ボブ・ディランの
ノーベル文学賞受賞。
アメリカ人は、
大げさには喜ばない?
少なくともUSATodayは、
この3日間で、
今日の朝刊だけ取り上げて、
しかもセクションDの一番下。
日本で吉田拓郎や井上陽水が、
ノーベル文学賞を受賞したら、
スポーツ新聞まで、
全紙が一面トップだろう。
村上春樹でも。
アメリカはクールというか、
非扇動的というか。
ん~。
もう少し、狂喜してほしいなあ。
シンガーの歌詞が、
ノーベル文学賞。
わからん。
日経オンラインの経営者ブログ。
宮内義彦さん、
オリックス・シニア・チェアマン。
タイトルは、
「経済の変調が
本当に起きる前に」
「企業行動も、
国民の高齢化と
同じような流れに
あるのかもしれない」
なるほど。
「戦後日本が追求してきた
『豊かさ』が満たされ、すっかり
安定志向となっている現在の日本に、
野心に満ち満ちて、
投資意欲をかき立て続ける経営者が
少なくなっているのは、
当然の現象かもしれない」
納得させられるところもある。
野心に満ちた経営者、
出でよ。
同じく鈴木幸一さんのブログ。
インターネットイニシアティブ会長。
「笛吹けど踊らずーー
投資意欲を失った日本」
「融緩和と財政支出で
エンドレスにごまかせれば、
こんなにいいことはないのでしょうが、
そうはいかないはずです。
日本経済が
本当の変調を迎えないためにも、
アベノミクスの原点である
構造改革と成長戦略を一つ一つ
実現していくしかないはずです」
お二人が今週、
口をそろえて言う。
ニューヨークから見ていると、
それが本当に実感される。
この3日間、
マンハッタンにいて、
原稿仕事と美術館巡りと、
ちょっとだけ店舗訪問。
美術館巡りは、
今日は書けない。
膨大すぎて。
またの機会に。
でも、いいですよ。
フェルメールもレンブラントも。
店はまず、
コロンバスサークル。
ホールフーズ。
真ん中のエスカレーターを降りて、
左に行くと青果部門。
こちらのサイドが、
生鮮食品とグロサリー。
バナナのハング陳列は、
ホールフーズの専売特許。
カットフルーツも素晴らしい。
3ドル99、5ドル99、7ドル99。
それに6ドル99が入る。
価格設定がいい。
パプリカの陳列は美しい。
対面方式の精肉売り場。
安定した人気で、
凝ったことはしない。
バルク売り場は壁面に。
そしてシーフード売り場。
ミート売り場と離れていて、
独立自営(自主管理)はホールフーズだけ。
この美しさ。
店舗右翼にサービスデリ。
寿司バーは行列。
ピザやサンドイッチも、
大人気。
その右手にコーヒースタンド。
このコーナーも、
ホールフーズならでは。
そしてビールバーが仕切られている。
一番右手は、
サプリメントやホールボディ。
レジはいつも並んでいる。
そしてレジの後ろに、
イートインのスペース。
この店が内食と外食の融合を、
初めて世界に見せつけた。
コロンバスサークルにあるから、
ちょっとニューヨークに、
立ち寄ったという人も、
観光目的の人も、
訪れてみてください。
もうひとつ、
地元のローカルチェーン、
モートン・ウィリアムズ。
1946年創業のファミリービジネス。
地域密着に徹していて、
マンハッタンに11店舗。
隣がドラッグストア、
CVSファーマシー。
小さな店だが、
意外によくできていて、
入り口を入ると、
左が青果、真ん中がデリ、
右がレジ。
セルフデリは、
本当の家庭の味を実現。
湯気が立っていて、
おいしそう。
サービスデリは対面売り場。
こちらも地元の味。
青果部門はどんな小さな店も、
美しくプレゼンテーションされる。
この見事さ。
精肉と乳製品は、
ドン詰まりの一番奥。
気負うことなく、
ファミリービジネスで、
地元の顧客の顔を見ながら、
丁寧に商売する。
これが一番いい。
派手なことをやれば、
一時的に顧客が集まるが、
それは長続きしない。
商いは飽きない。
それもモートン・ウィリアムズの店に、
よく表われていて、
好感が持てる。
そんなにきれいではないし、
大きくもないし、
これといった特徴もない。
ただ丁寧に地元の顧客と向き合う。
私は好きだ。
ゼイバーズはユニークだ。
シタレラもセンスがいい。
フェアウェイマーケットもすごいが、
株式公開して倒産した。
先を急ぐな。
もちろんホールフーズ、
トレーダー・ジョー、
ウェグマンズは世界最高峰。
しかしそうなれない会社や店が、
背伸びしすぎて、
我を忘れる。
これほど危険なことはない。
ファミリービジネスは、
ほんとうにいい。
モートン・ウィリアムズを見ていて、
それを痛切に感じる。
反省しきり。
もちろん日本経済を立て直すために、
生きのいい、若い経営者は、
登場してほしいけれど。
さて、ニューヨークに来て、
一人だから日本食ばかり。
まずはかつ浜。
めんちゃんこ亭1号店とドッキング。
一番搾りを頼んで、
大根と梅のサラダ。
ゴージャス。
黒豚餃子。
カリカリッと焼き上がっていて、
美味い。
そしてロースかつ。
久しぶりに満足。
このあとめんちゃんこか、
チャンポンを食べようと思ったが、
踏みとどまった。
それから、
ホテルから3分のラーメン屋。
寺川ラーメン。
熊本らーめんで、
ニューヨークの人気ランキング7位。
店内はカウンターのみで、
12席ほど。
マーユラーメンを注文。
これも大満足。
地元の顧客ばかり、
隣の大柄の女性は、
カレーライスをまず、
サラダ代わりに平らげて、
そのあとマーユラーメンを、
全部食べた。
ああ、かつ浜で、
めんちゃんこ、
食べとくんだった。
後悔、先に立たず。
食行動も企業行動も、
国民の高齢化と同じ流れに
あるのかもしれない。
もっと食べて、
もっと動いて、
新陳代謝をこそ、
第一のモットーにしよう。
メトロポリタン美術館と、
フリックコレクションを巡って、
1万5000歩、歩いているから、
胸を張って言える。
(つづきます)
〈結城義晴〉