消費の基調、マーケティングの考え方などを、
昨日同様に、提示した。
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低価格消耗戦が予想される秋から年末。
もちろん低価格対応すべきところはする。
しかし、それだけでは勝利はない。
経験価値マーケティングも、
「全店惣菜化」も必須である。

最後は日本代表のハリルホジッチ監督。
その言葉が今の小売業界をも表現している。
「負けるための準備はするな!」
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これが私からのメッセージだ。
つまり低価格消耗戦からも、
逃げ出してはいけない。
それだけでもいけない。

どうするかは、
このフォーラムで示された。

ご清聴に感謝したい。

講演会を終えると、
セッティングされたテーブルを囲み懇親会。
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心づくしの和食が供され、
酒がふるまわれる。
これがとても美味。
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㈱いなげや社長の成瀬直人さん、
デイリー食品部長の米山知治さん(左)。
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ららぽーと立川立飛の店舗を取材したばかり。
詳細は『商人舎magazine』Weekly商人舎、
[短期集中連載]首都圏最新店舗研究で報告。

私の左は、
㈱静鉄ストア社長の竹田昭男さん、
取締役商品部長の鷲山慶一さん。
そして右隣は、
㈱遠鉄ストア社長の桑原俊明さん。
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ユニー㈱の皆さんとも。
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明日9月1日にファミリーマートと合併する。
最後の日に皆さんの名刺をいただいた。
私の隣から渡辺昌彦さん。
食品本部長兼アピタ食品部長。
伊藤輝志さん、㈱99イチバ社長。
石田康英さん、
鮮魚部長兼ピアゴ食品部鮮魚部長。
小池くるみさん、
食品企画部食品営業担当部長。
そして99イチバ商品部長の江間俊明さん。

㈱オギノ営業企画室のお二人、
手塚帰一さん(左)と吉岡茂美さん。
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手塚さんは総括マネジャー。
吉岡さんは手塚さんの後任で、
FSPを担当する。

久々にお会いしたのは鈴木秀夫さん。
㈱サンベルクスホールディングス社長。
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右は常務取締役の池田昭男さん。
ホームセンターの上階に新店出店の予定。
楽しみだ。

そして昨日、今日と、
素晴らしいプレゼンテーションをしたお二人。
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正月担当の山本真砂美さんと堀内慎也さん。
お疲れさまでした。

最後の最後は高市泰明さん、
高橋明営業本部長を中心に、
営業スタッフ全員がそろって記念写真。
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東日本フォーラムは大成功。
これから営業の皆さんの勝負が始まる。
がんばろう。

2日間のフォーラムを終えて
私も満足。

西日本フォーラムは、
9月13日(火曜日)、
大阪駅前のブリーゼプラザ、
旧サンケイ小ホール。

皆さん、お越しください。

それにしても、
私たちの社会、
私たちの国。

高齢者も弱者も、
幸せになれる社会と国にしたい。

〈結城義晴〉

2016年08月30日(火曜日)

紀文お正月フォーラム2016講演と日髙良実の乾物イタリアン

迷走台風10号、岩手県に上陸。
心から、お見舞い申し上げます。

毎日新聞巻頭コラム『余禄』

「台風銀座」という言葉。
最近は耳にしなくなったが、
「この夏の台風銀座は、
北海道かもしれない」

「東北の海岸線は、
東日本大震災によって地盤が沈下し、
高潮の被害を受けや すい」

「大げさすぎるくらいの備えが
欠かせないだろう。
去ってみれば
たいした被害もなかった、
と胸をなでおろしたい」

まったく同感だ。

さて、今日は午後、
東銀座にある時事通信ホールへ。
「紀文お正月フォーラム2016」
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今年は東日本フォーラムが、
今日30日と明日31日の2日間。

初の開催となる西日本フォーラムは、
9月13日(火)、場所は大阪ブリーゼプラザ。

台風10号の東日本への接近で、
今日の開催が危ぶまれたが、
無事、実施。

ご心配おかけしました。

東日本の総合スーパーや、
スーパーマーケットのトップ、
バイヤーの皆さんが参集。

残念ながら台風の影響で、
北海道や東北、北関東の参加者の一部は、
やむなく、キャンセルもあった。

それでも30社70名の方々が集まってくれた。

正月商戦への関心は高い。
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はじめに高橋明さんのあいさつ。
紀文食品常務執行役員営業本部長。
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その後、地域のおせちやお正月料理の紹介。
そして基調講演は、
正月の食文化の「謂れ」解説。
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講師は中村羊一郎先生。
歴史民俗資料学博士。
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紀文食品は正月の謂れを大事にし、
日本人が伝承してきた正月文化や暮らし方を、
若い世代に伝承していくことを、
ミッションのひとつにする。
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今年のフォーラムのメインプログラムは、
「顧客像を明らかに!」をテーマに、
グループ企画室のお二人が担当。

