結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年09月02日(金曜日)

9月の商人舎標語「小さな兆し・大きな変化」を実体験せよ!

9月2日。
結城義晴、
64回目の誕生日。

自分ではさして感慨もない。

しかしソーシャルネットワークの時代、
多くの人々に祝っていただいた。

心から感謝したい。

「何のために」人間は
生きるかという問い

……を拒否することが
〈生きる〉ということの
現実性だというだけです。
(吉本隆明『どこに思想の根拠をおくか』)

今日の朝日新聞『折々のことば』
不思議だ、こんな日にこんな言葉。

鷲田清一さん編著。

「『何のために』と問う前に、
人はすでに現実の内に
どっぷり浸かっている。
全体を見通せず、またたやすくは
足を抜けない場所に立っている」

同感。

「人には泣く泣くせざるをえないこと、
『なしくずしにずるずると』
生きざるをえないこともあり、
なぜそうなるのかを問うほうが先だ」

然り。

しかし、それはもう、私、
解決した。

そして今日は、
月刊商人舎9月号の最終責了日。
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午前3時に目を覚まし、
深夜の3時になっても終わらない。

にもかかわらず、
束の間、『老子』を読んでいる。
中公文庫の小川環樹訳注。
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その第一章。

(みち)の道(い)う可(べ)きは、
の道に非(あら)ず。
名の名づく可きは、
常の名に非ず。

「道」が語りうるものであれば、
それは不変の「道」ではない。
「名」が名づけうるものであれば
それは不変の「名」ではない。

「道」とは究極の存在。
すべての根源、本体のこと。
「名」は「名称」のこと。

「道」は語れるものではない。
それを語りすぎる。
「名」はそうやすやすと、
名づけられるものではない。

不変の「道」や不変の「名」で、
なければならない。

名無きは、
天地の始めにして、

名有るは、
万物の母なり。

天と地が出現したのは
「無名」(名づけえないもの)からであった。
「有名」(名づけうるもの)は、
万物の(それぞれを育てる)母にすぎない。

(まこと)
「常に欲無きもの、
以て其(そ)の妙(みょう)を観(み)
常に欲有るもの、
以て其の徼(きょう)を観る。」

まことに「永久に欲望から
解放されているもののみが
『妙』(かくされた本質)をみることができ、
決して欲望から解放されないものは、
『徼(きょう)』(その結果)だけしか
みることができない」のだ。

まったくの同感。
以て自戒とすべし。

此の両(ふた)つの者は、
同じきより出でたるも
(しか)も名を異(こと)にす。

この二つ(つまり無名と有名)は
同じものから出てくるが、
それにもかかわらず名を異にする。

同じきものは之(これ)を玄と謂(い)う、
玄の又(また)玄、衆妙の門なり。

この同じものを「玄」(神秘)とよぶ。
(いやむしろ)「玄」よりも
いっそう見えにくいもの
(というべきであろう。
それは)
あらゆる「妙」(本質)が出てくる門である。

欲望から解放された者だけが、
本質を知ることができる。
欲望から解放されない者は、
結果しか見ることができない。

ああ、私は64歳にして、
欲望から解放されたのか。

最後に自問する。

では、今月の商人舎標語。
[Message of September]

「小さな兆し・大きな変化」を実体験せよ!

何かが大きく変わるとき、
どこかに変化の兆しが現れる。
その兆しは小さなものかもしれない。
しかし必ず兆しは現れる。

さらに何か大きな変化が起こるとき、
兆しはいくつも現れる。
あっちこっちに兆しが現れ、
それらが呼応し合って大きな変化を促す。

小さな兆し、
大きな変化。

それは突然変異のように
生まれるわけではない。
何らかのプロセスをたどりながら、
原因が結果を生み出す。

小さな予兆は
因果の
最初の
ランプの点滅である。

小さな現象の先に、
大きな変化が待ち受けている。
小さな兆しの先に、
コペルニクス的転換が控えている。

小さな兆し、
大きな変化。

2016年のアメリカ小売産業に、
その兆しが表れている。
Walmart has stopped!
Amazon is growing!

365 by Whole Foods Marketが登場し、
Trader Joe’sにInnovationは見られない。
Nebraska Furniture Martは大繁盛し、
Berkeley Bowlはパワーアップする。

巨大化した企業がさらに統合を重ねる。
一方で業態概念は衰退しつづける。
チェーンストアコンセプトは限界を見せ、
地域対応、個店対応、個人対応を迫る。

それでも米国小売業には、
不思議なエネルギーが満ち溢れている。
最先端の変化の魅力が沸き立っている。
だから私たちは引き寄せられる。

自分の目で見よう。
自分の耳で聞こう。
自分の五感で感じよう。
現場で実体験しよう。

小さな兆しを、
大きな変化を。

自分の目で見よう。
自分の耳で聞こう。
自分の五感で感じよう。
現場で体験しよう。

〈結城義晴〉

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