安倍晋三首相と、
ドナルド・トランプ次期大統領。
ニューヨークのトランプタワーで、
90分の会談の後、
互いに満足顔をして、
別れた。
いまだ私人の次期大統領は、
世界第3位のGDPの国の首相が、
就任前にそっちから訪れてくれたことに、
大いに自尊心を満たした。
日本国首相は、
その自らの動きの速さに、
自分で納得した。
まあ、直接のコミュニケーションは、
どんな場合にもマイナスではない。
政治の世界を除けば。
毎日新聞巻頭コラム『余禄』
「今年の単語」
英国オックスフォード出版局選出。
「ポスト真実」に決まった。
「post-truth」
意味は、
「世論の形成において客観的事実が、
感情や個人的な信念への訴えかけより
影響力に欠けている状況」
この言葉の使用頻度は、
前年比で20倍。
まず、イギリス。
「英国の欧州連合離脱派が
国民投票で勝利するや
公約はうそだと明かした」
そして、アメリカ。
「米大統領選で根拠のない暴言と
実現不能の公約とで
支持を集めたトランプ氏の勝利」
「人々の鬱屈する不満に応えるうそが
真実を打ち負かした今年である」
なるほど、「post-truth」
とくにツイッターやフェイスブック、
さらにネット上のブロク゛などなど。
悪意あるデマやうそが拡散した。
根拠のない稚拙な言説も飛散する。
「砂ぼこりのように
ばかげたうわさが広がる」
バラク・オバマ大統領のコメント。
「ひとたび自分が聞きたかった
虚言に喝采した人々は、
それを否定するメディアの方に
不信を募らせることになった」
そんな時代を自覚し、
postではないtruthを貫きたい。
朝日新聞『折々のことば581』
鷲田清一編著。
うらを見せおもてを見せて散るもみぢ
〈良寛の辞世の一句〉
「華やかな一色に染まり、
盛りとともに風に吹かれてさっと散る、
その散り際がよしと愛でられる桜よりも、
寒空に散るもみぢを好む人は多い」
今、日本は紅葉の季節。
「傷跡もふくめ、風雨に晒されてきた
その姿をまだらに染めつつ、
一葉一葉、そっと枝から離れる。
陽のほうを向かなかった
裏までぽっと染めて、
澄んだ冷気に微かなほてりを与える」
裏も表も見せて散る紅葉。
やはり良寛はpost truthとは違う。
さて、サンフランシスコに来て、
3日目。
万代知識商人大学一期生の、
米国修了研修の最終日。
この日は遠出。
サンフランシスコの北、
バカビル地区へ。
目的はナゲットマーケット。
店舗入口は、
プローモーションスペース。
今日のおすすめ商品が、
積み上げられている。
冷凍食品売り場。
広い通路とR型のひさしをつけて、
店舗中央部に配置。
ナゲットの特徴は、
マーブル柄のピカピカの床。
スタッフがいつも磨いている。
これがナゲットマーケットの、
ポジショニング構成要件。
アイデンティティにまで昇華した、
ピカピカぶりだ。
続いて、
ウィンコフード。
エンプロイー・オウンド・カンパニー。
従業員持ち株制度の会社。
これがウィンコのアイデンティティだ。
入口のウォール・オブ・バリュー。
壁のようにお買い得商品が並ぶ
プロモーション売り場。
平台では、
マッシュルームとインゲンの量販。
それぞれ1パウンド(494g)が
2.98ドル、1.48ドル。安い。
店舗奥には、シーフード、ミート、
そしてデアリーの売り場が続く。
冷凍食品売り場は
両サイドにリーチインケース。
中央に平ケース。
量販商品はラック什器に
パレットごと並べる。
水の販売もご覧の通り。
玩具コーナーで、
これを見つけた。
気に入った。
渋めのビッグハンド黒を購入。
サンフランシスコ市街に戻って、
コストコへ。
ホールセールメンバーシップクラブ。
クリスマスデコレーションのための、
大量のモミの木の枝。
これは一般家庭だけでなく
スモールビジネスの店舗で、
クリスマスの飾りつけに使われる。
老若男女、高齢者も若者も、
人種を超えて、コストコファンになる。
これほどポジショニングが、
確立された企業も少ない。
マーケットプレイス&フェリーズ。
フェリー乗り場の倉庫跡に
レストランや専門店を集めた、
人気のスポット。
改装した施設内は
快適な空間。
両サイドに人気のショップが並ぶ。
店は人気がないとすぐに改廃される。
その中で、日本のRF1の「デリカ」は、
がんばっている。
その後はユニオンスクエアで、
2時間ほどの自由視察研修。
都市型店舗は
1階を食品売り場が占める。
デリやワインなどを品揃えして、
コンビニエンスニーズに対応。
ユニオンスクエア地区には、
ノードストローム、
ブルーミングデール、
メイシーズなどなど、
アメリカの名だたる百貨店が軒を並べる。
ノードストロームの隣には、
ノードストローム・ラック。
オフプライスストア。
サックス・フィフス・アベニューの、
オフプライスストア。
オフフィフス。
自由視察を終えて再集合したのは
ジョンズグリル。
ステーキレストラン。
知識商人大学1期生として
アメリカで学んだことを実践していく。
それを期待しつつ、皆で、交流。
メインは300gのステーキ。
付け合わせの野菜も美味だった。
最後の夜は、
充実感とともに更けていった。
そして今日、1期生は、
ホリデーインゴールデンゲートウェイに、
別れを告げ、帰路へ。
バスの中で、最後の講義。
「ポジショニング」について、
改めて総括した。
会社のポジショニング、
店のポジショニング、
部署のポジショニング、
そして自分自身のポジショニング。
それを確立していかなけばならない。
サンフランシスコ国際空港に着いて、
最後の記念写真。
万代知識商人大学1期生、
日本に戻ってから、
どんどん成長し、
ますます活躍するだろう。
その際、何よりも大切なのは、
Integrityである。
そしてpost-truthではなく、
Truthである。
私はこの後、ロサンゼルスへ。
1日だけ、調査。
真実を求めて、動き続ける。
(つづきます)
〈結城義晴〉