一人は堀内慎也さん。
商品企画課長。
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2016年の正月商戦を多角的に分析し、
消費者動向予測を紹介した。DSCN8560-1

もう一人は山本真砂美さん。
グループ企画室副室長。
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市場活性化のための、
「正月商品用意率アップの提案」を、
クラスター分析をもとに語った。
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素晴らしい分析とプレゼンテーション。
今年も月刊商人舎10月号に書いてもらおう。

このお二人の提案を受け、
結城義晴が総括の講義を担当。
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テーマは「負けるための準備はするな!」
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プロローグは、サム・ウォルトンの言葉。
もちろんウォルマート創業者。
1980年代のサムの考え方が、
この秋から年末までの商戦に生きる。

正月商戦の考え方と戦略を、
私なりに整理。
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参加者からの2つの質問にも答えた。
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フィリップ・コトラーの4つの財、
シュミットの経験価値マーケティングを
解析しながら、
正月商戦のマーケティングを語った。
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30分の総括講義、ご清聴を感謝。

その後、ホワイエを使って簡単な懇親・懇談。

㈱セイミヤ社長の加藤勝正さん。
講演をほめてくださった。
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左は紀文の高市泰明さん。

㈱相鉄ローゼン副社長の野口公一さん。
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いろいろな方にお会いした。
明日もまた、東日本の経営者の方々に、
お会いできる。
楽しみだ。

東銀座から広尾へ移動。DSCN8530-6

広尾散歩通り。
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その一角のポストモダンの建物。DSCN8533-6

レストラン「アクアパッツァ」DSCN8534-6

オーナーシェフは日髙良実さん。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」
テレビ朝日「食彩の王国」などに出演して、
大活躍の57歳。
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中庭(パティオ)が素晴らしい。
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日本の乾物を使ったイタリア料理。
それが今日のテーマ。
名づけて「乾物イタリアン」

これが素晴らしい。
実に滋味豊かで、
奥の深い料理となる。

わざわざ日髙さんが出てきて、
1品ずつ、説明してくれた。

バーニャカウダ。
ソースには鰹節が使われて、
実に微妙なうまさ。
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煮干しの卵サラダ。
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白ワインと赤ワインもイタリア産で、
これがすごくマッチしている。
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海苔クリームパスタ。DSCN8545-6
これが絶品。
イカ墨のパスタより、
私、好きだ。

塩昆布白ワインソースのシーフードソテー。DSCN8549-6

締めはとろろ昆布入りジェラート。DSCN8551-6

日高シェフと日本アクセスがコラボして、
乾物イタリアンが生まれた。

その仕掛人が、
写真後列の田中茂治さん。
㈱日本アクセス会長。DSCN8554-6
その田中さんのお招きで、集まった。
真ん中は玉生弘昌さん、
右が西田邦生さん。
玉生さんはプラネット会長、
西田さんはジャパン・インフォレックス社長。

プラネットは非食品のEDIの革新者。
ジャパン・インフォレックスは、
食品の商品マスタでEDIに貢献する会社。

田中さんの配慮で、
豪華な顔合わせが実現した。

考えてみると卸売業は、
こういったマッチングこそ、
本来の機能でもある。

「帳合の神様」などと呼ばれる田中茂治、
ならではの会合だった。

最後に日髙シェフを囲んでポーズ。DSCN8556-6
満足できる一日だった。

帰りのタクシーから、
東京タワーが美しく見えた。DSCN8560-6

この秋から冬の商戦は、厳しい。
負けるための準備はするな。

去ってみれば、
たいした厳しさでもなかった。
そう胸をなでおろしたい。

〈結城義晴〉

2016年08月29日(月曜日)

司修「欠点の魅力」とハリルホジッチ「負ける準備はしない」

Everybody! Good Monday!
[2016vol35]

2016年も第36週。
今週水曜日に8月が終わる。

2月期決算企業は、
上期の終了。

この上期は、第1四半期5月までで、
全体でみると、まあまあという線をいった。

もっとも小売業トップ2社は、
そうよくはなかったけれど。

イオンの第1四半期決算は、
営業収益2兆0461億円で前年比プラス1.3%、
営業利益328億7300万円で、マイナス5.8%、
経常利益346億7900万円で、マイナス3.1%。

セブン&アイ・ホールディングスは、
同1兆3947億円、マイナス3.2%、
同814億8300万円で、マイナス0.5%、
同823億8500万円で、プラス1.5%。

