9月1日。
通常の年は、
今日が二百十日。
しかし閏年には昨日の8月31日が、
立春から数えた210日目。
したがって今年の今日は、
二百十一日。
2016年が3分の2を終了。
あと4カ月で今年が終わる。
初めにお知らせ。
9月1日の今日、
商人舎公式ホームページのスマホ版が、
ちょっとだけ見やすくなりました。
さて、AJSネットワークが届いた。
私の連載はもう105回目。
今回のテーマは、
「模倣・創造」と「希少性・模倣困難性」
「模倣」ばかりしていると、
感覚が麻痺して「盗用」に陥りやすい。
恐ろしいことです。
ジェイ・B・バーニーの理論からして、
「模倣」だけの組織には、
「模倣困難性」が存在するはずもない。
そのことを書いた。
ご愛読、お願いします。
なお、今号で、
荒井伸也名誉会長の連載、
「知行合一」は、
14回の幕を閉じた。
ちょっと唐突感は残ったが
ほんとうにご苦労様でした。
最後の言葉は、
「生まれ変わっても、私は、
またスーパーマーケットを
自分の仕事として選びたいと、
本気でおもっている」
お見事です。
感服、感謝。
さて、今日、
新会社が誕生した。
ユニー・ファミリーマート・ホールディングス。
Daily商人舎で取り上げた。
第三極ユニー・ファミリーマートHD、
9月1日の今日発足
現在の日本小売業界は、
第1位がイオン、年商8兆1767億円。
第2位がセブン&アイ・ホールディングス、
6兆0457億円。
ユニーグループが1兆0387億円で、
ファミリーマートは4277億円。
単純足し算で1兆4664億円。
ただし、ファミリーマートの、
加盟店を含む全年商は、
2兆0056億円だから、
こちらを足し算すると3兆0443億円。
明らかに日本小売業界の第三極の誕生だ。
もしかしたら、
これからの売上高ランキングは、
フランチャイズ加盟店も含めた試算で、
行わねばならないかもしれない。
この計算でいけば、
セブン&アイのほうも、
セブン-イレブンの売上高を足して、
年商9兆5430億円となる。
イオングループのほうも、
ミニストップや持ち分法適用会社など、
全部含めなければならず、
こちらは10兆円を超える。
いずれにしても、
ユニー・ファミリーマートの皆さんは、第三番手の自覚と誇りをもって、仕事に励んでほしいと思う。
それが西川俊男さんら、
創業者や先輩に対する礼儀だし、
顧客に対する責任だ。
さて、悲しいニュースは、
ベラ・チャスラフスカさんの逝去。
74歳だった。
1964年東京五輪で、個人総合優勝。
平均台、跳馬でも金メダル。
次のメキシコ五輪では、
個人総合連覇、種目別の3種目で金メダル。
通算7つの金メダルを獲得。
現在のサーカスもどきの演技ではなく、
美しさ、優雅さを持った女子体操だった。
私は本当にあこがれた。
このブログでも書いたが、
68年夏の「プラハの春」で、
民主化アピール「二千語宣言」に署名。
そのため、
チェコスロバキアの社会主義政権下で、
圧力を受け、職を失い、
体操界から追放された。
「名前を偽って掃除婦の仕事をしていた
……スカーフをかぶって変装」など、
来日して語った。
しかし1989年の「ビロード革命」で、
社会的地位を復権させて、
大統領補佐官や、
チェコ・オリンピック委員会会長、
さらに国際オリンピック委員会委員など、
歴任。
ご冥福を祈りたい。
あこがれの人が、
また一人逝った。
日経新聞『私の履歴書』には今月、
安部修仁さん登場。
吉野家ホールディングス会長。
すごく楽しみだ。
第1回は「逆境越えて」
吉野家は申(さる)年が節目だという。
まず1980(昭和55)年7月15日。
この朝、東京地裁に、
会社更生法の適用を申請。
「そんな重大な日に私は
会社に無断で欠勤し、
昼ごろ同僚からの電話で倒産を知る」
「『嫌気がさしてバックレた』と話したが、
本当は過労でぶっ倒れて
床に伏せっていた」
すごい出だしだ。
このとき30歳。
吉野家の創業は1968年、申年。
安部さんも福岡生まれの九州男児だが、
バンド活動をしながら、
吉野家で働き始める。
18歳だった。
12年後の80年に倒産。
その12年後の92年には、
再建に協力したセゾングループが、
経営不振に陥って、
吉野家の経営体制が急変し、
安部さんは42歳で社長就任。
その12年後の2004年は、
米国で発生したBSE問題が発生し、
売上高の9割を牛丼で稼いでいた吉野家は、
絶体絶命。
全面再開まで約4年、
安部さんは悪戦苦闘。
さらにその12年後の今、
「社員として初配属された築地店は
築地市場移転とともに閉め、
豊洲新市場店を11月に開店するはず」
それが小池百合子都知事誕生とともに、
微妙なことになった。
安部修仁の申年人生。
この1カ月が楽しみだ。
「今、吉野家には世界中で一日に約90万人が来店してくださっている」
安部修仁の誇らしげな一言。
商人は誇りをもって、
生きなければいけない。
〈結城義晴〉