結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年09月18日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その18】ススキ

猫の目で見る博物誌――。
DSCN8963-2016-4-10-66666
猫の目は夜にも見える。
光のないところでも見える。
そんな猫の目で見る博物誌――。

中秋の名月。
DSCN9707-6

そして、ススキ。
s9

萩は月に芒は風になる夕
〈明治29年、正岡子規〉

萩は「はぎ」
芒は「すすき」
夕は「ゆうべ」で夕方のこと。

子規は数多く、
ススキの句を詠んだ。

ハギもススキも秋の七草。

ハギ(Lespedeza)は、
マメ科ハギ属の総称。
落葉低木。

秋の七草は、
キキョウ科のキキョウ「桔梗」
(Platycodon grandiflorus)

オミナエシ科のオミナエシ「女郎花」
(Patrinia scabiosifolia)

ナデシコ科のカワラナデシコ「撫子」
(Dianthus)

キク科のフジバカマ「藤袴」
(Eupatorium fortunei)

マメ科のクズ「葛」
(Pueraria lobata)

そしてイネ科ススキ属のススキ。
(Miscanthus sinensis)
s6

「芒」とも「薄」とも書くし、
「尾花」ともいう。

さらにカヤとも呼ばれ、
「茅」あるいは「萱」と書く。

野原に生息。
多年生草本。
s5

高さは1メートルから2メートル。
人間の身長に近い。

地面の下にはしっかりした地下茎がある。
そこから多数の花茎を立てる。

「花茎」は「かけい」で英語でScape。
花のみをつける茎のこと。

ススキの葉は細長い。
葉は多数、つく。
「根出葉(こんしゅつよう)」

「根出葉」は茎が極端に短いため、
根または地下茎から直接、
出ているように見える葉。
ダイコンやタンポポなど。

ススキの茎は「稈(かん)」

「稈」は中空になっている茎のことで、
稲・竹などがその代表。

ススキは、この稈から多数の葉が出る。

葉も茎もケイ酸を多く含む。
だから堅くて、葉の縁は鋭い鉤状。
「鉤状」は「こうじょう、かぎなり」と読み、
かぎのように折れ曲がった形のこと。

ススキは夏から秋にかけて、
茎の先端に花をつける。
長さ20cmから30cm程度で、
十数本に分かれた花穂(かすい)。
花穂は穂のような形で咲く花のこと。

そのススキの花穂は、
赤っぽい色。
s7
種子には白い毛が生えていて、
穂全体が白っぽくなる。

この種子は風によって飛ぶ。

富士山と芦ノ湖とススキ。
f

箱根千石原のすすき野原。
s1

光の中のすすき。
s10

 幽霊の正体見たり枯尾花

もともとは、
「化物の正躰見たり枯尾花」
横井也有の俳文集『鶉衣』から。
也有は江戸時代中期の国学者・俳人。
s4

幽霊や化物にたとえられるなんて、
ちょっとかわいそうなくらい、
日本の秋を象徴する植物。

月と薄と萩。
今年の秋を楽しむべし。
DSCN8963-2016-4-10-66666
猫はそう思う。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.