対してスーパーマーケットのトップ2社は好調。

ユナイテッド・スーパーマーケットHDは、
売上高1695億円で前年同期比3.9%増、
営業利益36億3900万円で3.2%増、
経常利益37億6400万円で7.4%増。

ライフコーポレーションは、
売上高1615億円で前年同期比4.9%増、
営業利益39億6600万円で15.3%増、
経常利益39億7600万円1.4%増。

しかし8月末までの第2四半期は、
全体に低調だったはず。

今週はその最後の3日間を終え、
下期へのスタートを切るとき。

正念場を迎える。

経営者・幹部はもとより、
社員・従業員全員の意識を集中させたい。

さて毎日書いているが、
迷走台風10号。


〈Yomiuri Onlineより〉

「大型で非常に強い台風」
つまり強風域が半径500km以上800km未満、
最大風速が44m以上~54m未満。

中心気圧は945ヘクト・パスカル、
中心付近最大風速45m、
最大瞬間風速60m。

明日30日には、
北日本から関東に接近して、
夕方には東北地方に、
強い勢力で暴風域を伴ったまま、
上陸する恐れあり。

東北地方の太平洋側上陸は、
1951年の統計スタート以来初めて。

つまり東北は強い台風に慣れていない。
土砂災害、河川氾濫、暴風・強風など、
十二分に警戒してほしい。

落蟬のかぜに吹き寄せられてをり
〈朝日俳壇より  寝屋川市・岡西恵美子〉
蟬の亡骸が風に吹き寄せられる。
台風には蹴散らされ、舞い上がって、
どこかへ行ってしまう。

風の田にうしろ姿の案山子かな
〈同  さぬき市・野崎憲子〉
「うしろ姿の案山子」がいい。

秋立つや新聞広げ石の上  
〈同 養父市・足立威宏〉
迷走台風だけれど、
それがやってきて、
2016年の秋到来。

さて、今週の私のスケジュール。
今日は午前中来客。
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右はイオンリテール㈱吉田元さん、
人材育成グループマネージャー。

その隣はイオンコンパス㈱の、
三好智さん、細川みゆきさん、
高柳優子さん。

10月の視察研修の打ち合わせ。
よろしく。

明日30日・明後日31日は、
紀文正月フォーラム2016。
東日本編が時事通信ホールで、
13時30分から開催される。

私は今年、総括講義を担当する。

台風10号上陸予想のため、
開催が危ぶまれていたが、
今日の午後、決定。
やります。

西日本編は9月13日(火)13時30分から、
大阪駅前のブリーゼプラザ。

お越しください。

明日の夜は、
㈱日本アクセス会長の田中茂治さんと会食。

9月に入って、1日、2日は、
月刊商人舎9月号の最終段階。

その9月2日は私の64回目の誕生日。

さらに3日の土曜日は、
立教大学大学院・結城ゼミOB・OG会。
今年はロングラン懇親会。

そして日曜日は、
スリーハンドレッドクラブ。

さて、朝日新聞『折々のことば』
昨日のことばがいい。

人間はだれでも
ひとつふたつ欠けているんですな。
その部分が魅力的になるか、
ならないかの問題なんですな

司修著『本の魔法』から、
鷲田清一さんが引用。
index

鷲田さんの博識ぶりには、
舌を巻く。

司修さんは、
画家、装幀家として著名だが、
小説家、エッセイストでもある。
1976年 『金子光晴全集』の装幀で、
講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。

大江健三郎の本は、
ほとんど司さんの装幀。

その司さんが河合隼雄さんと対談。
河合さんは、今は亡き臨床心理家、
京都大学名誉教授、元文化庁長官。

司さんは、自分のある絵に対して、
「どこか欠けている」と思っていた。

その絵を河合さんが褒めて、
先の言葉をつぶやいた。

ただし、ちょっと複雑だが、
司さんが河合さんとの架空の対話を綴った。
その対話の中のことば。

だから司修著、河合隼雄の言葉。
河合さんなら言ってくれたと、
司さんが考えた言葉。

もしかしたら、
本当に言ったのかもしれないけれど。

「欠けている所に
心のかたちが表れる」

欠点にこそ特徴がある。

「だからきっかけは歪(いびつ)でもいい、
いやそのほうが魅力が備わる」

店づくりや売場づくり、商品づくり、
POPを書いても、
ひとつふたつ欠けていてもいい。

その欠けた部分が魅力になる。

ただし、達人、名人級に達しなければ、
魅力になんぞ、なりようもない。

然り。

今朝の日経新聞、
「サッカー2018年W杯予選特集」

バヒド・ハリルホジッチ日本代表監督。
「すべての試合で我々の野心を見せて、
勝つことにトライする」

強気の監督の言葉、
頼もしいねえ。

社長も本部長も店長も、
こうでなくてはいけない。

「最悪なのは
勝つのも負けるのも
大差ないという人間。
そういう人間を私は
受け入れることはできない」

私も同感。

「私は負けるための準備は
したことがない」

素晴らしい。

秋の商戦、年末商戦。
「負けるための準備はするな」

そのために、監督は語る。
「我々のアイデンティティが何かを
はっきりさせなければならない」

これはポジショニング戦略そのものだ。

そのうえで、
「自分たちのオーガナイゼーションを
見つけないと」

オーガナイゼーションとは、
「闘い方の最適解」

2016年度の下期に向けて、
アイデンティティを明確にして、
オーガナイゼーションを見つける。

そのアイデンティティは、
欠けていてもいい、
欠けているところに、
心のかたちが表れる。

欠けていてもいい。
明快であることだ。

そしてその明快さが、
闘い方の最適解を導く。

司修の絵の中には、
欠けているところがあるかもしれない。

しかし技術は完璧だ。
だから作品は常に、
最適解を表現している。

みなさん、今週も、
闘い方の最適解を求めよう。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2016年08月28日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その16】台風

猫の目で見る博物誌――。
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猫の目は夜にも見える。
光のないところでも見える。
そんな猫の目で見る博物誌――。

台風に備へスーパー賑はへり
〈秋山英身〉

台風の本質は「熱帯低気圧」

トリプル台風が去ったと思ったら、
その一つが残って、迷走台風10号。

熱帯の海上で低気圧が発生する。
それは「熱帯低気圧」と呼ばれる。

その熱帯低気圧の中で、
二つの条件を備えるものを、
わざわざ「台風」と位置付ける。

人間に大きな影響をもたらすから。

その条件の第1は、
北西太平洋または南シナ海にあること。
北西太平洋とは赤道より北で、
東経180度より西の領域。

日本列島は、
東経123度から東経154度の間にあるから、
この中にすっぽり入る。

第2の条件はその低気圧域内の最大風速が、
10分間平均でおよそ秒速17m以上のもの。
この速さは34ノット、風力8。

台風は動く。

上空の風に流されるから。
もちろん大きな風は、
高い気圧団と低い気圧団の、
配置の関係で起こる。

しかし一方で台風は、
地球の自転の影響で、
北へ向かう性質をもつ。

だから、東風が吹いている低緯度地域では、
西へ流されながら次第に北上する。
そして上空で強い偏西風が吹く中・高緯度で、
速い速度で北東へ進む。

この中・高緯度が日本列島と重なる。

台風はエネルギーだ。

暖かい海面から水蒸気が上る。
それが凝結して雲粒になる。
そのときに放出される熱を、
エネルギーとして台風は発達する。

だから台風はエネルギーだ。

しかし、移動すると、
海面や地上と摩擦が起こる。

したがって台風は絶えず、
自らのエネルギーを失っている。

台風は赤道付近の海上で発生する。
発生期の台風。
1-2-1
〈気象庁ホームページ資料より。以下同じ〉

赤道付近の熱帯地方は、
海面水温が高い。

そんな熱帯の海上では、
上昇気流が発生しやすい。

上昇気流が積乱雲を生み出す。

積乱雲が多数、まとまると渦を形成する。
その渦の中心付近の気圧が下がり続けると、
熱帯低気圧となる。

その熱帯低気圧の風速が、
秒速17m超えたものが「台風」だ。

だから台風は、
「入道雲の集まり」と、
認識することもできる。

台風は発生し、発達し、成長し、衰退する。
つまりライフサイクルがある。

発達期の台風。
1-2-2
台風の条件を満たしてから、
中心気圧が下がって、
勢力が最も強くなるまでの期間を、
「発達期」という。

海面はあくまで暖かい。
そこから暖かい水蒸気が台風に供給される。
それをエネルギー源として発達する。

中心気圧はぐんぐん下がり、
中心付近の風速も急激に強くなる。

最盛期の台風。
1-2-3
中心気圧が最も低くなり、
最大風速が最も強くなる。

しかし台風が北上するにしたがって、
中心付近の風速が徐々に弱まる。
それが衰退期。
1-2-4
ただし衰退期には逆に、
範囲が広がる。

もちろん衰退期といっても、
台風には変わりないから、
風は強い。

その強い風の領域が、
衰退期には広くなる。

そして台風は普通の温帯低気圧、
あるいは熱帯低気圧となる。
1-2-5

地球の自転の影響で、
台風は北上する。

すると海面水温が低くなる。
そしてエネルギー源としての、
海からの水蒸気の供給が減少して、
普通の存在となる。

台風には大きさと強さの段階がある。

10分間平均の風速が基準となる。

「大きさ」は強風域の半径で示される。
強風域とは秒速15m以上の風が吹いている、
あるいは吹く可能性がある範囲。

大きさの階級分けは単純。
「大型」は半径500km以上~800km未満、
「超大型」は800km以上。
1-3-1
超大型は日本列島全域に影響を与える。

一方、「強さ」は最大風速で区分される。
これも単純。

「強い台風」は、秒速33m以上~44m未満、
「非常に強い台風」は、44m以上~54m未満、
「猛烈な台風」は54m以上。

この大きさと強さは、
気象情報を提供される場面で使われる表現。

だから「大型で強い台風」という場合、
半径500km以上で800km未満で、
秒速33m以上~44m未満の風が吹く。

ただし単に「強い台風」と表現される場合は、
強風域の半径が500km未満で、
中心付近の最大風速が33~43mのことを示す。

ちょっとした表現でも、
厳密な定義がある。

台風には仲間がいる。

サイクロンとハリケーン。
これはエリアの違い。

最大風速が17m以上の熱帯低気圧でも、
北インド洋と南太平洋にあるものは、
「サイクロン」

北大西洋と北東太平洋の熱帯低気圧のうち、
最大風速が32.7m以上が「ハリケーン」

世界気象機関は、
地理的な領域に関係なく、
熱帯低気圧を最大風速により分類する。
①トロピカル・デプレッション 17.1mまで
②トロピカル・ストーム 17.2~24.4m
③シビア・トロピカル・ストーム
24.5~32.6m
④タイフーン”typhoon” 32.7m以上

日本では、「野分」といった。
「のわき」あるいは「のわけ」と呼ぶ。

吹とばす石はあさまの野分かな
〈松尾芭蕉〉

「あさま」は浅間山のこと。

もう一句、松尾芭蕉。

芭蕉野分して盥に雨を聞夜哉
〈松尾芭蕉)

「盥」はたらい。

台風に揺られる芭蕉の葉、
庵の中は雨漏りで、それを受ける盥の雨音。

芭蕉は、芭蕉を思いつつ、
盥の音を聞いている。

しかし台風が過ぎ去ったあとには、
空は晴れわたる。

「台風一過」

のんきなセミの声が聞こえたりする。

猫はそれを待ち望むのみ。
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雨漏りはしない。

台風の来たりてコンビニ賑はへり
〈未曾 司〉

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

2016年08月27日(土曜日)

大久保賢の「ありあわせのもの・眠っているものを活用する術」 

迷走台風10号。
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〈NHK NEWS WEBより〉

中心気圧945ヘクトパスカル、
中心付近最大風速45m、
最大瞬間風速60m、
中心から半径130キロ以内で、
風速25m以上の暴風。

沖縄県南大東島の南東330キロの海上を、
時速15キロで東北東へ進んでいる。

大東島地方へは27日土曜日夜、
小笠原諸島へは28日日曜日。
30日火曜日には本州に近づくとの予想。

今日の千葉県の空。DSCN8526-6

そして森。DSCN8521-6

今日は久しぶりに峠の会に参加。
立野クラシックゴルフ倶楽部でラウンド。

さて昨日の『折々のことば』
朝日新聞一面のコラム。
鷲田清一さんの編著で、
もう500回を迎える。

もしかしたら伝統の『天声人語』を、
しのぐかもしれない。

求められるのは「創造性」よりも、
既存のものを活かす「創意」である。
……「発明」することではなく、
「発見」することである。
(大久保賢)

現代音楽は、
「未だ誰も聴いたことのない音楽を求め、
逆に隘路に入ったと評される」
鷲田さんのいう音楽学者は書く。

「『刷新』への強迫の中で
見捨てられたものにも
まだまだ可能性は潜んでいる」

1966年、金沢市生まれ。
大阪大学大学院文学研究科で文学博士。
現在、名古屋芸術大学と、
京都市立芸術大学の、
非常勤講師。

著書は『黄昏の調べ』(春秋社刊)
この言葉は著書から引用された。

論文の着眼点が面白い。
「音楽作品ゲーム論」、
「演奏のマネジメント試論」等。

「右肩上がりなど
もはや望むべくもない社会に
求められているのも、
ありあわせのもの、
眠っているものを
活用する術であろう」 

この大久保賢さんの言葉を見て、
ピーター・ドラッカーのイノベーションを、
まず思い浮かべる。

ドラッカーは約1000のイノベーション事例を、
調査・研究した。
その1000のケーススタディを、
分析し、分類し、
7つのカテゴリーに仕分けした。

そして、イノベーションが起こった理由に関して、
頻度の高い順にカテゴリーを並べる。

第1が予期せぬもの、
第2が負のニーズ、
第3が明らかなニーズ、

第4が産業構造変化、
第5が人口動態変化、

第6が認識の変化。
そして最後に第7番目が発明・発見。

大久保さんの現代音楽のいく道は、
発明と発見をさらに分類して、
いまだ聴いたこともない音の「発明」ではなく、
既存のものからの「発見」だとする。

大久保さんは、
現代音楽について語っている。

しかしそれは現代技術について、
そのハードウェア、ソフトウェア、
さらにヒューマンウェアについて、
真摯に考察しているように見える。

商業や流通サービス業に関しても、
チェーンストアに関しても、
その経営論から技術論まで、
ありあわせのもの、眠っているものを、
発見し、活用することが必要である。

とくに右肩上がりなど、
望むべくもない産業において。

見捨てられたものにも、
まだまだ可能性は潜んでいる。
その可能性を探す「創意」こそが、
何よりも求められている。

台風の行方を夢想し、
風向きを心配しながら、
そんなことを思った。

〈結城義晴〉

2016年08月26日(金曜日)

迷走台風10号とUAゼンセン流通部門労使懇談会の講演・パネル

トリプル台風の最後に残った10号。
「迷走台風」と名づけられて、
いまさらにように、
本州上陸の可能性が出てきた。

台風10は19日金曜日に八丈島東で発生。
南西方向に進んだ。

25日木曜日段階では、南大東島の南で停滞。
26日金曜日の今日、進路を東に移した。

午後6時現在、
沖縄の南大東島の南約310キロ地点。

中心気圧は945ヘクトパスカル、
中心付近の最大風速は45m、
最大瞬間風速は60m、
ゆっくり東に進んでいる。

非常に強い勢力。

明日27日土曜日夕方、
再び南大東島の東南東約310キロ付近、
29日月曜日には小笠原付近に移る見通し。
さらに30日火曜日ごろから北西に進んで、
本州に上陸する可能性がある。

なんとも珍しい台風だ。
準備怠りなく。

Daily商人舎に、連日、
7月の営業実績が報告されている。

今日は、総合スーパーと食品スーパー。

そして7月の主要業態別前年同月比。
食品スーパーマーケット 1.4%
コンビニエンスストア 0.3%
総合スーパー 0.2%
百貨店 ▲0.1%

総合スーパーも食品は1.4%伸びた。
ウナギも好調だった。

さて、今日は、
朝から、東京・御成門。
カスタマー・コミュニケーションズ㈱。
恒例の取締役会。

月刊商人舎8月号が話題になった。
「特集 商品前線異常なし!」

「商品前線」を40カテゴリーで展開した。
その基礎資料として、
CCLの全国パネル「TRUE DATA」が使われた。

メーカーや卸売業から、
8月号の購読注文が殺到している。

ありがたいことだ。

取締役会の後、
昼食も取らずに水道橋。
今度は、場所は東京ドームホテルで、
UAゼンセン流通部門の
第4回労使懇談会。
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UAゼンセン加盟小売業の、
人事部トップと労働組合トップ、
そして関係団体から、
総勢400名近い参加者が集った。
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はじめに流通部門長の藤吉大輔さんのあいさつ。
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流通業が置かれた環境と、
それに対する流通部門の、
本年度の方針などを発表。

続いて島田尚信さんのお祝いのあいさつ。
UAゼンセン会長代行。
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そして労使懇談会の開幕。
2本の基調講演と、
パネルディスカッションの3部構成。

第1部の基調講演は結城義晴。
テーマは「流通革命と流通3.0」
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商業・流通業の近代化は商業界精神だった。
その精神に則って、
1962年、林周二著『流通革命』が上梓された。
この流通革命論の骨子を紹介しつつ、
小売業の近代化に果たした役割を整理。
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そして流通革命論に傾斜した
実務家たちの軌跡を客観化しつつ、
脱チェーンストア、
超チェーンストアといわれる
新しいチェーンストアの方向性を語った。
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近代化から現代化に至る働き方、
組織の在り方。
これは「流通3.0」と名づけられる。
石井淳蔵先生流通科学大学前学長の命名。

今、流通業の新たなマネジメントの枠組みが、
必須である。
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それを労使の皆さんに理解してもらう。
これが今日の私の講演テーマ。
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基調講演第2部は、
イオン特別顧問の山梨広一さん。
「流通企業における時代の戦略課題」がテーマ。
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山梨さんはマッキンゼーを経て、
イオン㈱の内務総括、
経営企画担当などの執行役を歴任。

私からバトンタッチされた形で、
「流通3.0」時代の具体的な課題と、
戦略キーワードを解説してくれた。
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この2つの基調講演をもとに、
第3部はパネルディスカッション。
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モデレーターは若林靖永さん。
京都大学経営管理大学院院長。
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パネラーは私と山梨さんと新妻健治さん。
新妻さんは流通部門副部門長、
産業政策委員長、
そしてイオンリテールワーカーズユニオン連合会長。
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新妻さんは流通産業の論点を整理して、
そのうえで産業政策委員長としての、
流通部門の基本政策を提示した。
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パネラーとしてそれぞれが主張し、
モデレーターの進行もよく、
パネルディスカッションらしい90分間だった。
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いくつか参加者からの質問もあった。
わたしはホールフーズのマネジメント、
サム・ウォルトンの標準化の考え方、
さらに要望されて万代の経営など、
流通3.0時代のマネジメント実例を述べた。
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労使の皆さんも、メモを取って、
熱心に聞いてくださった。
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懇談会には最後に、
川合孝典参議院議員が駆けつけて、
あいさつ。
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民主党は逆風だったが、
UAゼンセンの応援もあって、
川合さんは夏の参議院選で当選した。
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労使懇談会はその後、
会場を移して記念パーティ。
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藤吉さんのあいさつ。
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新妻さんの乾杯の発声。
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そして懇親。

山梨広一さんと握手。
お疲れさまでした。
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万代副社長の下岡太市さん。
パネルディスカッションの中で、
万代の経営を語ったので、
懇親会場で、下岡さんは質問攻めにあった。
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ライフコーポレーション会長の清水信次さん。
清水さんは日本チェーンストア協会会長、
日本小売業会会長の立場で臨席。
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開口一番、「何か面白い話はないか?」
90歳にして好奇心は衰えない。
食欲も旺盛で、感心したが、
中国のアリババ集団の話などして、
喜んでもらった。
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そして井上淳さん。
日本チェーンストア協会専務理事。DSCN8513-1

前参議院議員の金子洋一さん。
金子さんは私の高校の後輩。
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流通部門長の藤吉さんと握手。
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最後に新妻さん。
今度、人の問題を語り合いたい。
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いろいろな人たちと話をしていると、
あっという間に中締め。
中締めは流通部門事務局長の木暮弘さん。
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全員きれいにそろって1本締め。
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午後1時から7時まで、
6時間の第4回労使懇談会も、
無事にお開き。

あぁ、疲れた。

けれど講演は大好評だったし、
パネルディスカッションも有意義だった。

迷走したのは台風だけだった。

〈結城義晴〉

2016年08月25日(木曜日)

村営スーパー「かあべえ屋」とセブン-イレブン「欠品の見える化」

Weekly商人舎週刊特別企画公開。
[短期集中連載]
首都圏最新店舗研究②
サミットストア羽衣いちょう通り店
546坪の第4次新MD型フォーマット
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サミット㈱の2016年3月期決算、
売上高は2663億円、
経常利益は64億6900万円。
店舗数は114。

田尻一前社長の最後の実績。

竹野浩樹新社長の最初の仕事は、
この店のオープン。

服部哲也取締役常務執行役員と、
星野郁夫取締役執行役員が答えてくれた。
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ぜひ読んでください。

商人舎IDホルダーしか読めませんが、
悪しからず。

今日は雑誌が2誌届いた。
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月刊コンビニと月刊MD。

月刊コンビニは現在、
㈱アール・アイ・シーが主催している。
昨年末、㈱商業界から売却された。

しかし、毛利英昭発行人兼編集長、
なかなかのもので、いい出来栄え。

メイン特集は、
「予約商品」獲得の仕組み

編集委員の梅澤聡さんが、
頑張って、雑誌づくりも丁寧だ。
梅澤さんは㈱商業界前取締役で、
私の後輩。

ただし一言。

書評欄「Books Review」で、
『コンビニ人間』を取り上げているが、
この芥川賞作品は、
今月号のトップに、何とか、
緊急でもいいから取り上げてほしかった。

わが月刊商人舎では、
8月号の巻頭論文で、
この小説のフレーズを使った。

そんなタイミングが、
雑誌づくりには求められる。

もう一つの月刊MDは、
ドラッグストアの経営誌。
特集は「元気店長列伝」 
5人の店長の取材記事。
スギ薬局、トモズ、杏林堂薬局、
ココカラファインとツルハドラッグ。

それだけ。

店長のマネジメント理論もないし、
統計資料もない。

ただの2ページ取材記事の羅列。

ちょっと、がっかり。

主幹の日野眞克さんも、
編集人の宮﨑文隆さんも、
㈱商業界時代の後輩なので、
頑張ってほしいところだ。

コンビニやドラッグストアの、
店づくり、商品づくり、人づくりと同様、
経営専門誌づくりも、
ドキドキワクワクが必須だ。

そして一誌一誌、
子供を育てるように、
愛でながら、つくりあげたい。

さて、朝日新聞は最近、
経済や流通に弱い。

とくに日経新聞には大きく離された。
しかし今朝の『天声人語』

東京都の檜原村に今夏、
初の「村営スーパー」が開店。

これを全日食チェーンがサポートした。
ご存じ、日本最大のボランタリーチェーン。

「地元にコンビニかスーパーがほしい」
過疎化していく村民の年来の声。

かつて6000人を超えた人口が、
現在は2300人。

商店も今や10店。

コンビニ各社に出店打診をしたが、
毎日の客数300人、月商900万円が、
損益分岐点で、それに満たない。

そこで資金9500万円で、
第3セクターを立ち上げ、
全日食チェーンに加盟して、開店。

全日食は全品供給をする。

店の名は「かあべえ屋」

「村の人の使う言葉『買うべえ』から付けた」

村職員の藤原啓一さん。
「新鮮な肉や魚、卵や牛乳が買える拠点は
村に欠かせないインフラです」

そのとおり。

記事の最後の一文。
「レジに列をなす人々の表情は
とびきり明るかった」

全日食チェーンにも期待しよう。

がんばってくれ。

同じく朝日新聞『日々のことば』
鷲田清一編著。

毎日、いいので、
毎日、引用している。

礼は、頭を下げるときでなく
顔を上げるときこそ丁寧に。
(老舗の女将)

京都の旅館の女将に鷲田さんが教わった。
「顔を上げるとき相手の姿に
ゆっくりと目をやること。
一期一会のご縁を大切にしたい、
心をほどいてごゆっくり、とのメッセージか」

「すると客も『こちら様』ではなく
『あなた様』として迎えられたと思う」

「もてなしとは、客人に
普段とは違う時間を用意してあげること」

すべての商売、
すべてのビジネスに、
共通すること。

大朝日の一面が、
商売の極意で埋まった朝だった。

日経新聞は一面で、
「コンビニ、欠品ゼロへ」

要は、セブン-イレブン・ジャパンが、
10年ぶりに情報システムを刷新する話。

投資額は過去最高の520億円。
「店舗に配る新型の発注端末に
売り切れ間近の商品を
従業員に知らせる機能を持たせる」

ご存じ、コンビニの4大原則。
品揃え(欠品しないこと)
②鮮度管理
③クリンリネス
④フレンドリーサービス

フードサービス業は、
三大原則でQSCという。
Quality、Service、Cleanliness。

コンビニの鮮度管理は、
Quality管理でもあるから、
三つの原則は同じ。

だから品揃え(欠品しないこと)は、
外食と小売りの違いを示す重要原則。

今回はそのコンビニ第一原則に関する、
システム刷新。

今秋までに発注端末・パソコンなど、
機器の更新を完了し、
2017年度から順次、
新システムの運用を始める。

「新型の発注端末は
飲料や菓子などの加工食品、雑貨について、
各店の発注個数や販売個数、
売れ行きから見た適正在庫の情報をもとに、
追加すべき商品を液晶画面に表示する。
警告音でも注意し、
欠品をゼロに近づけることをめざす」

スーパーマーケットなどで大流行の、
「自動発注」と呼ばれる仕組みも、
各社の考え方によってずいぶん異なるが、
セブン-イレブンは人による発注を、
あくまでも基本とする。

その人間の判断を助け、
欠品防止に貢献するのが新システムだ。

新型端末では、
「弁当や総菜についても、
いつ売り切れになったかを
従来より簡単な操作で
確認できるようにする」

このシステムの刷新により、
約2900品目に上る店頭商品の大半で、
「欠品状況の『見える化』が実現」する。

すばらしい。

井阪隆一セブン&アイHD社長、
古屋一樹セブン-イレブン・ジャパン社長。

なかなかいい線をついてきた。

来2017年夏からは、
「クレジットカード決済端末」を組み込んだ、
新型レジも導入する予定。

多分、月刊コンビニも、
この記事の特集を組むだろうが、
「スピード」は何よりも大事だ。

もちろん「記事の欠品」も許されない。

雑誌づくりも店づくりも、
全く同じなのだ。

今日はちょっと、
先輩ぶってみた。

お許しを。

〈結城義晴〉

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結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

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